ブログ 「ごまめの歯軋り」

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北朝鮮が核保有国なら、六カ国会議の使命は終了した。

2006年11月28日 | 時事問題
asahi.com 2006年11月28日12時44分
北朝鮮代表「核保有国」を強調 米との対決姿勢鮮明に
 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の再開に向けた調整のため、同国の首席代表を務める金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官が28日午前、北京に到着した。米中の首席代表と協議する。金次官は北京空港で「核保有国」としての立場を強調し、米国との対決姿勢を鮮明にした。米国による事実上の金融制裁問題などで対立する米朝が再開の日程で合意できるかどうかが最大の焦点だ。

北の核武装を阻止する六ヶ国会議の使命は失敗に終わった。別の次元での対応が必要

 一度核を保有した国が核を放棄した例は聞いたことがない。従って失敗に終わった六ヶ国会議の議長国中国の責任は大きい。こんな会議で北の暴言を聞いても不愉快になるだけである。速やかに六ヶ国会議は終了して、北を除外して、北包囲5ヶ国会議に切り替えるべきだ。

ようやく 実態に近いいじめ件数の報告があった。群馬県教育委員会に敬意

2006年11月28日 | 時事問題
asahi.com 2006年11月28日11時51分
群馬の小中学校、半年間にいじめ2700件 県教委調査
  群馬県教委は28日、市町村教委を通じて独自に実施した公立小中学校でのいじめ調査で、今年4~10月のいじめ件数が計2720件にのぼったことを、市町村教委の担当者らを集めた緊急会議で報告した。05年度の文部科学省調査で集計した48件を大幅に上回った。
  調査結果によると、小学校は1577件で1校当たり4.6件、中学校は1143件で1校当たり6.6件だった。うち小学校の529件、中学校の513件で指導を継続中という。県教委は今回の数字がほぼ実態を反映しているとみている。 県教委は、文科省調査の際のいじめの定義(1)自分より弱いものに一方的に(2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え(3)相手が深刻な苦痛を感じている――にこだわらず集計した。

群馬県教育員会の独自調査での「いじめ件数」はほぼ実態に近い

 06年度前半期の小学校でのいじめ件数は1校あたり4.6件、中学校で6.6件だという。妥当な数値だと思う。小学校で1学年1件ぐらい、中学校で1学年2件ぐらいになるようだ。もう少しあるように思うが妥当だと判断したい。これくらいあって不思議ではなく、人の世では当たり前だろう。事件にならない範囲で人とのトラブルはあって当然だ。私は集団の中で10%が優等生と落ちこぼれ後は可もなく不可もなくと考えている。40人のクラスなら4人が優等生、4人が落ちこぼれ、あとの30人ほどは中程度とみられる。落ちこぼれがいじめ側に廻る可能性が高い。小学校でのいじめなんて対したことはない。口で言い返せば済む程度だ。暴力的になるのは中学校からでいわゆる不良連中がでる。これが金銭を要求したり、集団暴行を加えたりする。教師に伝えても有効な手を教師が打たない限りかえって暴行の度は烈しくなる。最後には自殺という悲劇になるようだ。

北朝鮮の医療実態は如何なる状態だろうか

2006年11月28日 | 時事問題
asahi.com 2006年11月28日06時31分
点滴薬持ち出しの在日朝鮮人、説明覆す 背後関係捜査へ

 在日朝鮮人の女らによる薬事法違反容疑事件で、女が点滴薬などを北朝鮮に持ち出そうとして税関で見つかった際、当初話していた持ち出し理由をその後変えていたことがわかった。警視庁公安部は女の説明が虚偽で、別の組織や人物の指示を受けていたとの疑いを強めており、背後関係や目的について調べている。一方、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は「薬は個人で使うためのもの」としている。

北への物資の流れを遮断するための捜査だが、北の医療実態を垣間見る

 点滴薬なんて生理食塩水にイオンバランスと栄養剤が入った程度の水に過ぎない。むしろ病気に応じて抗生物質や制癌剤、抗炎症薬などなどを入れて医者は点滴するものだ。点適薬は大量に必要なものだが、個人が運べる量はたかが知れている。恐らくは特権階級の軍人あたりが要求したものであろう。ということは他の国民の治療実態が推し量られてお寒い限りである。

「環境省  17℃以上の暖房を止めます」 本当かな

2006年11月28日 | 時事問題
asahi.com 2006年11月28日03時07分
この冬は暖房やめます 温暖化対策で環境省
 環境省は27日、今冬、東京・霞が関の同省庁舎の暖房を原則停止する、と発表した。地球温暖化対策の一環で、計84トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながると試算している。
 昨冬も2月下旬から約1カ月間、試験的に庁舎の暖房を止めたが、人の体温やオフィス機器の放熱によって平均室温が24度ほどに保てたうえ、二十数トンのCO2削減効果があったため、期間を拡大することにした。
 12月1日から来年3月末まで暖房を止め、職員にセーターなどの着用を呼びかける。ただし、職員の健康に配慮し、例外として、庁舎が冷え込む休日明けの朝と、室温が17度未満のときは暖房をつける。

