この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ツッコミどころが多すぎる『クワイエット・プレイス』。

2018-09-29 20:41:49 | 旧作映画
 ジョン・クラシンスキー監督、エミリー・ブラント主演、『クワイエット・プレイス』、9/29、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2018年36本目。


 低予算のホラー映画が好きです。
 もちろん低予算のホラー映画が好きといっても、低予算であればいいと言っているのではなくて、低予算であるハンディをものともせず、脚本の秀逸さで勝負するようなホラー映画が好きという意味ですが。

 その代表格が『フレイルティー 妄執』ですね(まぁジャンル的にはホラーではなく、オカルトスリラーかもしれませんが)。
 意表を突く序盤、心臓が痛くなるような中盤、そして「え?」と驚かされる結末、何度でも鑑賞出来る傑作だと思います。

 それに対し、低予算なのだから仕方ないでしょ?というようなお粗末な脚本で開き直るホラー映画は嫌いです。
 『クワイエット・プレイス』はまさにそういう映画でした。

 音に対して異常なまでに敏感な怪物というのは悪くないと思います。その怪物に支配された世界、というのもいい。
 でも、その怪物にも、世界にも、どちらも決定的に説得力に欠けるのはどうか、と思いましたよ。

 まず怪物。
 人類を駆逐するほどの怪物なのですから、当然重火器の類いは通じないもの、と思うじゃないですか。
 でも最終的にその怪物(の一匹)はライフルで撃ち殺されるんです。
 ライフルで撃ち殺せる怪物が人類を駆逐?
 まったく、、、想像出来ません。
 それぐらいの脅威だったら簡単に排除出来そうなものだけど。

 それに怪物には一つの弱点があるんですよ。
 その弱点が明らかになったとき、シートに座ったままズッコケそうになりました。
 こんな見え見えの弱点のある怪物に人類は駆逐されたんかい…。

 世界観もまったく説得力がなかったです。
 生き残ったアボット一家は家の近くや畑、さらには近隣の町まで(音を立てないようにするため)砂をまいてその上を歩いてるんです。
 しかし、、、まず近隣の町まで砂をまく、というのが一人や二人で出来ることではないですし、雨が降ったらすべておじゃんじゃないですか。
 単純に靴の裏にフェルトでも貼ればよいのに、思いましたよ。
 まぁ映画的に砂の上を歩いている一家というのが画になると思ったんでしょうけどね。

 本作の山場である出産シーンも何だかなぁと思いましたね。
 音に対して敏感に反応する怪物が徘徊する世界でどうやって出産するのか、つまり、生まれてくる赤ん坊をどうやって泣かせないというのか、興味津々で見ていたら、何と!たまたま赤ん坊が泣かなかっただけ、でした。
 そりゃないだろ。。。

 地下室に続く階段に逆さに刺さった釘も「何やそれ」と思いましたねぇ。
 通常の生活をしていても洗濯物が何かに引っ掛かったら何に引っ掛かったんだろう?と確認するものじゃないですか。
 ましてこの世界では叫び声を上げられないのですから、必要以上に用心深くなっていたとしても不思議はないはずです。
 にもかかわらず、ヒロインがそのままスルーしたのは、「ありえん!!」と思いましたよ。

 一応終盤に家族愛が示されるシーンがあったりするのですが、それも何だか白々しすぎて感動には至らなかったです。

 こんなお子ちゃま向けのホラー映画が観たかったわけではないので11月に公開される『ヘレディタリー/継承』に期待です。


 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今さらながら杉田水脈自民党... | トップ | 9月の予定。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旧作映画」カテゴリの最新記事