湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

小さな大漁旗を染める

2013-12-22 22:10:32 | お休み日和


新しい船の進水式にあわせて船主に贈るという大漁旗。その染めを生業にしている県内唯一のお店が三崎にある。
今日は、そこで行われたミニ大漁旗染めの体験に参加した。先日歩いたツアーのシリーズである。

とはいっても、あらかじめ選択しておいた図柄の布地に、刷毛で好きな色に染めていく。まぁ塗絵みたいな作業である。
ただ、柔らかく目の荒い布、滲みやすい染料というところが難しい点。でも、僕の隣では小学生の女の子がスイスイ刷毛を走らせている(笑)。



「いつもはピンクが人気なんだけど今日は出ないなぁ」
と職人さん。
ところが、選んだ図柄のメインであるクジラをピンクに染めたのは僕です(笑)。
「いつだったか、芸能人の女の子が、やっぱりピンクのクジラにしたなぁ」
あれ~、ちょっとガッカリ。

それに比べ、一緒に参加したおっさん二人旅おっさん二人飯)メンバーの出来は秀逸だった。マグロも波も立体的に見えるぞ。
「この手法は参考にさせてもらう」とプロにも褒められたほどだ。マグロの図柄はいかにも大漁旗っぽくて迫力があるなぁ。



さてさて、染めは1時間半ほどで一応できあがり。この後の工程をプロに任せて終了である。一体どんなミニ大漁旗に仕上がるのか、後日送られてくるとのことで、その日までまた楽しみが膨らんだ。お正月は玄関先に掲げておこうかな(笑)。

僕が子供の頃、房総半島の先端に近い父の実家で、祖父から聞いた話を思い出す。
丘の上に建つその家の窓から海を見ていたら、こう言った。
「水平線の向こうから船が“上って”くる。船に大漁旗が見えると、みんな坂を駆け下りて港に向かったものだ」
その光景が見えてくるようだった。


三崎再発見の旅

2013-12-01 22:40:23 | お休み日和


何度も訪れていた三崎だけど、Facebookでその『三崎下町建物探訪』というツアーを発見、「左官屋さんの親方のレクチャー付き」にひかれて参加した。
三崎の商店街にもたくさん残っている看板建築の話が聴けるとのこと。地元の長老でもなく、建築の専門家でもなく、作り手である職人さんからですよ。素晴らしい切り口ではないですか!



実際、期待以上の内容だった。
ガイドの女性、個人的に参加したという市職員の方、親方(といっても34歳)、皆さんのお話が興味深い。そして、そのお話から皆さんの地元愛がしっかり伝わってくるところがステキだった。
現在残っている建物は親方が直接携わったわけではないが、職人目線で技術的な側面はもちろん、当時の様子や看板建築が広がった理由までを紐解いてくれた。しかも、看板建築の意匠として貼り付けられているパーツの製作過程である「洗い出し」を目の前で見せてくれるというサプライズもあり。訪ねたお店の方の生の声が聴けたり、おいしい昼食に一品プラスで、もう何から何まで満足・満腹、実に魅力的なツアーだったのである。



これまでいろんな街でショーワトリップ(ショートトリップに昭和を引っ掛けているんですよみなさん、ついてきてね)してきたが、いずれも比較的エリアが広く、まち自体の規模も大きいケースが多かった。ところが、三崎は広い道路など一本もなくて、大きな建物も見当たらない。港を中心に細い道、小さな建物が密集、そこに人々の生活が息づく独特のスタイルがあった。
それは、歩くほどに実感できる。大きな街ではよく「路地裏が面白いよね」という。でも、ここでは街全体がその路地裏になっちゃっているのだ。
なんという街だろう。家も人も距離が近くて、他とは明らかに異なる。ここには、さまざまな魅力がギュッと凝縮されているのだ。

今回のツアーで、改めてそんな三崎の面白さを認識できた。
また訪ねたいと思っていたら、とんだ一件で、すぐというか翌日に再訪することになるのである(笑)。













木造平屋のはまぎん

2013-11-17 16:48:43 | お休み日和


先日、湯河原のまちをぶらぶらしていたらスゴイ看板を発見してしまった!
木造の店舗に「横浜銀行 湯河原支店 湯河原駅前」と掲げられている。
かつては、ここが浜銀の出張所だったのか?
だとしたら、いつごろまで営業していたんだろう?

