錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

錦之助映画祭り(パート3)日誌~その3

2009-09-12 12:48:47 | 錦之助映画祭り
 11月の「錦之助映画祭り」は、11月8日(日)から11月22日(日)の15日間になりそうだ。この期間中に祝日はないが、土曜が2日、日曜が3日ある。新文芸座のチーフの矢田さんはこの日程で調整を始めている。あとはマルハン本社の認可を受ければ、いよいよゴーということに。多分来週中には本決まりになるのではないかと思う。
 新文芸坐の上映スケジュールはすでに11月3日までは決定している。10月27日(火)から11月3日(火)までの8日間は「中原早苗&深作欣二監督特集」。その後が未定なのだが、11月4日(水)から7日(土)までの4日間に洋画(新作)の二本立てをやって、8日の日曜から「錦之助映画祭り」になだれ込むことになりそうだ。
私も今週、あちこちに電話をかけて根回しを始めた。9月20日ごろにはチラシを作り、印刷所に入れたいと思っている。10月初めにはチラシを完成させ、配布したい。1ヶ月前にチラシをまくのでは遅いのだが、スケジュールが立たないので仕方がない。チラシを作るには、プログラムを確定しなければならない。が、そのためには上映フィルムの確保を済ませ、また、お招きするトーク・ゲストと上映作品や日程の打ち合わせを進めなければならない。もたもたしてはいられない。

 月曜と火曜の両日でおよそ20人の方に電話した。
 まず、東映関係では、東映の取締役のHさん、東映営業部のSさん、東映ビデオ営業部のKさん。
 営業部のSさんからは上映フィルムの予約状況の確認をしてもらっている。10月終わりから11月初旬にかけて『宮本武蔵・巌流島の決斗』『江戸っ子繁昌記』『真田風雲録』の3本は映画館にフィルムを貸し出す予定があるとのこと。(浅草名画座、銀座シネパトス、上田映画祭。)が、この3本は、「錦之助映画祭り」では11月中旬以降に上映すれば大丈夫なようだ。ただ、問題が二つあって、『浪花の恋の物語』は、Tジョイの東映時代劇祭で急遽上映作品のラインアップに上がって予約が入ってしまい貸し出せないとのこと。それと『冷飯とおさんとちゃん』はフィルム状態が悪く、貸し出し困難だと言われる。この映画、3年ほど前に三百人劇場の田坂具隆監督特集で観たが、それから多分一度も上映していないはず。どうしたのだろう。褪色が進んで、パーコレーター(フィルム両脇の穴)の具合も悪いとの話。この二作品はどうしても上映したい。フィルムセンターが所蔵しているので、できればフィルムセンターから借りたいと思っている。
 錦之助映画ファンの会がお金を出してニュープリントを作る予定の5作品は、東映に正式に発注した。前回の『紅顔無双流・剣は知っていた』の例もあるように、倉庫でネガをチェックしたら、ネガの状態が悪くプリントできないこともあるからだ。『江戸っ子奉行・天下を斬る男』は大丈夫だと思うが、『ゆうれい船』『任侠清水港』『一心太助・男の中の男一匹』は心配だ。
 フィルムセンターの学芸員の板倉さんにメールで、借りたいフィルムのリストを送る。早速返信あり。『続親鸞』は、フィルム状態が悪く、上映不可とのこと。困った!前回『親鸞』を上映して、今回は続篇の上映を期待している人がものすごく多いにちがいない。板倉さんにはもう一度フィルムを点検してもらうように懇請。16ミリの『勢ぞろい喧嘩若衆』と『あばれ振袖』も、フィルム状態を点検するとのこと。来週には判明するそうだ。
 京都文化博物館の映画室チーフの森脇さんに、『風と女と旅鴉』を借りられないかと打診。東映本社の許諾があれば、貸し出し可能なそうだが、フィルムの所有者が京都府なので、審査が厳しいようだ。
 
 お招きしようと思うゲストとの交渉も開始した。
 有馬稲子さんはほぼオーケー。来週には正式なお返事をいただけると思うが、上映作品の『浪花の恋の物語』を何とかしなければならない。
 丘さとみさんとは30分くらい電話で話した。説得の甲斐あって、今回はトーク・ゲストに出演していただけるとのお返事。嬉しい!14日の日曜、ニュープリント2本、『美男城』と『江戸っ子奉行・天下を斬る男』の上映日に丘さんのトーク・ショーを予定。この日は大盛況になりそうだ。聞き手は円尾敏郎さん。これは丘さんのご指名。
 円山榮子さんもオーケー。わざわざ京都からいらしてくださる。8日初日、『ゆうれい船・前后篇』の日にトークを予定している。(つづく)



