柳下毅一郎著、『シネマ・ハント』、読了。
映画評論家柳下毅一郎氏が『エスクァイア日本版』において長期連載した映画レビューを一冊の本としてまとめたものです。
およそ映画レビューを書いている(もしくは書いたことのある)人であれば誰しも目標とする映画評論家の一人や二人いると思いますが、自分にとって柳下毅一郎氏がそれに当たります。
映画評にしろ、書評にしろ、実は辛口で書く方が難しいんですよね。
なぜかっていうと、辛口で書いた方が他人から反感を買いやすいから。
ある映画のことを素晴らしい、とべた褒めしていても、つまんないと思う人からは価値観の違うという理由でスルーされることが多いと思います。
しかし逆につまらなかった、と酷評すると、その映画を面白いと思う人から反論を喰らう恐れがあります。それも尋常じゃない勢いの(わざわざ反論をしようと試みる人は熱烈なファンであることが多いので)。
この映画は面白い!!あなたのいうことは間違ってる!!という反論に対して、なお自らの正しさを主張することはひどく疲れるので、人は無意識のうちに辛口のレビューを書くことを控えるようになります。自分もどちらかというとそうです。
本書に収録されている101のレビューのうち、手ばなしでほめているものは『ロード・オブ・ザ・リング』ぐらいかな。それ以外のものに関しては多かれ少なかれ、問題点が指摘されています。
でももちろんそれは単なる悪口などでなく、極めて理論的な批評が為されています。
そしてその背後には柳下氏の映画への限りない愛、また映画の将来への憂いが見て取れます。
映画レビューとはこうあるべき、というような御手本のような一冊だと思います。
実は101のレビューのうち、2002年までに執筆されたものはネットで現在も公開されています。興味のある方は是非覗いてみてください。こちら。
最近はネットで公開された文章でも単行本化を期に閉鎖するということが多いようですが、その点柳下氏は太っ腹というか、おおらかというか。
2003年以降に執筆されたレビューも読んでみたい!と思われた方は本書を購入されてください。
それだけでも¥1600の価値は充分あると思いますし、自分は買ってよかった、と思っています。
映画評論家柳下毅一郎氏が『エスクァイア日本版』において長期連載した映画レビューを一冊の本としてまとめたものです。
およそ映画レビューを書いている(もしくは書いたことのある)人であれば誰しも目標とする映画評論家の一人や二人いると思いますが、自分にとって柳下毅一郎氏がそれに当たります。
映画評にしろ、書評にしろ、実は辛口で書く方が難しいんですよね。
なぜかっていうと、辛口で書いた方が他人から反感を買いやすいから。
ある映画のことを素晴らしい、とべた褒めしていても、つまんないと思う人からは価値観の違うという理由でスルーされることが多いと思います。
しかし逆につまらなかった、と酷評すると、その映画を面白いと思う人から反論を喰らう恐れがあります。それも尋常じゃない勢いの(わざわざ反論をしようと試みる人は熱烈なファンであることが多いので)。
この映画は面白い!!あなたのいうことは間違ってる!!という反論に対して、なお自らの正しさを主張することはひどく疲れるので、人は無意識のうちに辛口のレビューを書くことを控えるようになります。自分もどちらかというとそうです。
本書に収録されている101のレビューのうち、手ばなしでほめているものは『ロード・オブ・ザ・リング』ぐらいかな。それ以外のものに関しては多かれ少なかれ、問題点が指摘されています。
でももちろんそれは単なる悪口などでなく、極めて理論的な批評が為されています。
そしてその背後には柳下氏の映画への限りない愛、また映画の将来への憂いが見て取れます。
映画レビューとはこうあるべき、というような御手本のような一冊だと思います。
実は101のレビューのうち、2002年までに執筆されたものはネットで現在も公開されています。興味のある方は是非覗いてみてください。こちら。
最近はネットで公開された文章でも単行本化を期に閉鎖するということが多いようですが、その点柳下氏は太っ腹というか、おおらかというか。
2003年以降に執筆されたレビューも読んでみたい!と思われた方は本書を購入されてください。
それだけでも¥1600の価値は充分あると思いますし、自分は買ってよかった、と思っています。