すぐ前にお住まいの方が出ていらっしゃったので尋ねてみたが、あまりにも前のことなのでよくわからないとのお話。
昔の写真でもあったら見てみたいものだなぁ。ガラガラと引き戸を開けて入っていくと、帳場のようなところで腕抜きをした行員がそろばんを弾いていたりして(笑)。
いろんな想像をかきたてる建物に出会うことも、まちあるきの醍醐味なのだ。




おぉ、後方のでっかいマンションとのコントラストがすてき。

きっと長身だったはずのお顔

2013-11-15 20:25:40 | お休み日和


湯河原の福泉寺の境内にある首大仏だ。
よく見るとわかるのだが、陶器製。しかも、もともと胴体もあったらしい。土中に埋もれているわけでもない。顔だけで僕の背丈くらいあるから、全身ならかなりのサイズだったのではないか。
300年も前から名古屋城にあって、戦後こちらに運ばれて来たという。理由は定かではないとのこと。どのタイミングで、肩から上の姿になってしまったのだろう。戦後の話なら誰か覚えていてもおかしくないんだけどねぇ(笑)。
見た目のインパクトもあるので、湯河原を歩く際には(誰も歩かないか!)足をのばしてもいいかも。あの殺人現場のすぐそば。ただし、あちらは神奈川県、首大仏は静岡県。川が県境なんですね。


次の列車が来るまで

2013-11-11 21:36:33 | お休み日和


湯河原からの帰りの東海道線、山側の席に座っていると正面の窓の外が海と空だけという区間がある。
根府川駅のあたりだ。

そうだ、
根府川駅
降りてみよう。

急にそんな気になって、突然下車(笑)。
鉄骨と木造の跨線橋がローカル色満点だ。



西村京太郎サスペンスなら、誰かがナイフで刺されて倒れていそう(笑)。そして、もちろん階段の窓からも海がよく見える。



Suicaを改札でタッチして待合室に出てはみたが、どうやら無人駅のようだ。タッチしなくても良かったかな? いやいや、不正はいけません。ちなみに、ここが東海道本線全180駅で唯一の無人駅というのは後で知る。

駅前に出て振り返ると、大正13年築というからもう90年になろうという木造の駅舎が静かに佇んでいた。



そして、ホテルの送迎バスが1台とその運転手さんの姿だけで、お店もない。ぐるっと見渡してから駅舎に戻り再び改札へ向かうと、そこからまた青い海が見えた。





実は、その海には悲しい歴史がある。大正12年関東大震災で発生した土石流で、かつてここにあった駅舎やホームが機関車や車両とともに海に流され100人以上の犠牲者が出たという。その後引き揚げられた機関車以外の車両や駅舎、ホームなどは今も海の中らしい。

無人駅なのに10分ちょっとでもう次の銀色の電車が滑り込んでくる。ドアが開くと観光客の明るい笑い声が聞こえてきたのだった。

フロリダの休日

2013-11-05 22:14:46 | お休み日和


フロリダへ行ってきた。
といっても、乗り換えに大和駅で降りたとき、入った『純喫茶 フロリダ』なんだけど(笑)。
僕が知っている大和駅はまだ相鉄線が地上を走っていて、南北を行き来するのに踏切を渡らなければならなかった頃だ(笑)。そのころからこのお店がこの外観で存在していたのは記憶にある。でも、入ったのは今回が初めて。
隣の敷地が立て替えのため『フロリダ』の側面が丸見え。



小田急線に沿った側がこんな感じだったのでわかってはいたけど、すごいなぁ。



さて、独特な感じで派手にペイントされた階段を上ると・・・



店内はかなり広かった。この写真の左手、その奥にも広がっていてそれこそ100席以上あるんじゃないかな。



このシートは、ここと同じようだ。ということは、かなり古そうだと思い尋ねると、やはり「55?56年かしら?」とのこと。そうか、僕がときどきこの辺りを通っていた頃よりもさらに前から営業していたのだ。ただ、当初はクラブだったらしい。そういえば、2階へ上がって左手の入口には「 カラオケ喫茶」の表示があった。今でこそ入口は別れているけれど、かつてはつながっていたさらに広大な店だったのかもしれない。



まだ9時過ぎの店内は常連さんと思われるお年寄りが数人、モーニング(580円)を食べているだけで静かだ。窓際の席から外を見ると今はすっきりした駅前の眺めだが、現在は地下化された相鉄線が奥を横切っていて踏切もあり雑然としていた。あの頃は、改札が地下にあったような気もするなぁ。

店内にはなぜかノンジャンルの絵やらなにやらが壁狭しと展示されている(笑)。外観の印象といい、内装としい、ちょっと怪しいカンジだが、この広さに対してお客さんの数は少なそうなのでゆっくりできそう。コーヒーは450円と決して安くはないのだが、チェーン店で時間を過ごすよりも僕はこっちの方がいいな。

そして、グラブ時代の名残か、会計はこんなカンジ。実にいい雰囲気です。おぉ、ピンクの公衆電話も!





