つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

群像

2024年07月06日 | 森芳雄展
今回ご紹介させていただきます裸婦像は全展示30点のうちの9点を占めます。

そのうちほとんどが群像。


大きさも6号~8号、一番大きくて「浜辺」の12号になりますが、この大きさに人物を3~4人描き切る技量は森ならではであり、この作品たちを他の作品と差別化し、評価するところにコレクションとしての醍醐味があるように感じられます。

人は常に自分以外の人の存在に囲まれ生活し、その関係性の中にしか生きていけないように思います。

そして、人と人が関わるときに生まれる「立場」の理解を一つ間違えれば、人は平気で自分にも嘘をつき、戦争さえおこします。

明治から昭和を生きた日本の画家たちはそうした人間の虚しさ、それと同時に人が人に求めてやまない情というものを深くとらえていたように思います。





一番「愛くるしい作品」といったらこの作品かもしれません。

6F「化粧」1968年 画集掲載 

キャンバス裏にサインとタイトルがあります。
額に裏板がありません。ご希望によってお取り付けいたします。







「女」8F 1960年代前半
キャンバスうらにタイトルとサイン。
森独特の「乾いた画面」
褐色の肌色の裸婦像は決して描きすぎて重くなったりすることがなく、かといって絶対に軽くなったりしない。都会的な印象と圧倒的な存在感という一見相反するものがきちんと共存できているのがこうした作品だろうと思います。
この作品は今回の展覧会のご案内や広告にも使わせていただいています。










「赤い壁と女」6F 1960年代 東美鑑
こういった作品こそ、言葉は要らないと思えます。







「小鳥と女」 8F  1950年代 東美鑑

裸婦の群像は多くを当店の通路に飾ってしまっています。
もったいないなぁと思いつつ、ギャラリーが裸婦ばっかりになってしまうのにも少し抵抗があります。
向かって左の人物の肩に小鳥が乗っています。
いかにも私好みの作品です。





「三人」 6F 1960年代 東美鑑

素描のような軽妙さと人物の肌の透明感に驚かされる作品です。
光の当て方によって見え方が最も変化する作品のように感じます。


価格↓
「赤い壁と女」「小鳥と女」 ☆彡
「女」 「三人」 ☆彡
「化粧」 ☆

「東美鑑」の表記の無い作品について、鑑定書発行をご希望の場合はお問い合わせの際にお申し出くださいますと助かります。

☆  ~50万円
☆彡 ~100万円
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