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トルコのドネルケバブが世界的食物になった理由

2017年02月06日 | 文化
2月7日 トルコのドネルケバブは、ヨーロッパの移民社会の安価なファーストフードから、世界を制覇する食物になったと、フランスの食物地理学者ピエル・ラファールさんが言いました。

 Hurriyet

ラファールさんは1月26日、イスタンブルで、ドネルケバブが世界的規模に成長したことについてスピーチしました。彼はドネルがどのようにして、世界的に有名なシェフがメニューに取り入れるまでになったかを語りました。ラファールさんはパリ生まれ、料理と地理の研究を専門とし、ガジアンテプの料理に関する論文もあり、現在はイズミルの経済大学で、美食学を教えています。

「私はパリっ子です。1990年代、私の母は子供たちをドネル屋に連れて行くことはありませんでした。ドネル屋では、ネズミや馬の肉が使われていると信じられていました。ドネル屋へ行くのは、移民の労働者だけでした。ドネルは安く、ハラル食品で、これだけでおなかがいっぱいになる。ドネルは移民の食物でした」

「そのうち、地元の貧しい人がドネルに目をつけました。ヨーロッパ人の労働者や学生たちです。やがて、学生の家族もドネルを食べはじめ、ドネルはトレンドになってきました。いまではミシュランのシェフ、ティエリ・マルクス氏も、自分のレストランでドネルを出しています。街角の食物だったドネルを、有名シェフがレベルアップしたのです」

「ドネルはシンプルで、専門のシェフを必要としないことが、世界的な料理になった理由のひとつです。トルコからヨーロッパに来た移民の中には、シェフはいませんでした。移民はほとんど労働者で、工場や建設現場で働いていました」

「1973年、OPECの石油危機が起こると、工場閉鎖が始まり、労働者は失業しました。彼らの多くが、稼いだ金を資金にしてドネル屋を開きました。ドネル屋開業には、シェフの腕も、巨額の資金も要りません。ドネルは料理のプロセスが客から見えることでも、ヨーロッパ人の興味をそそり、人気になりました」

トルコのドネルケバブとギリシャのギロのライバル関係について、ラファールさんは、「ドネルはそもそもオスマンの食物であり、オスマン帝国崩壊後、アナトリアからギリシャに移動したギリシャ人が、ギリシャに伝えたのです」と言っています。ギリシャ人がギリシャで最初にギロの店を開いたのは、1930年代だそうです。

ドネルとギロの問題について、ラファールさんは、文化的国境は政治的国境より線を引きにくいと言いました。


トルコ沖合で、ギリシャへ向かう移民45人が救助された

 5日朝、エーゲ海のトルコ沖合で、ギリシャのレスボス島へ向かっていた移民45人が救助されましたが、1人が死亡しました。

 Hurriyet

2月5日、トルコのチャナッカレ県アイワジュク地区から、移民46人が乗ったゴムボートがレスボス島へ向かって出発しましたが、ボートはエンジンが壊れ、トルコ海岸から2海里の沖合で沈没したと、アナドル通信が報じました。移民45人はトルコの沿岸警備隊に救助されましたが、事件後、行方不明になっていたエチオピアの女が海岸に打ち上げられました。

2月4日、トルコ内務省は、先週、422人の移民がギリシャの島へ向かう途中、トルコ警察に捕まったと発表しましたが、この事件はその翌日のことでした。内務省の発表では、この対移民作戦は、1月27日から2月3日まで行われたということです。

トルコ沿岸警備隊は、トルコのボドゥルム半島からギリシャのコス島の間のエーゲ海で、56人の移民を発見しました。また、イズミル県西のリゾート地チェシュメでは、沿岸警備隊が、ギリシャのキオス島へ向かっている85人の移民を見つけました。また、別件で、281人の移民がマルマラ海と地中海で見つかったと、内務省は言っています。

治安部隊は作戦中、少なくとも6人の移民密輸業者を拘束したと発表しました。何千人もの人々が、ギリシャに渡り、その後、北西ヨーロッパへ向かうために、短いが危険な船旅に挑戦します。2016年3月に、トルコとEUの協定が移民の流れを止めるまえに、100万以上の難民と移民が、トルコからギリシャへ渡りました。トルコとEUの協定は、ギリシャからトルコへ不法移民を送還するのと交換に、シリア難民をEU圏に入れるというものです。

国際移民組織によると、2016年には、地中海を渡ろうとした移民と難民4715人が命を落とし、429人の移民が、トルコとギリシャの間の東地中海ルートで死んだということです。北アフリカからイタリアへのルートでは、4223人が死亡し、西アフリカからスペインへの西地中海ルートでは63人が消えたと、国際移民組織は言っています。

・・・いまもエーゲ海を渡ってEU圏に不法にもぐりこもうという移民・難民は、まだまだいるんですね。


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