高雄市愛河河畔に並ぶ近代ビル街
4泊5日・・とは言っても、現地では正味3日間の駆け足観光だったが、初めて訪れた台湾(中華民国)という国の印象を思いつくままに記しておく。
○函館直行便ができたお陰で、安い料金で手軽に行ける国になった。全食事付きのホテル4泊で6万円という料金設定に、騙されても良いと思って飛びついた旅だったが、見るもの食べるもの全てが大満足の旅だった。特に楽しい素晴らしい大ベテランの現地ガイドにも恵まれた旅でもあった。
○世界の中でも非常に複雑な歴史を歩んだ「台湾」・・・日本にも50年間統治されていた国の歴史や風土が理解できた。おもな歴史は下記の通り。
オランダ植民統治時代(1624年 - 1662年)~鄭氏政権時代(1662年 - 1683年)~清朝統治時代(1683年 - 1895年)~ 日本統治時代(1895年 - 1945年)~ 南京国民政府(1945年 - 1949年)~台湾国民政府(1949年 - 1996年)~民主化後(1996年 - 現在)
○西側は平地が多く、交通網も発達していて、人口も多く都市が多い。それに比べて、東側は山が海岸まで迫っていて、平野部が少なく、先住民族が多い。
<台湾の地形を表す地図>
○日本の統治時代の印象が良いようで、親日的な国民が多い。それは、日本は搾取型植民地支配ではなく、「内地延長主義」として、台湾を日本国内と同じように扱うという政策をとったことが大きい。例えば、日本から優秀な教育者を派遣し、台湾中に学校を建て、教育自体と同時に、物事を学ぶ姿勢を根付かせた。1904年に3.8%だった台湾児童の進学率は、1944年には71.3%にまで向上した。
それに比べて軋轢が続いている中国(中華人民共和国)に対しては、非常に厳しい感じを受ける。日本人はマナーが良いが、中国人は非常に悪いなど。それでも、中国からの観光客が非常に多かった。
○どこへ行っても、日本と同じように地方と都市との生活上の格差はあまり感じられなかった。中国旅行の時は酷かっただけに、民主化後の政治が行き届いている印象を持つことができた。ただ都会の古い建物は薄汚れた感じで、昭和の日本を思わせる。
○楽しみだった台湾料理は、中華料理と同じ系統だが、油濃さやくどさはなく、あっっさりした感じで日本人の口には良く合うと思う。
日本では食べることのできない珍しいものを選んで食べるようにした。しかし、昼食と夕食は同じような料理のフルコースなので、最後はちょっと食傷気味。ホテルの朝食バイキングはできるだけあっさりしたものを選んだ。今朝、体重を測ったら1kgちょっと増えていた。
○さすが南洋の国、植生がまったく違い、花や果物など見たことのないものが多く目に付いた。
○文字は漢字のみなので、読み方や話し言葉は分からないが、看板や文書などはなんとなくその意味が分かる。中国より略字が少ない。日本ではカタカナで表す外来語の表記に面白いものが多かった。観光客と接することの多い店員やホテルマンはほとんど日本語が通じる。
○食べ物を中心とした物価や日常生活に必要なものは全体的に日本より安い。
○コンビニはセブンイレブンとファミリーマートが幅を利かせ、他の商店も日本の店が多く進出している。車はほとんどが日本車。
○都会はスモッグに覆われていて、朝などは晴天なのに青空や遠望が見えないところもあった。
○今回は海岸をぐるっと回る観光旅行だったので、3000m以上の山が258座もあるという急峻な山岳地形に触れることは太櫓閣峡谷以外はなかった。次回、チャンスがあれば、トレッキング主体の自然に触れる旅をしてみたい。