ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

アメリカの失業率 依然10%近い

2009年08月08日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月7日21時57分
米失業率 7月 9.4% 
 【ワシントン=尾形聡彦】米労働省が7日発表した7月の雇用統計で、失業率が前月より0.1ポイント低い9.4%となり、08年4月以来1年3カ月ぶりに改善した。ただ、非農業部門の就業者数(季節調整済み)は前月比で24万7千人減少しており、雇用情勢が悪化する状況は続いている。

失業率10%の社会は暴動か革命前夜である。世界の富の略奪の分け前で誤魔化されてきた米国国民は、この貧困格差社会と貧困者をターゲットとしたビジネスの横行に少しは目覚めたらどうか?

大型補正予算を減額し、国家戦略局を設置

2009年08月08日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月8日5時3分
民主、組閣直後に「国家戦略局」 補正予算を3兆円減額
 民主党は、将来の政権構想に関連し、今度の総選挙後に与党になった際の当面の政権運営の基本方針を固めた。特別国会で首相指名を受け、組閣後直ちに首相直属の「国家戦略局」を政令で設置して来年度予算編成に着手。その後臨時国会を開き、総額約14兆円の今年度補正予算のうち3兆円程度を減額し、来年度予算の財源に回す方針だ。
 鳩山代表が公約した国家戦略局は、従来の経済財政諮問会議に代わり、首相主導で予算編成の骨格づくりを担う。9月半ばまでに特別国会が開かれ、首相指名と組閣後に同局設置の政令を閣議決定する。

「小泉改革」の企業側ブレーン「経済財政諮問会議」を廃止、バランスの取れた国富分配を  09年度企業バラマキ補正予算もついでに全額見直してください

民主党マニフェスト 微調整しきり 

2009年08月08日 | 時事問題
朝日新聞 2009年8月8日3時4分
民主、政権公約を修正 日米FTA・成長戦略・分権
 民主党は7日、衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた「日米自由貿易協定(FTA)」について、「締結」の表現を「交渉を促進」に変更するなどの修正文を発表した。国内農畜産業の保護に配慮した。経済成長戦略についても、記載済みの政策をくくり直す大幅な文言修正で明示し、「不熱心」との批判に応える方針だ。日米FTAに関する修正は菅直人代表代行が7日の臨時記者会見で発表。「締結」の削除に加え、「食の安全・安定供給、食糧自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない」との一文を入れると表明した。

政権をとった時の、農業保護を配慮した政策の修正へ

読書ノート 福島孝徳著 「神の手の提言ー日本医療改革」 角川oneテーマ21新書

2009年08月08日 | 書評
顕微鏡手術の世界的権威による、日本の医療改革11か条の提言 第9回 最終回

3) 脳外科医の術法

 日本では未熟な療法が平然と行われている例を内視鏡手術と血管コイル塞栓術について、ミスで命を落としたり重大な合併症をおこす可能性のあるリスクの高い術式について、日本の外科医に注意を促す。 

①リスクの高い内視鏡手術
内視鏡は低侵襲で21世紀の新治療法であると宣伝されているが、内視鏡はもともと診断技術として開発され、CTもMRも無い時代内視鏡で直接見て診断することはそれなりに意義があったが、脳内のようなスペースの無い箇所ではあまり向いていない。よく見えないこととや自在な動きができない事から出血などの対処が出来ず死にいたる事故が絶えない。ごく限られた事しか出来ないのでその適応は慎重であるべきだというのが著者の言い分である。開いて顕微鏡手術をする方が安全確実であるという。

②カテーテルの達人でなければできない血管内コイル塞栓術
脳の動脈瘤手術は開頭してクリップで縛るという手術の代わりに、大腿からカテーテルを挿入して脳の患部に至りコイルなどの栓をする術式で、マイクロコイルやマイクロガイドワイアーなどが開発された。ところが熟練した医師による開頭手術と血管内コイル塞栓術の合併症のリスクが、一番難易度の高いグレードで5%であるのに対して、敬嫌悪少ない医師では血管内コイル塞栓術の合併症のリスクは10-20%にあがる。又閉塞率も開頭手術では99%であるのに対して、血管内コイル塞栓術では50%ぐらいである。血管内コイル塞栓術が成績がいいのは小さな動脈瘤の場合のみである。従って臨床経験の豊富な医師でなければ血管内コイル塞栓術は頼めない。

③定位放射線治療は適応を誤るな
今放射線治療ではコリメータというヘルメットを患者の頭に固定しコバルトγ線を当てる「ガンマナイフ」と、細く絞ったX線をロボットアームで正確に照射する「サイバーナイフ」という療法がある。大体脳腫瘍は良性の腫瘍か、飛んできた転移ガンである。転移性脳腫瘍はよほど大きくならないと手術をしない。良性の腫瘍は放射線に対する感度が高くないにもかかわらず、むやみにガンマナイフをあてると正常細胞の損傷を招いて合併症の方が多くなる。悪性に転化する場合もある。サイバーナイフの方が転移性脳腫瘍や悪性腫瘍、頭頸部ガンなどに適応が広い。照射的を絞る精度が抜群に優れているからだ。良性の腫瘍はエキスパートの外科医により1回の手術できちんととるべきで、ガンマナイフの放射線治療は後遺症が出やすいので勧められない。放射線治療については三橋紀夫著 「ガンをどう考えるかー放射線治療医からの提言」を参照してください。両方をあわせて読んでください。

④ホルモン療法は生活の質を下げる
脳下垂体腫瘍の治療で内科医や内分泌医はなぜホルモン剤を使うのだろうか。一度ホルモン剤を使うと生涯飲み続けなければならない。またホルモン剤で腫瘍が繊維化しくっついて取れなくなるのである。脳下垂体腫瘍は経鼻ピンポイント鍵穴手術で腫瘍を摘出できるのだ。1、2時間の手術で全治率は90%である。内科医は患者の囲い込みをしないで優秀な外科医を紹介すべきである。
(完)