錦之助映画祭り(パート3)日誌~その2

2009-09-09 14:30:54 | 錦之助映画祭り
 錦ちゃんの映画を観ると俄然やる気が湧いてくる。頑張らなくちゃ!と思う。
 9月2日(水)に『股旅三人やくざ』を、5日(土)に『殿さま弥次喜多』を観る。今、新文芸坐で「鮮烈なる東映 ‘50s ~’70s」と題して、第一部・美術監督井川徳道特集をやっている。新文芸坐の売店で販売中の「一心錦之助」の在庫がなくなったという連絡があったので、その補充もあって、特集初日の午前中に行く。飯田橋の仕事場から池袋まで本20冊を旅行用バッグに入れて持って行ったのだが、途中で肩が抜けそうになる。私は、「五十肩」(四十肩が正式名?)とかいうヤツで、腕を上げるとイテテとなる。一時期は服に腕を通すのも大変だった。今はずいぶん良くなっているが、それでも、あまり重いものが持てない。「一心錦之助」は、厚めのコート紙を使ったので一冊の重量がかなりある。自分で言うのもなんだが、もっと軽い本にすれば良かったなー。
 新文芸坐にたどり着き、受付の女の子に納品書と本を預ける。井川徳道さんの新刊書「リアリズムと様式美 井川徳道の映画美術」が展示してあったので1冊買う。3,990円(税込)。ワイズ出版の本は相変わらず高い。パラパラとめくる。装丁も良いし、写真とデッサンがたくさん入っていてなかなかイイ感じ。あとは内容がどうかということ。井川さんには、「一心錦之助」の原稿依頼をしたときからずいぶんお世話になっている。京都シネマではゲスト・トークもお願いした。その日はお客さんが少なくて申し訳ないことをしたと思っている。7月に京都文博の錦之助特集で『祇園祭』を上映した日、私も京都へ観に行ったのだが、その時井川さんご夫妻も観にいらしていたので、映画が終わってから、食事にお誘いした。京都駅ビルの高層レストランへ行き夜景を眺めながらいろいろお話を伺った。その時、井川さんは8月末に出る新刊書を楽しみにしている様子だった。京都のホテルで東映が出版記念パーティをやってくれることを井川さん流の控えめな話ぶりで(自慢をしない)、実は内心嬉しそうに語っていた。残念ながら、私は忙しくてパーティへ行けなかった。5日に井川さんはトーク・ゲストとして新文芸坐に見えるので、その時お祝いを申し上げるつもり。さて、『股旅三人やくざ』を観るのは、約2年ぶり。同じく新文芸坐で「佐藤勝特集」を行った時に観て以来だ。『人生劇場 飛車角』と二本立てで、その日は沢島忠監督のトークがあった。『股旅三人やくざ』は三話構成のオムニバス映画。第三話の「春の章」で「待ってました!」とばかりに錦之助が登場する。面白いのなんの!錦之助が喜劇役者としても一流であることを証明した一作である。

 5日(土)、午後1時から井川徳道さんのトークがあるので、応援に駆けつける。12時半ごろ新文芸坐へ行く。井川さんはすでにいらしていると思い、直接5階の事務所へ行く。矢田さんがいたので、尋ねると、井川さんは下で映画を観ているとのこと。階下のロビーへ。喫煙所に今日の聞き手の山根貞男さんがいらしたので、挨拶する。山根さんに11月の「錦之助映画祭り」のことを話す。そろそろトークが始まるので、館内に入る。錦之助ファンの会の仲間が何人か観に来ている。町田さん、ポテトさん、あゆさん、くみさん、悟道さん。井川さんのトークは40分くらい。聞き手の山根さんの説明がちょっと長すぎ。井川さんの話に錦之助さんのことが出る。錦之助さんは俳優の中でもセットの作りをよく見ている人だったそうで、井川さんに会うと、「いいセットですね」と褒めてくれたという。井川さん曰く、「錦之助さんは東京人で素直に褒めてくれはったと思うんですが、私は京都人で、褒め言葉はお世辞なのかなと思うほうなんで、錦之助さんが怒ってました」
 トークが終わり、井川さんをロビーで待ち受け、挨拶と新刊書のお祝いを申し上げる。私が来ているので、ちょっと驚いた様子。「いい本が出来ましたね」と井川さんの本を出して見せると、ニコニコなさっている。
 「ロビーで本にサインしなくちゃダメですよ!」きょとんとした顔をしている井川さんをロビー中央のテーブル席へ案内する。どうも打ち合わせが出来ていない様子。ロビーに出てきた錦之助映画ファンの会の仲間に「井川さんの本、買ってよ」と声をかける。すぐに列が出来て、サイン会が始まる。井川さんは几帳面に、サインを求めるお客さんの一人一人に名前を聞いている。これで、十数人は本を買ってくれたと思う。良かった。
 サイン会が終わり、そろそろ映画が始まるので、井川さんに挨拶して、館内に入る。井川さんはこれから京都へ帰られるとのこと。
 『殿さま弥次喜多』は6月京都シネマで二度観た。この映画、何度観ても面白い。錦ちゃんのアップが多いのが良い。ひばりさんは(ちょっと太り気味だけど)、さすが。素のままのひばりさんが出ていて、しかも錦ちゃんへの好き好きモードがうかがわれ、ほほえましい。丘チンの焼き芋屋は絶品。ほんとに可愛い。抱き締めたくなる。ほっくら暖かそう。賀津雄さんが兄貴の引き立て役に徹して、でしゃばらないのも良い。
 まあ、そんわけで、この2日間、錦之助さんに元気をもらって帰ってきたわけである。