こんなカンジでお釣りを待つ。病院のお会計みたい。
さて、急な階段を下りて駅前へ出ましょう。



そういえば、入口の上にはこんな看板が。



「商店街」だと思っていたが、よく見たら「南店街」
どんなところかというと・・・



こちらはまた、そのうち(笑)。


それにしても、若い頃から『フロリダ』という名の喫茶店をよく見かけるような気がして、チェーン店だとばかり思っていた。ここの外観は新宿や池袋、横浜西口の繁華街にあっても違和感ないはず(笑)。こんな昭和なお店が普通に営業している大和、恐るべし。まだまだいろいろありそうだ。


ムフフな三島

2013-11-04 17:58:10 | お休み日和


たしかにね。京都は遠いし日帰りってわけにはいかないからなぁ。
三島ならウチから電車で1時間だし、思い立ったらヒョイと行ける。よくわからないけど、なかなか面白いポスターだ。

さて、それでは今日は、先日三島を歩いたときに見つけたムフフな画像を大放出。たいしたムフフじゃないけど(笑)。


「諭吉」さんなのにか、「諭吉」さんだからか、この店は18禁のようで・・・


「ヘルス銀座」のネーミングもすごいが、川際の建物の裏手は・・・


(ちょっと時期がズレちゃったけど)近くの二つのお寺の縁日のようで通りの商店には提灯がぶら下がっているが、そこにハロウィンの飾りが。しかも、中華・・・


そして、どう見てもおばちゃま相手の美容院の隣が熟女パブ・・・

三島行きよ

2013-10-29 21:45:40 | お休み日和


雨の予報だったが、それほどでもないだろうと楽観して下り電車に乗る。
松田に続いて、またしても特に思い入れもなく、なぜか三島へ。
ま、平塚からだとちょうど1時間なので、東京駅へ行くのと変わらないんだけどね(笑)。

ただ、着く頃には雨脚が強まり、考えていた貸し自転車は断念。こうなると行動半径が狭くなるものの、それでも傘を差し靴を濡らしながら歩く歩く。
平塚なんか比べものにならないくらい商店街が大きく羽根を広げていて驚いた。ただし、やはり御多分に洩れず古い建物が建て替えられていたり、歯抜けになっていたりでちょっと残念。やっぱりもっと早くくるべきでした。

で、雨が上がりそうもないので街歩きの方針を変更して、午後はクレマチスの丘へ。その一角に建つIZU PHOTO MUSEUMで「増山たづ子 すべて写真になる日まで」展を観て笑顔になったり、不覚にも涙を流したり(笑)。だって、おばあちゃんが撮った写真と、そこに添えられた言葉があまりにも…。他に観覧者がほとんどいなくてよかった。
晴れていればこの丘はかなり気持ちのいいロケーションらしいけれど、この写真展を観ただけでも充分満足だったなぁ。

三島はとてもじゃないけど一日にして回れず、なので、今日はロケハンだと考え(何のロケハン?)、また今度ゆっくり訪問することにしよう。とりあえず、このショウワトリップも小出しにしていきます(笑)。

ロマンス通りをいく

2013-10-28 20:53:33 | お休み日和


『ロマンス通り』
なんとも素敵なネーミングである。ネットで検索してみると池袋にもあるようだが、僕が歩いたその通りは神奈川県足柄上郡にある松田町だ。かなりローカルで、昭和の香りが漂う町の中を真っすぐにのびる通りに『ロマンス通り』の看板が取り付けられていた。
地方都市にありがちなシャッター通り化しているが、かつてはロマンスが生まれるほどキラキラしていたのか、ロマンチックな店が連なっていたのかは不明。
通りの端まで歩いて左折、酒匂川にかかる橋まで行くと、鉄橋を小田急線が渡るのが見えた。銀色や白の電車が何本か行き来していたのだが、そのうち両方から特急がやってきてすれ違ったのだ。
おぉ、ロマンスカー!
ひょっとして『ロマンス通り』の由来は「ロマンスカー」(笑)


よく見えませんが、上下線ともロマンスカー。

黒塀通りをいく

2013-10-17 17:32:08 | お休み日和


先日初めて訪れた松田。空が広く静かな町だなぁとぶらり。すると、長く美しいカーブを描く黒塀が現れた。
さっそくケータイの地図で確認すると『中澤酒造』とのこと。町のサイズにぴったりのコンパクトな、それでもこの黒塀から歴史を感じることができる素敵な佇まいだ。とってもすてきな地方都市にやって来た気がして嬉しくなってしまった。我が家の最寄り駅から片道30分とは思えない。いや、我が平塚も立派な地方都市だったよ(笑)。
他にはなにもないこの通りがすっかり気に入ってしまい、この日は3度もここを行ったり来たりしてしまうのだった。