この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

スーパーマン リターンズ

2006-08-12 23:59:50 | 新作映画
 ブライアン・シンガー監督、ブランドン・ラウス主演、『スーパーマン リターンズ』、Tジョイ久留米にて鑑賞。

 素晴らしい。その一言に尽きる。

 実はこの映画を先行上映で観ることに抵抗があった。
 というのも事前に本作の前売り券をコンビニでも映画館でも入手できず、先行上映だとレイトショー割引などのサービスが一切受けられないのだ。
 自分がたまたま前売り券を手に入れられなかっただけなのか、先行ロードショーが催されるような大作映画でも前売り券が販売されないというようなことがあるのか、確認したいところではある。
 そういった事情もあって、どうせなら同日公開初日である『ユナイテッド93』を先に観て、(レイトショー割引が受けられる)本上映の初日まで待って『スーパーマン リターンズ』を観た方が賢くはないか、そう思ったのだ。
 だが結局この日は『スーパーマン リターンズ』を観ることにした。それだけ本作に関しては期待が大きかったのだ。もしこれで期待を裏切られるようなことがあれば、それだけ落胆も大きかったわけだが、幸いなことに杞憂だった。
 『スーパーマン リターンズ』、期待通りに、いや期待を大きく上回って面白かった。
 のっけから心臓を鷲掴みにされた。
 両翼をもがれ、垂直落下していくジャンボジェット機を地上に衝突するギリギリで自らの体で持って受け止めるスーパーマン!!もちろん、そうなるであろうことは充分予想できたはずなのだが、なぜか涙が出そうなくらいに感動している自分がそこにいた。
 去り際のスーパーマンの台詞もいい。
「統計上飛行機はすべての乗り物の中で最も安全な乗り物なので、こんなことで嫌いにならないでください」
 気が利いてるじゃん、カル・エル(スーパーマンの本名)!!
 ともかくスーパーマンが画面に出ているシーンはすべてよかった。
 それ以外のシーン、つまりクラーク・ケントの出番のシーンも決して悪くない。愛しのロイスに子供がいると聞いて、思わず手にしていた写真立てをパキッと割ってしまうところとか(どーせならもっと割れにくそうな写真立てだったらよかったのに)、遠目からロイスのことを間抜け面を晒してぼーっと眺めてるのも、よかった。
 まぁ何だ、本作のスーパーマンは正義の味方であると同時に、愛しの君の姿を追うためならば自らが持つ能力を使うことを厭わない究極のストーカーでもあるわけなんだけど、愛のために殉ずるだけの純粋さも持ち合わせているわけで、そういう点を世のストーカーの方々には見習って欲しい。笑。
 その他のキャラクター、おそらく映画史上最大の悪事を企みながら、どこか憎めないレックス・ルーサー、彼の相棒でありながら最後には良心を覗かせるキティ、ロイスの婚約者であり、一見単なるイケメン野郎と思わせて実は侠気のあるリチャードなど、みな魅力的だった。
 キャスティング的にもスーパーマンを演じる、超のつくド新人ブランドン・ラウスはまさにはまり役だった。今後十年間、スーパーマンといえば彼以外に思い浮かぶことはないだろう。その点においてダース・ベイダー役をなかなか上手く演じていた、ぐらいにしか評しえないヘイデン・クリステンセンとは大きく異なる(これについてはジョージ・ルーカスの演出力の問題でもあるのだろうが)。
 今年は本当に邦画洋画の境なく、リメイク作品が花盛りだったと思う。だがきついことを言わせてもらうと、それらのリメイク作品の中で本当にリメイクする意義があったといえる作品はごくわずかだったのではないだろうか。
 『スーパーマン リターンズ』は正確にはリメイク作品ではない。けれど、これほどリメイク作品の意義、そして精神を備えた作品はなかった、そういっても過言ではないだろう。
 先行上映で観に行った本作であるが、本上映の終了までにもう一度劇場まで観に行くつもりである。そう思えるような作品に出会えて、非常に嬉しい。
コメント (17)
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