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トランプ大統領と会談を終えたエルドアン大統領が語った

2017年05月17日 | 国際
5月18日 「アメリカはシリアの今後の状況に関して、トルコの扉を叩くだろう」と、エルドアン大統領は5月16日、トランプ大統領との会談後、言いました。「トルコがシリアの計画から除外されることはあり得ない」

Hurriyet

会談後の昼食。左から4人目がエルドアン大統領、右から3人目がトランプ大統領


「トルコが政策決定者から除外されることはあり得ない」と、エルドアン大統領はワシントンのトルコ大使館で記者団に語りました。「われわれは相互関係をさらに進め、経済関係を強化することを決議した」と、エルドアン大統領は、約3時間のトランプ大統領との会談と昼食後、言いました。「私はやがてアメリカが、シリア問題に関して、わが国の扉を叩くだろうと信じている」

連合軍はすでに、イスラム国(IS)が勝手に首都にしているラッカを包囲していると、大統領は言いました。トルコはラッカの作戦に参加することにはやぶさかではないと、くり返し明言していますが、テロリスト集団であるYPG(人民の防衛隊)の関与には強く反対しています。

この問題は5月24,25日にブリュッセルで行われるNATOサミットで議題になるでしょう。トルコは、NATOの同盟国であるアメリカとロシアに、PKK(クルド労働者党)とリンクしているYPG(人民の防衛隊)との接触を断つよう要請してきました。しかし、両大国は、シリアでYPGとの共闘をつづけると宣言しました。

「アメリカはすでにラッカに関して決めている。われわれは彼らに言う。“わが国は現状において、そのような姿勢には断じて同調しない。わが国は決して貴国と共闘しない。ラッカのために、テログループに協力するのは不健全だと思う”」とエルドアン大統領は言いました。

「トルコはPYD(シリア・クルド民主連合)や、その武装部門であるYPGから攻撃を受けたら応戦する」と、エルドアン大統領はオープンにアメリカに告げ、トルコはすでに「ユーフラテスの盾」作戦で、シリアのアルライ、ジャラブルス、アルバブで、YPGを攻撃していると言いました。

エルドアン大統領はまた、「ISを一掃したら、だれがラッカを引き継ぐのか」と質問しました。YPGは、ISから奪ったシリアの小さな町マンビジを支配しつづけています。「トルコとしては、わが国の責任の範囲内で、テロとの戦いで必要なことをする。わが国はテロ・グループがわが国境の内外に住みつくことを許さない」とエルドアン大統領は言いました。

Sabah

フェトフラー・ギュレンの送還も、会談で話し合われました。在米説教師フェトフラー・ギュレンは、2015年7月15日の未遂クーデターの首謀者として、トルコ政府に告発されています。「この問題についてのトランプ大統領のアプローチは、オバマ前大統領と異なる。この件では、いまいくつかの疑問が彼の頭の中で起こっている」とエルドアン大統領は言いました。

この問題について、エルドアン大統領によれば、いまトルコで収監されているアメリカ人のアンドリュー・ブランソン牧師の問題とともに、両国の関係省庁がコンタクトするだろうということです。「われわれはアメリカ側に、牧師はFETOとリンクしていたために逮捕したと告げた」と大統領は言いました。

「FETOのための調査委員会を設立するよう、アメリカに要請した」と、エルドアン大統領は言いました。初の会談でのトランプ大統領の印象を訪ねられたエルドアン大統領は「彼はビジネス畑の出だから、“実務的な”人物に見えた。私は彼を決断力のある人物と見た。私の見た限りでは、彼は思ったことをためらわず言う直行型の人間だ」と答えました。


ワシントンのトルコ大使邸前で喧嘩。9人負傷、2人拘束

 16日、駐ワシントン・トルコ大使の自邸前で喧嘩が起こり、9人が負傷し、2人が拘束されました。

 Hurriyet

ワシントンDCの「火災&EMS(救急医療隊)」のダグ・ブチャナン報道官が、負傷者の中の2人は重傷で、救急車で病院に運ばれたと言いました。「16日午後4時半頃、緊急要員が大使の自宅に呼ばれました」

市警のダスティン・スタンベック報道官は、2つのグループ間で口論が起こり、2人が拘束され、うち1人は、警官に暴力を振るったとして告発されたと言いました。「ヴォイス・オブ・アメリカ」によると、喧嘩はセルダル・クルチ大使邸前で、親クルドのプロテスターとエルドアン大統領支持者たちの間で起こったということです。

「ヴォイス・オブ・アメリカ」が撮ったビデオには、エルドアン大統領のボディガードと確認されたスーツの男たちが乱闘に加わっているのが映っていました。喧嘩はエルドアン大統領とトランプ大統領がホワイトハウスで会談した日に起こりました。アメリカ国務省はコメントを拒否しています。


エルドアン大統領はトルコから運んだ装甲車でホワイトハウスへ行った

エルドアン大統領は、5月16日、ホワイトハウスでアメリカのトランプ大統領との初の会談に当たって、トルコから運んだ大統領専用の装甲車を使いました。

 Hurriyet

メルセデスの装甲車は、軍用貨物機でアメリカに空輸されました。エルドアン大統領がアメリカで自身の装甲車を使ったのは、これが2度目です。昨年、国連サミットでニューヨークを訪れたときも、トルコから運んだ公用装甲車が使われました。

オバマ大統領との会談のためにホワイトハウスを訪れたときは、エルドアン大統領は、アメリカに提供されたキャデラックの装甲車を使いました。エルドアン大統領は、2016年2月、チリ、ペルー、エクアドルを訪れた南米の旅から、専用の車の輸送を始めました。


地元民殺害事件後、300人のアフガン人とシリア人が町を追われた

イスタンブルのスルタンガジ地区で地元民と移民のケンカが起こり、地元男性1人が刺殺されるという事件が起こりました(15日の頁参照)。殺害事件後、移民と地元民の緊張が高まり、16日、300人余のアフガン人とシリア人が町を撤退させられました。

 Hurriyet

ラマザン・シャヒンさん(24)はスルタンガジ地区のイスメトパシャで、移民と地元民の喧嘩に巻き込まれて殺害されました。地元民がこれに抗議するため集まりましたが、機動隊に水砲と催涙ガスで散会させられました。しかし、その後も抗議の声はひろがり、治安部隊が警戒に当たっていました。

機動隊が街中に立ち、暴動鎮圧用車両が事件に備えてパトロールしています。これらの対策に加えて、警察は少なくとも300人のシリア人とアフガン人を町から撤退させました。彼らはトルコ各地の移民キャンプに送られることになります。5月14日の喧嘩は、アフガン人とシリア人のグループが女性たちをからかったことから始まりました。

殺されたシャヒンさんのおじ、シャヒン・アルスランさんは、事件直後、「イスメトパシャに移民たちを住まわせたくない」と言いました。「この種の事件は絶えず起こっていますが、だれも彼らを止めようとしません」


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