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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

自主製作映画の領域をはるかに超える『かしこい狗は、吠えずに嗤う』。

2015-02-12 20:52:03 | 旧作映画
 ネットで評判になっていた『かしこい狗は、吠えずに嗤う』を見ました。

 う~~~ん、と唸ってしまいましたね。
 本作は自主製作映画なのですが、その領域をはるかに超えていてるというか(『螺旋銀河』を見たときも同じようなことを思いましたが)。
 結局自主製作映画って、商業映画に比べ、セットやロケなどにかけられるお金の額こそ少ないものの、役者の演技や脚本などでは対等に勝負出来るのだなぁと改めて思いました。

 ネタバレなしで見た方が確実に楽しめる作品だとは思います。
 ただ本作では、それを知らずに見た場合、受け入れがたい着地点かもしれないなぁと思うので、あえてバラします。
 本作は二人の少女の青春劇で始まり、ホラー映画として幕を閉じます。
 そのツイストが実に見事で非常に感心しました。

 去年『渇き。』という映画があったじゃないですか。
 あの映画のキャッチコピーは確か「愛する娘はバケモノでした」だったと思います。
 本作にキャッチコピーをつけるとしたら「初めて出来た親友はバケモノでした」になるかな。
 初めて出来た親友がバケモノだったら、あなたはどうしますか?と問いかけるような作品と言ってよいと思います。

 バケモノと一言で言ってしまうと、まるで私たちと無縁の存在のように思えるかもしれませんが、決してそうじゃないと自分は思うんですよね。
 猟奇的な犯罪を犯した殺人犯に「サイコパス」のレッテルを張ることによって、私たちは彼らとは違う、そう安心したがっているだけなのではないでしょうか。
 本当に私たちは猟奇的な犯罪を犯さないという確証はあるのか?サイコパスにならないという根拠は?
 そんな確証も根拠もない、そう思います。
 なぜなら私たちの心はまったく揺るぎのないものでも、決して壊れないものでもないからです。

 そんなことをこの映画を見て思いました。
 
コメント
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