湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

翼よ、あれが昭和の日だ

2007-03-06 23:58:07 | 本郷後楽園昼休み散歩


翼が折れた。
先週さずかった僕の昼休み専用の翼が、突然ポッキリ折れてしまったのだ。
今日、東大の赤門を出たあたりでパンク。僕の翼こと会社のママチャリを押して歩くことになってしまった。
幸いすぐに自転車屋さんが見つかり飛び込む。
「パンクかぁ」
と一言発したあと、がんこそうなオヤジは黙って手際よく修理に取り掛かった。
まずチューブを引っ張り出すと、バケツの水につけパンク箇所を探す。泡が出たら、そこを拭いてヤスリをかける。もう一度拭くと、角丸の四角いゴムのシールを貼るのだ。
木槌で叩いて密着させ、再び水に浸けて漏れがないかを確認したらチューブを戻していく。
傍らでこの一連の作業を見ていた僕は、少年時代にタイムスリップしていった。
近所にあった自転車屋のおじさんの手際とまったく一緒だったからだ。

僕たちは、いつも一部始終を見逃さなかった。
そして、小学校も高学年になると、パンク修理セットなるものを調達してきて、自分たちでなおすようになった。一人前にできるようになった時の何とも誇らしげな気分。

「はいよ」
「あっ、ど、どうも」
翼を取り戻した僕はサドルにまたがり、勢いよく坂を下った。
このとき、すでに1時10分だったけど。
それにしても、いろんなものが進化している世の中だというのに、自転車のパンク修理は何十年もまったく変わっていない。なんだか嬉しい気もした。
いいね、自転車。




「安田講堂が何十年ぶりかの“放水”できれいになった」というようなニュースを朝、耳にしたので出かけてみた。