ブログ 「ごまめの歯軋り」

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文芸散歩  金田鬼一訳 「グリム童話集」 岩波文庫(1-5冊)

2013年03月25日 | 書評
ドイツ民俗研究の宝庫「児童と家庭向けのおとぎばなし」 第85回

* KHM 136  鉄のハンス
ある国の猟人が何人も行方不明になる事件が起こり何年も経ちました。ある猟人が森には入り池のなかから猟犬を引き摺り込む腕を見て、池の水を掻きだし泥底にいた大男を捕えて城へ引き立てました。王様は大男を鉄のかごの中へ入れ鍵をしました。それ以降は森の中で行方不明となるものはいなくなりました。ところが小さな王子様が毬を鉄かごの中へ入れ、大男(鉄のハンス)は毬を返して欲しければ、鍵を持ってくるよう王子様にいいました。外に出られた大男は王子様をさらって森にゆき王子様を養育しました。池の水に触れた王子様の指や髪は黄金に染まりました。王子様が大きくなったので、鉄のハンスは王子様を世に戻すことになり、森で「鉄のハンス」と叫べばいつでも助けに行くと約束しました。ここまでが前半の話です。後半は王子様の武者修行の話です。ある城で料理番の使いとなりさらに園丁の使いとなりましたが、城のお姫さまにお花を届けに行くたびに帽子をとられて金髪を見られ、ご褒美に金貨を貰いました。お城が戦争になり敵が強くお城が危なくなりました。王子様は鉄のハンスを呼び、天馬と兵隊を授かって敵を打ち破りました。お城ではこの騎士が誰であるのか詮議しましたが、園丁の使いであったとは分かりません。そこでお姫様が三日間金のリンゴを撒くので騎士が拾いに来ることにすると、王子様は鉄のハンスから栗毛の馬、白馬、黒毛の馬をもらって三つとも金のリンゴを獲得し姿を消しました。その時金髪の頭を見られてしまいましたので、園丁の使い走りであったことが分かりました。そして王子様はお姫様と結婚しました。鉄のハンスは実は魔法をかけられていた王様だったのです。

* KHM 137  まっくろけな三人のおひめさま
魔法をかけられている人間が救われなかった話ですが、内容の混乱と理解できないことが多いので、紹介できない。

* KHM 138  ずんぐりやっこと三人のせがれ
途轍もない支離滅裂な話でいわゆる「ホラ話」である。5つくらいの話が混合しておよそ筋をなさない。
(続く)


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