湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

無用の長物を社会見学

2016-07-03 23:04:57 | あんな話こんな話


先日、わさび丼を食べに行った際に、「三島スカイウォーク」に寄り道した。

箱根から伊豆への山越えの途中に突然現れたので、たしか最近完成した話題を見たなと急ハンドルを切ったのだ。

歩行者専用のつり橋としては日本一らしい。
でも、必要に迫られてとか地域住民の往来を便利にしようという理由ではなく、観光振興での地域活性化のためだそうだ。

びっくり。

しかも、料金が1.000円也でまたびっくり。

「くだらない」
妻と娘は早くも離脱。
見る前から1.000円の価値なしと瞬時に判断したということ。

ただ、観光客は気分も大きくなっているので「1.000円なら」とみんな渡っていくのだろう。たぶん700円でも500円でも入場者は変わらないはず。1.000円は絶妙な設定だ。
そもそも観光バスの団体さんがメインのようだし。

渡ってみれば「くだらない」が正しいことだとしっかり実感できる。
特に小雨が降る中だったので、100円くらいの価値しか手にできなかった(個人的な感想です)。

なぜ、家族に馬鹿にされながらも大枚はたいて渡ったかというと、その「くだらない」ことを実感してみたいと思ったからである(笑)。

大自然の中に実用ではない巨大な人工物をおっ建てて人を呼ぼうとする、まるでバブルの頃のような愚行を確認したかったということ。

視界が悪かったこともあり感動もなく、足元の鉄板も透けているか透けていないか程度なので誰も下を見てスリルを感じようともせず、お年寄りなどは世間話に花を咲かせながら脇目も振らずに近所の歩道を歩くようにだらだら往復しているのであった。

いただいたパンフレットを読むと、「社業を通じて地域社会に貢献するという企業理念を掲げる弊社として」「地域への恩返しをしたいと考え、今回の事業を進めました」などと書かれているが、弊社はいったいどこの会社なのか。パンフレットのどこを見ても「三島スカイウォーク」以外、会社名らしい表記はない。つくる前から「地域への恩返し」というのもおかしな話だし、書いた本人しか分からないところも笑える。

この日記でこれほど批判的なコトを書いたのは恐らく初めてだ。
でも、憤りしか感じなかったのだから仕方ない。「弊社」の土地で「弊社」が自費で勝手に「社会貢献」「地域への恩返し」で建てたにしても、誰か異論を唱える者はいなかったのだろうか。いても、「弊社」は聞く耳をもっていなかったか(笑)。

残念ながらまた来たいリピーターになるだけの魅力はない。一回りしたら間違いなくおしまいだ。次に注目されるのは、廃墟としてだろうな(笑)。

僕を待つあいだ妻子はお土産センターみたいな所を見て回ったらしいが、ここも必要以上に豪華だったらしい。「弊社」頑張った。
そうそう、トイレも有料にしても誰も文句を言わないくらい豪華で快適だった。「弊社」頑張った。

もしかしたら、天気がよくて富士山が見えたら「わざわざここまで来て1000円払ってまた見たい」と思えたのかもしれない。そうだとしたら、ごめんなさいね。


写真をよく見ると、橋に木立が迫って迫力が欠けるからか(笑)、近くの木々が伐採されている。違う理由だったらごめんなさい。

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