つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

お客様よりのお便り

2020年12月23日 | お客様よりのお便り
先日小絲作品をお納め申し上げたお客様よりお便りをいただきました。

「作品、無事に到着しました。
 まずは、とても気遣いのある梱包に、お二人の美へのこだわりが垣間見れ感服致しました。

 さて、肝心の作品ですが、改めてじっくり見てみると、晩年の小絲の筆触によるものか絵が生きているように思われ、
 この作品を所有できる喜びと相まって高揚感が止まりません。本当に良い作品をお譲り頂き感謝しております。」

こちらのお客様は絵画収集にご興味をお持ちになられてまだ日が浅いとお聞きしています。
「それでもう小絲?晩年?」本当に驚いてしまいます。


当店のもう一つのブログ「店の小窓より」にも書かせていただきましたが、コレクター道というのは、なかなかに難しく、険しい道のりです。美術品を集めることに夢中になっていると、人生でもっと大切な何かを見過ごしてしまったり、失ったりすることが多くあります。



多くの皆様がご予算を1番に気にされますが、そして勿論画商にとっても商売はとても大切ですが、私どもはお客様の作品を見ていらっしゃるご様子、また短いご感想のお言葉の中にその場に生まれている「感動」を感じ、それを楽しませていただいています。外れてしまうこともありますが、「惚れ込み具合」を測ることが私たちの仕事だと思っているのです。当店が後世に残したい、大切にしたいと思っている作品が、お客様のお宅を出たり入ったり、また市場をウロウロしたりしないで、凛と美しくいてもらう最善の道は、お客様にしっかりその作品の真実をお感じいただき、作品を長く可愛がっていただくことなのですね。


長く作品をお集めになられる皆様より、案外入門編にいらっしゃる皆様の方が、頭でではなく、心で作品をお感じになっていらっしゃる場合が多いようにも思います。


当店へのお気遣いなど要りません。どうぞ、色々な画廊を来訪され、ネットでお調べになって本当に惚れ込める作品をお求めください。そして、その作品をできるだけ長くご所蔵、お可愛がりください。

画商である私達はそうしたお行儀の良いお客様、お心あるお客様の為に


水鳥を水の上とや よそに見む 我も浮たる世を過ごしつつ  紫式部日記



水面下では足をバタバタさせながら、それでもスーーッと水面を泳ぐ水鳥を目指して日々努力して参ります。











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