キャスリン・ビグロー監督、ジェシカ・チャスティン主演、『ゼロ・ダーク・サーティ』、2/16、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて字幕版鑑賞。2012年9本目。
まず本作とは直接関係のないことから。
ブルース・ウィリス主演の『ダイ・ハード/ラスト・デイ』は鑑賞することを諦めました(今のところはね)。
いくつか理由がありますが、やっぱり本作と同じ週に公開されるっていうのが大きかったですね。
まったく同じ条件であっても(どちらか一方を観るとしたら)たぶん本作の方を選んだと思いますが、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』の方は前売り券が発売されなかったんですよね。
フツーに前売り券が発売されていたとしたら、たぶん観に行ってたと思うんだけど、、、ブルース・ウィリスの尊顔は『ムーンライズ・キングダム』でも充分拝めたし、まぁいっか、って感じです(あっちでも結構活躍してましたよ)。
そしてその選択は正しかったと思います。
『ゼロ・ダーク・サーティ』、傑作でした。
2011年5月に起きた、アメリカ軍によるアメリカ同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビン・ラディン殺害を題材にした作品です。
まだわずか二年前の出来事なので、さすがに記憶に新しいのですが、記憶に新しいと言っても実際詳細は不明だったので、今回映画を観て、えぇ?そうだったの?と思う部分も多かったです(本作はそれこそどこまでが真実で、どこからが虚構なのか、まったくわかりませんが)。
まず、驚かされたのはビン・ラディン殺害の陰に一人の女性分析官がいたこと、、、ではなく、まぁそれぐらいはありえるかなと思えますが、アメリカ軍がビン・ラディンの所在地を掴んでから実際行動に移すまで100日以上もあったこと、でしょうか。
例えどれほど正しい情報であっても100日も経てば信憑性が揺らぐと思うけどなぁ。
しかも所在地を掴んだと言っても、100パーセント間違いない情報ではないんですよ。
行動を起こす前日の会議で、分析官たちは上司からどれぐらいの確率でビン・ラディンが隠れ家にいるかと問われます。
男性の分析官たちは(高く見積もって)60パーセントぐらいだろうと答える中、唯一の女性分析官であるマヤだけが100パーセントだと答えます。
マヤは誰よりも真実を見抜いていた、と言えば聞こえはいいですが、自分の目から見て、当時のマヤはとても客観的な判断を下せる精神状態にはないんですよね。
10年間、ひたすらビン・ラディンを追い続けていて、その中で親しい同僚も自爆テロで喪い、彼女自身相当精神的に追い詰められていたはずです。
そんな精神状態の元で下した100パーセント間違いないという判断はどれほど正しいのだろうか、と思わずにはいられません。
でも一番驚いたのは、この作戦が最初からビン・ラディン殺害を目的にしたものだったということです。
自分は(恥ずかしながら)てっきり激しい抵抗にあったのでやむを得ず殺害に至ったのかと思っていたのですが、そうじゃなかったんですね。
アメリカが最初からビン・ラディンを裁判にかけるつもりはこれっぼっちもなかったことに今さらながら驚かされました。まぁそれが如何にもアメリカらしいといえばアメリカらしいですが。
今述べたような理由で、ヒロインのマヤも含め、本作で取り上げられたアメリカ軍の行動はまったくもって支持できません。
たまたま偶然上手く行ったが、失敗する可能性も大きかった、そして大量破壊兵器の一件からまったくアメリカは学んでないのだな、と思いました。
しかしそれはそれとして、本作は紛うことなき傑作だとも思いました。
開幕したその瞬間からおよそ二時間半、緊張感が途切れることなく、目はスクリーンに釘づけでしたから。
ヒロインのマヤを演じたジェシカ・チャスティンの狂気をも感じさせる演技には圧倒されました。
繰り返しますが、本作は必見と言っていい傑作です。
ただ本作を観た後は精神的にひどく疲れますが…。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
まず本作とは直接関係のないことから。
ブルース・ウィリス主演の『ダイ・ハード/ラスト・デイ』は鑑賞することを諦めました(今のところはね)。
いくつか理由がありますが、やっぱり本作と同じ週に公開されるっていうのが大きかったですね。
まったく同じ条件であっても(どちらか一方を観るとしたら)たぶん本作の方を選んだと思いますが、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』の方は前売り券が発売されなかったんですよね。
フツーに前売り券が発売されていたとしたら、たぶん観に行ってたと思うんだけど、、、ブルース・ウィリスの尊顔は『ムーンライズ・キングダム』でも充分拝めたし、まぁいっか、って感じです(あっちでも結構活躍してましたよ)。
そしてその選択は正しかったと思います。
『ゼロ・ダーク・サーティ』、傑作でした。
2011年5月に起きた、アメリカ軍によるアメリカ同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビン・ラディン殺害を題材にした作品です。
まだわずか二年前の出来事なので、さすがに記憶に新しいのですが、記憶に新しいと言っても実際詳細は不明だったので、今回映画を観て、えぇ?そうだったの?と思う部分も多かったです(本作はそれこそどこまでが真実で、どこからが虚構なのか、まったくわかりませんが)。
まず、驚かされたのはビン・ラディン殺害の陰に一人の女性分析官がいたこと、、、ではなく、まぁそれぐらいはありえるかなと思えますが、アメリカ軍がビン・ラディンの所在地を掴んでから実際行動に移すまで100日以上もあったこと、でしょうか。
例えどれほど正しい情報であっても100日も経てば信憑性が揺らぐと思うけどなぁ。
しかも所在地を掴んだと言っても、100パーセント間違いない情報ではないんですよ。
行動を起こす前日の会議で、分析官たちは上司からどれぐらいの確率でビン・ラディンが隠れ家にいるかと問われます。
男性の分析官たちは(高く見積もって)60パーセントぐらいだろうと答える中、唯一の女性分析官であるマヤだけが100パーセントだと答えます。
マヤは誰よりも真実を見抜いていた、と言えば聞こえはいいですが、自分の目から見て、当時のマヤはとても客観的な判断を下せる精神状態にはないんですよね。
10年間、ひたすらビン・ラディンを追い続けていて、その中で親しい同僚も自爆テロで喪い、彼女自身相当精神的に追い詰められていたはずです。
そんな精神状態の元で下した100パーセント間違いないという判断はどれほど正しいのだろうか、と思わずにはいられません。
でも一番驚いたのは、この作戦が最初からビン・ラディン殺害を目的にしたものだったということです。
自分は(恥ずかしながら)てっきり激しい抵抗にあったのでやむを得ず殺害に至ったのかと思っていたのですが、そうじゃなかったんですね。
アメリカが最初からビン・ラディンを裁判にかけるつもりはこれっぼっちもなかったことに今さらながら驚かされました。まぁそれが如何にもアメリカらしいといえばアメリカらしいですが。
今述べたような理由で、ヒロインのマヤも含め、本作で取り上げられたアメリカ軍の行動はまったくもって支持できません。
たまたま偶然上手く行ったが、失敗する可能性も大きかった、そして大量破壊兵器の一件からまったくアメリカは学んでないのだな、と思いました。
しかしそれはそれとして、本作は紛うことなき傑作だとも思いました。
開幕したその瞬間からおよそ二時間半、緊張感が途切れることなく、目はスクリーンに釘づけでしたから。
ヒロインのマヤを演じたジェシカ・チャスティンの狂気をも感じさせる演技には圧倒されました。
繰り返しますが、本作は必見と言っていい傑作です。
ただ本作を観た後は精神的にひどく疲れますが…。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。