原発安全神話は崩壊した、原発から脱却することは可能だ 第6回
3)「福島原発避難民を訪ねて」 鎌田 遵 大学講師 アメリカ先住民研究 都市計画
福島県人をアメリカ先住民の「エコサイド」(環境破壊)と差別意識にたとえるのは、「当たらずといえど遠からず」程度の類似であって、両者が本質的に同じとは思えない。「アメリカ先住民差別と圧迫」と同じ構図が福島県人に当てはまるとは、時代錯誤感覚ではないか。原発設置場所は過疎村であり、都市と地方格差の問題として論議すべき問題である。
4)「原発は不完全な技術」 上澤千尋 市民のための原子力資料情報室
「原子力資料情報室CNIC」とは経産省や資源エネルギー庁の組織ではない。市民のための原子力情報を公開するNGO組織と考えられる。市民による市民のための原子力資料情報を知るための組織であろうか。「学者や専門家」が教えを垂れる場所ではない。市民の知りたい内容を分りやすく解説する。したがって本章は原子力の初歩から理解に必要なレベルまでを解説している。内容は室田 武著 「原発の経済学」ともダブっているので大幅にカットしよう。原子炉には加圧水型PWRと沸騰水型BWRがあり、加圧水型PWRは原子炉の中に燃料棒が密に配置されておりコンパクトなつくりであり出力密度が高い。しかし原子炉内壁と燃料棒の距離が近く、内壁金属の「中性子脆化」が起きやすいと言われる。沸騰水型BWRは制御棒が炉圧力容器の底から挿入されるため、それを支える安全機構が複雑で、これまで制御棒の落下事故がおき臨界となった(1978年福島第1原発3号炉と1999年志賀原発1号炉)。耐震構造上脆弱な装置で地震時には配管の破断事故が起きるのではないかと心配されていた。原発の最も大きな問題は大量の放射性物質を内蔵することであり、核分裂生成物質という「死の灰」としてキセノン、ストロンチウム、クリプトン、バリウム、ヨウ素、セシウムなどが生成される。またウラン238が中性子を吸収して「超ウラン物質」として、プルトニウム、アメリシウム、キュリウムを産出する。また内壁や配管の材料である鉄合金(コバルト、マンガン)が中性子を浴びて放射化する。これらの核廃棄物の半減期は長いもので、ストロンチウム29年、セシウム2年、プルトニウム2万4000年、アメリシウム432年、コバルト60 5年などである。使用済み核燃料は自然崩壊による「崩壊熱」を出し続けるので、水で冷却しなければならない。その期間は廃炉となるまでとされる(30-40年)。原子炉の運転状態は想像を絶する高温高圧下にある。加圧水型PWRでは圧力容器内の蒸気温度320度、圧力150気圧である。燃料棒の温度は2000度である。沸騰水型BWRでは蒸気温度は290度、圧力は70気圧である。国内国外での原発事故は後を絶たない。極く近年の2010年4月から2011年3月までの1年間で大小あわせて307件の事故が発生している。国内原発のいくつかは40年以上経つ老朽化施設がある。敦賀1号、美浜1号、福島第1原発1号機であり、30年以上経過する原発は16基もある。
(つづく)
3)「福島原発避難民を訪ねて」 鎌田 遵 大学講師 アメリカ先住民研究 都市計画
福島県人をアメリカ先住民の「エコサイド」(環境破壊)と差別意識にたとえるのは、「当たらずといえど遠からず」程度の類似であって、両者が本質的に同じとは思えない。「アメリカ先住民差別と圧迫」と同じ構図が福島県人に当てはまるとは、時代錯誤感覚ではないか。原発設置場所は過疎村であり、都市と地方格差の問題として論議すべき問題である。
4)「原発は不完全な技術」 上澤千尋 市民のための原子力資料情報室
「原子力資料情報室CNIC」とは経産省や資源エネルギー庁の組織ではない。市民のための原子力情報を公開するNGO組織と考えられる。市民による市民のための原子力資料情報を知るための組織であろうか。「学者や専門家」が教えを垂れる場所ではない。市民の知りたい内容を分りやすく解説する。したがって本章は原子力の初歩から理解に必要なレベルまでを解説している。内容は室田 武著 「原発の経済学」ともダブっているので大幅にカットしよう。原子炉には加圧水型PWRと沸騰水型BWRがあり、加圧水型PWRは原子炉の中に燃料棒が密に配置されておりコンパクトなつくりであり出力密度が高い。しかし原子炉内壁と燃料棒の距離が近く、内壁金属の「中性子脆化」が起きやすいと言われる。沸騰水型BWRは制御棒が炉圧力容器の底から挿入されるため、それを支える安全機構が複雑で、これまで制御棒の落下事故がおき臨界となった(1978年福島第1原発3号炉と1999年志賀原発1号炉)。耐震構造上脆弱な装置で地震時には配管の破断事故が起きるのではないかと心配されていた。原発の最も大きな問題は大量の放射性物質を内蔵することであり、核分裂生成物質という「死の灰」としてキセノン、ストロンチウム、クリプトン、バリウム、ヨウ素、セシウムなどが生成される。またウラン238が中性子を吸収して「超ウラン物質」として、プルトニウム、アメリシウム、キュリウムを産出する。また内壁や配管の材料である鉄合金(コバルト、マンガン)が中性子を浴びて放射化する。これらの核廃棄物の半減期は長いもので、ストロンチウム29年、セシウム2年、プルトニウム2万4000年、アメリシウム432年、コバルト60 5年などである。使用済み核燃料は自然崩壊による「崩壊熱」を出し続けるので、水で冷却しなければならない。その期間は廃炉となるまでとされる(30-40年)。原子炉の運転状態は想像を絶する高温高圧下にある。加圧水型PWRでは圧力容器内の蒸気温度320度、圧力150気圧である。燃料棒の温度は2000度である。沸騰水型BWRでは蒸気温度は290度、圧力は70気圧である。国内国外での原発事故は後を絶たない。極く近年の2010年4月から2011年3月までの1年間で大小あわせて307件の事故が発生している。国内原発のいくつかは40年以上経つ老朽化施設がある。敦賀1号、美浜1号、福島第1原発1号機であり、30年以上経過する原発は16基もある。
(つづく)