 11月の「錦之助映画祭り」を盛り上げるために私も頑張ろうと思う。今年は、石原裕次郎のイベントが国立競技場であったり、市川雷蔵の没後40年特別企画「大雷蔵祭」が12月から開催される。錦之助も負けちゃいられない!という思いを強くする。裕ちゃんには石原プロが、雷蔵さんには角川映画の全面的バックアップがあるのに、われらが錦ちゃんには、強力なプロダクションや映画会社の支援がない!東映本社の協力といっても事務的だし、東映ビデオ(株)(東映とは別会社)ができる限りの協力をしてくれているに過ぎない。頼みの綱は、錦ちゃんファン。それと協力してくださる俳優さんやスタッフの方々。
 錦之助に営業や金儲けは似合わない。生一本、純粋な心意気で世間の荒波に立ち向かう。男の中の男一匹!これぞ錦之助!
 錦之助映画祭りもこの意気で行こうと思う。(つづく)



錦之助映画祭り(パート3)日誌~その1

2009-09-08 23:33:19 | 錦之助映画祭り
 また、間が空いてしまった。この20日間で、進展があったことを書いておこう。

◎東映営業部のSさんから、5作品のニュープリントの見積り書がファックスで届く。計1,037,611円(税込)。90分のカラー作品が約20万円。5本焼くと100万円になる。

◎東映ビデオのKさんから、9月下旬発行の「東映キネマ旬報」で11月の「錦之助映画祭り」の広告を出したいとの連絡あり。概要を書いてメールしてほしいとのこと。今回の「東映キネマ旬報」は中村錦之助特集なので、楽しみである。それと、読者プレゼントのコーナーで「一心錦之助」を応募者の中から抽選で5名に献呈したいとの申し出あり。喜んでお受けする。5冊は差し上げることに。宣伝効果を考えれば、無料でもかまわない。
「5冊じゃ、少ないんじゃないですか。なんなら10冊差し上げてもいいですよ」
「いや、5冊くらいで、かえって少ない方がいいですよ」とKさん。
 表紙の画像は、Kさんが自分で買った「一心錦之助」から取るとのこと。

◎私がメールした概要をもとにKさんが広告の文章を書いてくれる。それをちょっと直して、またメールする。文面は、以下の通り。
 
 錦之助映画祭り(パート3)開催! 新文芸坐
 時代劇の至宝 萬屋錦之介・中村錦之助 生誕77年記念

 萬屋錦之介の13回忌にあたる今年の3月、東京池袋の新文芸坐にて開催された「錦之助映画祭り」。時代劇黄金期の東映京都作品全32本を一挙上映し、二代目中村錦之助、高千穂ひづる、北沢典子、入江若葉といった方々を招いてのトークショーも催されました。上映された作品は『笛吹童子』『一心太助・天下の一大事』『宮本武蔵』など錦之助の代表作で、しかもそのうち10本がニュープリント。美しく甦った作品を大画面で見ようと往年の錦ちゃんファンや映画ファンが詰めかけ連日大盛況となりました。
京都で催されたパート2(4月・6月)に続き、錦之助生誕77周年となる11月20日前後の2週間、再び新文芸坐にて「錦之助映画祭り」を開催します。今回も中村錦之助時代の代表作28本を一挙上映。今までプリントが無く、映画館では見ることができなかった作品をはじめ、パート1で上映しなかった作品をラインアップ。また、多彩なゲストによるトークショーも予定しています。詳しい上映スケジュール等は新文芸坐HP、チラシにてご確認ください。

  2009年11月中旬<2週間の予定>
  東京・池袋の新文芸坐
  東京都豊島区東池袋1-43-5 マルハン池袋ビル3F
  TEL.03-3971-9422
 
 日替り2本立て(大作は1本立て) 計28作品(予定)
※ニュープリント 『ゆうれい船・前后篇』『美男城』『江戸っ子奉行・天下を斬る男』『花と龍』『丹下左膳・飛燕居合斬り』等、8本(予定)
※共演俳優ほかのトークショーあり

  共催:錦之助映画ファンの会

◎新文芸坐のチーフの矢田さんから電話あり。「錦之助映画祭り」を11月8日の日曜から15日間(11月22日の日曜まで)にしてもかまわないかという話。ちょっと早い気がしないでもないが、こればかりは映画館の都合もあるので、オーケーする。錦之助さんの誕生日は11月20日であり、この期間中に入るなら、良いかと思う。ただし、一週間早くなったので、9月から早速準備を始めなければならない。

◎錦之助映画ファンの会の高橋かおるさんに連絡をとり、これまで同様、作品解説を書いてほしいと依頼する。上映候補作29本のうち書いたものから順次メールで送ってもらうことに。9月12日ごろまでに全部書いてくれるとのこと。
◎参謀の円尾さんと連絡をとる。日程を伝え、お招きするゲストの件で相談。

 さて、9月に入り、抱えていた仕事をひとまず切り上げる。昨日の9月7日(月)から本格的に根回しを開始。昨日も今日も、いろいろな方に電話をかけまくる。「錦之助映画祭り」の協力を依頼。(つづく)