癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

落葉しないブナ

2011年12月03日 | 登山・旅行
 今年、初冬の山に登って非常に気になるのが、ブナの葉が落葉しないで繁っている?姿である。例年は、いくらかは残っているが、これだけ多くの葉が付いているのはあまり記憶にない・・・・。

 そう言えば、今年はブナの黄葉があまりきれいでなかったし、黄葉しないうちに葉が枯れたり、丸まっていたような気がする。その原因は不明だが、今年の晩秋は、例年より暖かかったような気がする・・・そのことと関係があるのだろうか?

 そこで、森林の専門家Taoさんにメールで尋ねてみたら、下記のような答えが返ってきた・・・・。 

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・葉が落ちにくく 枯れ葉を着けたまま 冬を迎えてしまう樹種は?
函館近郊の森を観察すると
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◇ブナ科
 ・ブナ属 ブナ  ・コナラ属 カシワ ミズナラ  コナラ  ・クリ属 クリ
◇カバノキ科
 ・クマシデ属 サワシバ
 函館平野周辺の森では このよう樹種が 目立っています

今年は 特に目立って着葉が多いようです 何故か?
年により多少はありますが、「落ちにくい葉」の樹種は あまり変わらないようです
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・函館付近の観察例だけからですが 進化において 「古い形質の樹種」に偏るようです(逆は真ではないが? オールジャパン グローバルに言えるか否か不明だが?)
・では なぜ今年目立って多いか?
 1 サクラなど、枝と葉の間にクチクラ層が形成されます(葉の落ちた痕にある「テカテカ」した層・・・葉の落ちた痕(葉痕)を虫眼鏡で見ると分かる)

 2 函館山のカシワの枯れ葉を、枝から落とすと 葉と枝に緑色したギザギザの組織が見えます(落葉に必要なクチクラ層が未発達の証拠)

 3 クチクラ層が形成されないと 葉が枝から落ちようがない

 4 落葉樹は おおむね温度に反応して紅葉し、温度に反応してクチクラ層(枝と葉の間の関節)が出来て落葉するようです

 5 落葉出来ない= 関節が出来ないからでしょう<カシワの葉を落とした痕を見たように 落ちないブナの葉と枝の間を見ると 同じようにテカテカ層が不明>

◆ さて 今年=気象データを 確かめていませんが
晩秋の日々の気温の低下のしかたが 樹種のほうで 期待した気温低下傾向・・を示さなかったから、クチクラ層(関節)が形成されにくかった・・・と一応考えています(私見)
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<参考>
1 カシワでも 気象環境が不十分な立地の個体に枯れた葉が着葉している場合が多い・・・カシワも原則的には環境さえしっかりしていれば冬前に落葉する。
2 ブナも樹冠の陰に生きる個体(幼木)に 枯れた葉が着いている場合が見られる>
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答えになっているかどうか・・・自説にてお答えしました・・・ 以上