ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

日本航空は民間会社なのか、国交省直轄会社なのか?

2009年08月18日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月18日7時4分
日本航空再建で有識者懇 国交省が20日設置へ
 日本航空の経営再建に第三者の意見を反映させようと、国土交通省は20日、有識者でつくる懇談会を設ける。 日航は6月末、一部に政府保証もついた約1千億円のつなぎ融資の契約を結んだ。これに先立つ同月中旬、金子国交相は日航再建について「しっかりと指導・監督していく」と異例の宣言を出した。国が特定企業の再建を指導・監督することに対し、中立性などを懸念する声も出ていた。

朝日新聞 2009年7月1日22時48分
日航は国支援、全日空は自力増資 対極の立て直し
 需要低迷に悩む航空大手2社が、対照的な経営改善に乗り出す。日本航空は1日、政府保証が付いた危機対応融資を含め計1千億円の融資契約を結んだと国土交通省に報告。同省の指導の下、経営の立て直しを急ぐ考えを示した。一方の全日本空輸は同日、1500億円の公募増資を発表し、自力で業績回復を目指す路線を強調した。

山崎豊子作「沈まない太陽」で日航の御巣鷹山墜落事故と不健全な経営体質をあばいた労作があった。それから日航の体質はあまり変わっていないようだ。「親方日の丸」主義は健在で、政府保証の融資を求めるなどは、いかにも元官僚のやり方である。国交省の天下り役員の数を調べる必要がある。

第45回衆議院選挙 今日公示 30日選挙

2009年08月18日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月18日8時30分
「政権選択」最大の焦点、総選挙スタート 衆院選公示
 第45回総選挙が18日、公示され、30日の投開票に向け、選挙戦が始まった。総選挙は郵政民営化の是非が争点になった小泉政権当時の05年から4年ぶり。自公連立政権の継続か、民主党を中心とした野党による政権交代かが、今回の最大の焦点。各党の党首は18日朝から、全国各地で第一声をあげる。 小選挙区比例代表並立制が導入されて今回で5回目。小選挙区(定数300)と比例区(同180)単独を合わせた候補者数は1300人を超える見通し。

小選挙区と比例区の議員数300:180の比率は、ポピュリズムで一挙に雰囲気を換えることが出来る範囲である。小選挙区オンリーでは現金が物をいう腐敗選挙に繋がりやすく、この比率は永遠の問題を含む。

新型インフルエンザのアメリカ・カナダでの死亡率は0.5% 

2009年08月18日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月18日8時8分
新型インフル「致死率は米加で0.5%」 研究者推定
 新型インフルエンザの米国とカナダでの致死率が約0.5%に上ると推定されることがオランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(理論疫学)らの分析でわかった。通常の季節性インフルエンザの致死率は0.1%か、それ以下と推定されており、ほぼ5倍以上になる。米科学誌プロスワンに近く報告する。
 世界保健機関(WHO)などの研究チームも今年5月、最初に感染者が相次いだメキシコでの新型インフルの致死率を約0.4%と見積もっていた。1957~58年に流行したアジアかぜの致死率は約0.5%と推定されており、新型インフルの致死率も同程度とみられる。

致死率は流行の時代、季節や国などによって異なり、特にその国の治療レベルと衛生統計の信頼度によって決まる。後進国では致死率は高く、先進国では低いのが普通である。

文藝散歩 堀田善衛著 「ゴヤ Ⅰ-Ⅳ」 朝日文芸文庫

2009年08月18日 | 書評
スペインの怪物 ゴヤの生涯と近代絵画 第7回

ゴヤ Ⅰ 「スペインの光と影」 (5)

 ゴヤが生まれるまでのスペインの絵画の歴史を見て行こう。フランドルの巨匠で油絵を始めて開発したヴァン・エイクが1428-1429年にアラゴン王国の招きで来訪した。当時の肖像画は常に写真の代わりをなす、お見合い写真か記念写真であった。アラゴン王国の王女の結婚話のために肖像画を書いたといわれる。絵師とは写真師に過ぎず、旅芸人の仲間であった。16世紀後半よりトレドにはギリシャ人のエル・グレコがいた。17世紀にはいってセビーリアにフランシスコ・パチェーコと云う画家が現れ、ベラスケスの師匠となった。スペインにとって集中度の高い17世紀に来た。エル・グレコは1612年に亡くなってから、スペイン絵画の黄金期第1期が始まった。ベラスケスは1623年宮廷画家となり、同時に宮廷式部長官を命じられた。ベラスケスは宮廷の芸人として、また雑用係一式をひきうけて、あるがままのスペインリアリズム(客観主義)の伝統に則って宮廷の肖像画や行事を描いた。そこには対象の内面まで立ち入ると云う近代リアリズムはなかった。スペイン絵画には文学性や思想性が殆ど欠如している。1660年スペイン王フェリーペ四世が娘のマリア・テレーサをフランスのルイ14世の王妃にする準備に忙殺され、1660年ベラスケスは他界した。ベラスケスの死を持って17世紀スペイン絵画の黄金時代は終焉した。
(続く)