ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

トヨタ 赤字幅縮小へ

2009年08月05日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月4日15時16分
トヨタ、赤字幅が大幅縮小 プリウス好調
 トヨタ自動車が4日発表した09年4~6月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が1948億円の赤字(前年同期は4125億円の黒字)となった。営業赤字は3四半期連続。ただ、新型プリウスの販売好調や、各国の販売奨励策が追い風となり、赤字幅は1~3月期の6825億円から大幅に縮小した。
 4~6月期の売上高は、前年同期比38.3%減の3兆8360億円、純損益は778億円の赤字(前年同期は3536億円の黒字)となった。


《政治決戦24時:4日》 昨日の発言より

2009年08月05日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月4日
舛添厚労相が閣議後の記者会見で「『政治家がどかどかって役所の中に入ってきたら世の中変わる』『役人追放してしまえば世の中変わる』んだったら、そんな簡単なことはない。余りにも単純化されたワンパターン。緻密さに欠ける頭で物事を処理されたら困る。絵に描いた餅に終わるだけならいいけれど、大混乱を来した時の責任を誰がとるんですか」と民主党を批判。
民主党の岡田克也幹事長が愛知県豊橋市内で記者団に対し、東京地裁で進行中の裁判員裁判について「始めたものは少しやってみて、問題があれば考え直せばいい。おおいに意義のあること。国民に開かれた裁判、国民ひとり一人が裁判を身近に考えるきっかけにもなるので、私はやるという方向性は間違ってないと思う」

民主党が理想とするイギリスの議会制民主制度
 イギリスには保守党、労働党、自由民主党、地域政党などがあるので、イギリスは厳密な意味での二大政党制ではない。イギリスは伝統的に小選挙区制であるため、労働党、保守党の二つの政党が生き残ってきた。650の下院議席のうち保守党と労働党がそれぞれ200あまりの絶対的基盤(セーフティシート)を持っている。それに中間票がどう動くかによって政権担当政党が替わるのである。イギリスの選挙戦といえばマニフェストが有名であるが、それほど厳密に有権者が吟味しているとは思えない。議院内閣制において官僚機構を動かすのは、下降型(ウエストミンスターモデル)といわれ、政策や政治的意思がトップダウンで行政府に下される。内閣は議会の多数派が構成する統治の最高指導機関とない、」閣僚は省庁の代弁者ではなく国家の大臣である。官僚機構に指示するのは内閣のみで、議会の議員が官僚機構に直接アクセスすることは禁じられている。行政府には政治任用のポストが多く、130人ほどの与党議員が行政府の官僚機構を統率する。

小学生の成績と親の収入は比例します

2009年08月05日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月5日3時9分
成績と親の年収、比例する傾向 小6学力調査を国が分析
 全国学力調査の結果を分析したところ、保護者の収入が多い家庭、教育支出が多い家庭ほど子どもの成績がよくなる傾向があることが、文部科学省がお茶の水女子大学に委託した調査で確認された。年収によって正答率に最大約23ポイントの差がついたほか、塾や習い事などの支出が「ない」という家庭と「5万円以上」という家庭では、最大約27ポイントの差がついていた。
 研究班は、「保護者がニュースについて子どもと話す」「小さい頃に絵本の読み聞かせをした」「家に本がたくさんある」などの項目が当てはまったといい、「幼児期から学校の学習になじみやすい家庭環境をつくることが重要だという示唆」だという。

国力とオリンピックのメダル数、大学進学率と親の収入と同じく、成績と親の収入は比例する。教育には金がかかる、 地獄の沙汰も金次第。 これも格差社会の典型 

読書ノート 福島孝徳著 「神の手の提言ー日本医療改革」 角川oneテーマ21新書

2009年08月05日 | 書評
顕微鏡手術の世界的権威による、日本の医療改革11か条の提言 第6回

1) 医師の教育 (3)

 2004年厚生労働省は「新臨床研修制度(スーパーローテーション)」をスタートさせた。無給のインターン制に較べれば、一応給料を貰って卒後2年間すべての科を廻って臨床を学ぶ制度である。2008年9月森元首相が「臨床研修制度見直し」を命じ、内科と救急、地域医療を必修とし、2科目を選択するもので1年で必修研修は終了する。あと1年の研修は専門科の自由選択となった。この結果大学医局離れが進み、医局への帰属率は制度の前(2003年)と後(2008年)では72%から46%に低下した。これにより大学病院は医師不足に陥り派遣していた都市病院の医師を引き揚げたため、自治体病院や中規模病院は廃業に追い込まれるところが目立った。ドミノ倒し現象である。「新臨床研修制度」は大学病院の権力を弱める事には成功したが、研修病院があまりにお粗末なレベルの病院が多くこれでは研修医のキャリア向上にはなっていない。そもそも技術の優れた医師がいない病院で研修しても名医は育たないのだ。「新臨床研修制度」は人材育成という目的からそれて、単に人材確保に流れている。研修病院はお金をつけて研修医の引き止めに走り、研修医もタコ部屋みたいな大学医局より産科と小児科、外科を避けて都会の民間病院に流れるのもやむをえない現象である。やたら精神科医が増えて一億総鬱病にされそうである。

 医師不足には患者側の意識改革も必要である。患者一人の年間受診回数は日本は14回、アメリカは4回、イギリスは5回、ドイツは7回である。アメリカは医療費がべらぼうに高いから医者にかかる回数が低いのは当然として、イギリスは医療崩壊により医療施設へのアクセスが制限されて順番待ちだから低いのはこれまた当然としても、日本の回数がドイツの2倍というのはやはり高すぎる。医者の敷居が低いのは結構な事だが、これが無駄な医療費となっているとしたら改善しなければならない。コンビニ受診、タクシー代わりの救急車、老人憩いの場、コミュニケーションプラザとして病院はなんとかしなければいけない。家庭医・総合医の充実や、町医者の技術向上のための医師免許更新制度が必要ではないか。死ぬまで有効の医師免許にも研修・講習の生涯学習システムが必要である。
(続く)