環境省は独立の建物ではない

 霞ヶ関官庁街を知っている人は環境省が何処に入っているかを知っている。環境省は厚生労働省と同居している。厚生労働省は暖房を止めるとは言っていない。暖房設備は運転されている。そして会議室や共通部分の暖房は継続されるはずだ。全館暖房の熱があり階下からの余熱で暖房されているのと同じであろう。「人の体温やオフィス機器の放熱によって平均室温が24度ほどに保てた」ということはそのことを指しているのだろう。24度もある部屋を暖房すればこれまでは28度くらいで仕事しているのだな。たしか冬でもにワイシャツ腕まくりで仕事をしていたようだ。理由としている「体温やパソコン放熱」では無理ではないか。放熱計算してみたらどうなるかな。まー寒いと感じれば会議室へ行けばいい。どうも環境省の言い分は積極性にかける。自分だけいい子になろうとしている。

環境書評  高橋 裕著 「地球の水が危ない」 岩波新書(2003年2月)

2006年11月28日 | 書評
長野県田中知事の「ノーモアーダム」宣言以来、日本の河川土木事業は重大な岐路に差しかかっている。長年旧建設省の河川審議会委員を勤められ日本の河川治水政策立案者であった著者が戦後半世紀の間に日本人が歩んだ水問題への目まぐるしい挑戦の歴史を振り返り、悲喜こもごもの反省を込めて地球規模の水問題への展望を述べたのが本書である。
  日本はアジアモンスーン地帯に属した孤立した島国であり、かつ豊富な降雨量と森林資源に恵まれて古来日本は「山紫水明」の豊葦原の国であった。市民は「安全と水はただ」という思想を持ち、ときたま襲う台風による水害や日照りによる取水制限が水問題を意識する機会に過ぎなかった。その意味で中近東、アフリカ、東欧、中央アジアなどの国際河川における水紛争や絶対的な水不足などは対岸の火事以下にしか意識できなかった。しかし明治以来日本の治水砂防土木事業は農林業・工業・市民生活の立地条件を整える国家戦略と位置づけられ関係技術官僚の政策立案と公共事業は営々と続けられた。それがここにきて、環境破壊の元凶と非難され、土木公共事業は国家予算を食いつぶす政官財癒着の時代遅れの景気刺激産業と目される時代となった。

1)ダム・堤防による河川改修の限界:2000年河川審議会の答申「総合治水から地域治水へ」   
「われわれは都市化・経済効率一辺倒の風潮の中で身近な水域である中小河川、水路などの水質を悪させ、土地有効利用の名のもとに次々と暗渠化、高速道路架設を断行した。結果として都市の平時の水循環を変化させてしまった付けを嫌というほど味合いつつある。水辺空間の減少、出来るだけ早く海に流すことを目的とした河川の直線化、連続堤防を含むコンクリート護岸などの河川改修工事、ダムや堰きの建設は平常流量の減少など河川生態系に著しい悪影響をあたえた」と審議会答申は述べている。このような反省をもとに効果的な洪水対策を推進するためには従来の河川改修と「多自然型河川工法」と併せて、流域における対策、特に山地丘陵等からの雨水の流出抑制対策及び、河川の氾濫などにより浸水する可能性のある地域における雨水貯留効果のある霞堤など水害軽減対策を講じなければならない。

2)地球環境問題としての水危機への世界の対応と日本の役割   
2000年には地球人口は60億を超え、人間生存の最低限の生活用水量である一人一日あたり50リットル以上の水を確保できない国は55ヶ国もある(日本人の生活用水使用量は332リットルである)。途上国が今後の水需要増加にどう対処するかが地球環境問題の課題である。食糧生産のための農業用水の総需要量に対する比は80%を占める。1977年マル・デル・プラタで最初の国連主催「水会議」が開催されたが、世界の世論を喚起するに至らなかった。1992年のリオデジャネイロの国連環境壊開発会議「地球サミット」でも水危機を地球環境問題として捉えることは出来なかった。水危機への政策を提言する国際的NGOとしてアカデミックなWWC(世界水会議)と途上国対策を説くGWP(地球の水パートナーシップ)が活動を開始した。WWCは2006年モントリオールで開催する第4回世界水フォーラムのテーマを「貧困と水」とし、2015年までに衛生的な水利用人口と一定水準以上の下水処理施設を利用できない人口を半減することを目標としている。地球温暖化と連動した水循環の科学的解明を目指したアジアモンスーンの観測計画(GAME:アジア・モンスーンエネルギー水循環観測研究計画)に日本の貢献が期待されている。