(手前右の前剱の下から劔岳頂上を見上げる)
このたびの北アルプス山行のメインでもあった劔岳は、30年前に新田次郎の『劔岳・点の記』を読んで以来の憧れの山だった。今日、ようやく、それを30年振りに再読した。実際舞台となっている立山や劔岳や奧大日岳に登った後だけに、感動がよりリアルであった。
明治40年、その険しさから「針の山」と恐れられ、立山信仰から「登ってはいけない山」と言われていた前人未踏の劔岳。周りの三等三角点の選点と測量などとともに劔岳への初登頂を果たし、中部山岳地帯の地図の白紙部分を埋めるという任務を全うした陸軍参謀本部陸地測量部測量手・柴崎芳太郎の史実に基づいた物語である。
当時発足した日本山岳会より先の登頂を命じられ、限られた予算で、限られた日数、厳しい天気や季節など自然との闘い、現地の集落の人々や立山信仰の壁、信頼できるガイドや助手、人夫の手配・・・実直で誠実、部下思いの柴崎、命をかけてサポートする宇治長次郎、この二人の信頼関係が物語の軸になっている。
今の早月尾根ルート、別山尾根ルート、そして、登頂に成功した長治郎谷のルートからのアタックは、その舞台をこの目で見てきているし、別山尾根ルートは自分も登っているだけにその苦労をリアルに実感できた。
登頂に成功したが、山頂で1000年以上も昔の奈良時代にすでに修験僧によって登られていた痕跡を見つける。これにより軍は少なからず落胆し、柴崎に対する評価も控え目なものになるのが残念である。
作品の最後に、作者の執筆経過と取材を含めた制作後記がかなりのページを割いて書かれているのだが、これがとても面白い。実際に取材のために別山尾根ルートから劔岳に登り、その周辺の取材旅行をしたのが私と同じ64歳だったのも親近感を覚える。
この偉業の100周年を記念して、今年、すでに撮影が行われ、来年に上映されるこの映画が楽しみである。その映画のオフィシャルサイトは下記である。
http://www.tsurugidake.jp/
このたびの北アルプス山行のメインでもあった劔岳は、30年前に新田次郎の『劔岳・点の記』を読んで以来の憧れの山だった。今日、ようやく、それを30年振りに再読した。実際舞台となっている立山や劔岳や奧大日岳に登った後だけに、感動がよりリアルであった。
明治40年、その険しさから「針の山」と恐れられ、立山信仰から「登ってはいけない山」と言われていた前人未踏の劔岳。周りの三等三角点の選点と測量などとともに劔岳への初登頂を果たし、中部山岳地帯の地図の白紙部分を埋めるという任務を全うした陸軍参謀本部陸地測量部測量手・柴崎芳太郎の史実に基づいた物語である。
当時発足した日本山岳会より先の登頂を命じられ、限られた予算で、限られた日数、厳しい天気や季節など自然との闘い、現地の集落の人々や立山信仰の壁、信頼できるガイドや助手、人夫の手配・・・実直で誠実、部下思いの柴崎、命をかけてサポートする宇治長次郎、この二人の信頼関係が物語の軸になっている。
今の早月尾根ルート、別山尾根ルート、そして、登頂に成功した長治郎谷のルートからのアタックは、その舞台をこの目で見てきているし、別山尾根ルートは自分も登っているだけにその苦労をリアルに実感できた。
登頂に成功したが、山頂で1000年以上も昔の奈良時代にすでに修験僧によって登られていた痕跡を見つける。これにより軍は少なからず落胆し、柴崎に対する評価も控え目なものになるのが残念である。
作品の最後に、作者の執筆経過と取材を含めた制作後記がかなりのページを割いて書かれているのだが、これがとても面白い。実際に取材のために別山尾根ルートから劔岳に登り、その周辺の取材旅行をしたのが私と同じ64歳だったのも親近感を覚える。
この偉業の100周年を記念して、今年、すでに撮影が行われ、来年に上映されるこの映画が楽しみである。その映画のオフィシャルサイトは下記である。
http://www.tsurugidake.jp/