ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 五十嵐敬喜・小川昭雄著 「道路をどうするか」 岩波新書

2010年02月24日 | 書評
道路利権集団による日本国食いつぶしを阻止する 第13回

5)小泉改革の無残な失敗 (3)

 2002年12月に国土交通省大臣諮問機関の第1回国幹会議が開かれ、2005年の民営化後は2006年2月に第2回国幹会議が開かれて、整備計画のあった高速道路の全線建設が決まった。無駄な道路作らないという民営化とは何だったのだろうか。全部必要ですといわれればはいそうですかと認めてしまう言葉のお遊びに過ぎなかったのか。民営会社といっても役員と職員は全部官僚の天下りで、国の資金が使えるという民間会社は「国有化」ではないだろうか。このあまりに強力な「道路族」を明らかにしておこう。「道路族」の狭い定義は「自民党の道理調査会の議員」を指すが、道路を利権とする人々と定義すると膨大な集団となる。自民党の高速道路建設推進議員連盟とか道路整備促進期成同盟全国協議会、日本経団連、地方6団体(全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国相町村会、全国町村議会議長会)などがある。全国知事会は反中央ではなく道路族なのである。そのほかに関係業界では日本道路建設業協会、日本建設業団体連合会なども強力である。仕事を貰う圧力団体である見返りに自民党の投票マシーンである。業界でも自動車や石油関係団体は税制が販売コストに響くことから、道路族とは見なされない。
(つづく)


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