この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

いろいろ腑に落ちなかった『さがす』。

2022-02-13 11:09:08 | 新作映画
 片山慎三監督、佐藤二朗主演、『さがす』、2/12、キノシネマ天神にて鑑賞(スタンダード会員鑑賞料金1300円)。2022年5本目。

 当初の予定ではこの日、ユナイテッド・シネマ福岡ももちで『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』という中国映画を観るつもりでした。
 単純な娯楽映画も嫌いではないのです。
 ただ、この映画、ネットでの評判がよろしくなかったんですよね。
 なので代わりにネットでの評価が高かった『さがす』を観ることにしました。
 はい、ネットでの評価に踊らされる男とは他でもない自分のことです。笑。

 失踪した父親を探すうちに少女が思いがけない真相にたどりつく、というお話です。
 ジャンル的には全然違うのですが、一人の人間が失踪し、意外な真相が明かされるという点で去年観た『悪なき殺人』に共通するものがあるな、と思いました。
 ただ、『悪なき殺人』ではエピソードの一つ一つが有機的に繋がっているのに対し、『さがす』ではエピソードの繫がりが感じられない、腑に落ちない気がしました。
 
 例えば序盤、佐藤二朗扮する原田が万引き騒ぎを起こすんですよ(正確にはお金が足りないのに店を出ようとした)。
 このシーンだけ見ると、原田は金銭的に困窮していたように思えます。
 でも後になって、原田はお金に不自由していたわけではないことがわかります。
 だったらあの万引き騒ぎは何だったんだ?って話ですよね。
 いくら考えてもわからないのですが、、、わかる人、教えて下さい。

 わからないことはまだあって、原田の娘である楓が父親が経営していた卓球場で連続殺人犯である山内と対峙するシーンがあります。
 え、どうなるの?って思うじゃないですか。
 そしたら山内の方が逃げ出すんですよ。
 はぁ?って思いますよね。
 楓はただの15歳の少女なんですよ。
 空手の有段者ってわけでもありません。
 ただの15歳の少女と対峙して逃げ出す連続殺人犯って何なんですかね。
 
 他には逃亡中である山内が偽名を騙っていたとはいえ、なぜ危険を冒して日雇いのバイトをしなければならないのかもわからなかったですね。
 日銭を稼がなければいけないほどお金に困っていた感じはないのですが…。

 あとは警察が原田の言葉を鵜呑みにしたのもあり得ないなぁと思いましたね。
 どう考えても原田の供述は矛盾していると思うのだけれど…。

 まぁ欠点ばかり挙げましたが、ラストの、卓球シーンは見せ方が上手いな、と思いました。
 あの卓球のラリー、本当に打ち合っているんですかね?
 もしかしたらCGなのかな…。

 そんなわけで、『さがす』は観て損をした、とは思いませんでしたが、公式サイトにあるような「唯一無二の衝撃作」ではなかったです。
 ただ、グロいシーンがあるのでそういったものが苦手な人は気をつけてください。

 もしかしたら『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』の方が面白かったりして…。

 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (4)
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