錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

京都シネマ日誌~その2(6月6日)

2009-06-08 02:45:57 | 錦之助映画祭り
 昨夜はブログを上げたあと寝付かれず、朝の4時近くまで起きていた。こういう催しの前夜は気持ちが高ぶり、いろいろな思いが頭の中を交錯して睡眠不足になる。いつものことだ。
 朝8時半起床。すぐに支度して、ホテルの一階で軽い朝食。9時15分、ホテルを出て、京都シネマへ。徒歩2分。
 京都シネマのあるビルの前へ来るとまだ正面玄関のシャッターが閉まっている。「COCON烏丸」という名のこのビルは、「古今」をアルファベットで表したのだと思うが、飲食店や家具店などが入居しているビルで、きっと9時半から営業開始するのだろう。右側に従業員専用の入り口があり、中へ入る。1階のロビーで円尾さんと錦ちゃんファンの知り合い二人に挨拶。エレベーターで3階へ。京都シネマの前にはすでに10人ほどのお客さんが列を作っている。30分前に開場することを知って早めに来たのだろうが、みんな正面玄関以外の入り口から入ってきたようだ。
 9時半。当日券の販売と交付が始まる。京都シネマはホールが3室ある小さなシネコンで、入れ替え制なので、その発券方法はやや複雑である。まず、映画を観る前に受付へ行き、映画の題名とどの回で観たいかを言って、整理番号の付いた当日券を入手しなければならない。当日券はその時購入するか、前売り券を持っている場合はそれを当日券と引き換える。一回目の上映を観る時は、そのままホールに入れるが、二回目からは入れ替えを待って整理番号順にホールへ入場することになる。トークショーも整理券を出す。ただし、当日、そのホールで映画を観たお客さんに限り無料で入場できるが、この時も入れ替え制なので、出入りが面倒である。トークショーの前の映画を観たお客さんは全員いったんロビーへ出て、また番号順に入場するわけだ。
 受付には発券機があり、スタッフの女の子が一人で順番にお客さんをさばいているので、とても時間がかかる。
 私はロビーで胸に名札を付けて立っていたのだが、初対面で私のことを知っている二、三人の方に声をかけられる。一人の男性は、三重県から来られた錦ちゃんファンで、このブログを読んでいるとおっしゃっていた。昨日電話をいただいた名古屋在住の女性は、居ても立ってもいられずわざわざ今日の予定をキャンセルして、駆けつけたそうだ。
 錦之助さんの関係者では、高岡正昭さん(スタントマン)、月形哲之介夫人とご長男(月形龍之介のお孫さん)が見えたのでご挨拶する。


<初日の朝のロビーの様子>

 『隠密七生記』の開始時間の10時がだんだん迫ってくる。受付の方を見ると、まだ何人かが並んでいるので、やきもきする。この日は、10時5分から第二ホールで別の映画(『重力ピエロ』という最新作)があり、それを観るお客さんも混じっているので、混雑しているようだ。チーフの横地さんに尋ねると、ちょっと開始時間を遅らせ、列に並んでいるお客さんで『隠密七生記』を観る方は優先的に繰り上げて発券するとのこと。これで解決したが、もっとお客さんが多ければ、大混乱していたことだろう。
 上映開始寸前に私も入場。第一ホールは座席の列が9列あって、収容人員は正確に言うと104名。私は前から4列目の端に座る。お客さんの入りは、残念ながら半数ほど。50名くらいか。期待はずれで、がっかりする。60歳過ぎの方がほとんどで、見渡した限り、若い人が全然いない。京都シネマの会員は若い人が多いと聞いていたのだが、これではここの会員がほとんど来ていないではないか。錦之助映画祭りは、新文芸坐でも祇園会館でもお年寄りが大半だったが、京都シネマはお客さんの平均年齢がもう少し下がることを予想していたのに、これでは変わりばえしない。しかも、約50名のお客さんのうち、錦ちゃんファンの会の知り合いが10名ほど。関西在住の知り合いのほとんどが駆けつけてくれたことは嬉しいが、それにしても初日の土曜日にしてはお客さんが少なすぎる。まあ、次の回になればもっと増えるだろうと思い、映画鑑賞に集中する。
 京都シネマの座席は座り心地が良い。足元の余裕もあって、ゆったりしている。ただ、天井が低いため、スクリーンが小さいことだけが気になる。でもこれは、ホール用でない既存のビルのワンフロアーを借りて、映画館に改造したので仕方がない。それに、贅沢を言ったらキリがない。京都シネマの設立者である神谷さんの映画興行にかける情熱を賞賛すべきである。神谷さんは、自ら巨額の借金までして京都の中心地に映画館を開いた女性なのだ。開館にまで至る苦労に関しては、神谷さんの著書『映画館ほど素敵な商売はない』をお読みいただきたい。(私は、昨年の秋、初めて彼女に会った時、この本をいただき、読ませてもらった。)
 『隠密七生記』のニュープリントは、錦之助映画ファンの会がお金を出して制作したものだが、私がこのニュープリントを観るのは今度が二度目。やや色調が暗く、コントラストが落ちているのは、ネガが褪色していたからだろう。しかし、映画の内容はいつ観ても素晴らしいと感じる。見どころも多く、錦ちゃんファン・千代ちゃんファン、どちらも十分満足のいく作品である。桜町弘子も大熱演している。
 11時40分、映画が終わる。
 そろそろゲストの千原しのぶさんが妹さんとご一緒にいらっしゃるはずだ。千原さんとは4日に電話で打ち合わせをしてある。『怪談千鳥ヶ渕』が始まる12時少し前に京都シネマに見えるとのこと。ビルの玄関でお出迎えすると申し上げてある。千原さんの携帯に連絡をしてみるが、お出にならないので、急いで一階まで降りて行く。(つづく)



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