ブログ 「ごまめの歯軋り」

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東京の美術館散歩  「東京都庭園美術館」

2006年12月31日 | 書評
東京都庭園美術館(美術館名をクリックすると付近図が出ます)

山手線目黒駅を下車して目黒通りを5分も歩くと首都高速をくぐる。その地域一帯が深い森になっており、大昔白金長者が武蔵野を切り開いたとされる旧跡が今、国立自然教育園となっている。その一角に東京都庭園美術館がある。ここは旧朝香宮邸としてアールデコ様式の建築としてきわめて有名である。つまり貴族の館であり、庶民にもここなら見学できる(赤坂迎賓館の瀟洒な館を見学することはほとんど不可能であるが)。アールデコ様式のガラス工芸品が玄関正面でお出迎えし、館内には優美な幾何学模様が散りばめられている。1階は洋風の客室と食堂、集会場、2階は洋風の居室、書斎、ベット室、浴室などプライベート空間である。日本式居室などはあるのだが公開されていない。「アールデコガラス工芸展」、「英国水彩画展」などを見た。展示会がある時期は展示パネルが壁の前に置かれるので美しい壁紙や柱、腰板などが見えず建築物としての鑑賞に堪えない。やはり何も展示していない時期にゆっくり部屋の中を鑑賞されるのがベストだ。乱暴な言い方をすれば展示などどうでもいい旧朝香邸そのものが美術品なのだ。また前の庭はプール付き西洋式庭園と池を中心にした日本式庭園からなるが、日本式庭園は茶室を含めて東京都迎賓館として外国人賓客に供されるため公開されていない。東京都庭園美術館と国立自然教育園はセットで見学するのが散策コースの常識になっており半日ほどの優雅な時間を楽しむことができる。


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