勝てるプランを狂わせたのも、一気にゲームをスリリングにしたのも、レフェリーの一つの笛だった。
前半、ほとんど笛を吹かないで流していた。
54分の中町選手のイエローも、前半は止めさえしなかったプレー。
これを取ってしまったから、次の足の裏を見せたプレーもイエローを出さざるを得なかったのだろう。中町選手が“被害者”のようでもあった(退場時に「おまえは悪くない」的な声もあった)が、クレバーな選手だけに、一つもらったところでセーブしてほしかったなあ。
ただ、一人少なくなったここから、アジエル選手をメインにしたカウンターが始まり、ゲームのほうは俄然おもしろくなった。
それは、守備力が格段に上がっている証拠で(実際、またまた完封だし)、跳ね返してはスピード感あふれる攻撃に転じてワクワク。盛り上がった。
でも、ここまでいったら決めなきゃいけなかった。決めてほしかった。勝ち点3をとらなければいけなかった。完全な取りこぼしだった。
入場者数3092名。人数は少なかったが、最後まで心を一つにした。
ただ、勝利だけが薄暮にかすんでいった。