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イスタンブルのベシクタシュで爆発テロ。死者38人、負傷者155人

2016年12月10日 | 国内
12月11日 10日、イスタンブルの中心ベシクタシュのヴォダフォン・アリーナ・スタジアム近くで、2度の爆発が起こり、38人が死亡し、155人が負傷しました。

 Hurriyet

シュレイマン・ソイル内相が、市民7人と警官30人が死亡し、身元不明の死者が1名と発表しました。このテロ攻撃関連で、容疑者13人が拘束されました。レジェプ・アクダー保健相によると、155人の負傷者のうち14人は集中治療中だということです。

トルコ軍(TSK)は犠牲者の親族に哀悼の意を表明し、“最後の1人を殺すまで”テロリストとの戦いはつづけると、誓いました。トルコのサッカー・チームは、予定されている試合は行うと、ドーアンニュースが報じました。2度の爆発でなくなった市民と警官のために、ベシクタシュとブルサスポルの試合の間の1日を喪に服すということです。

12月10日と11日のプロ・リーグとアマ・リーグの試合の前に、1分間の黙祷が捧げられ、半旗が掲げられました。

「最初の爆発は、爆発物を積んだ車が警察機動隊にまっすぐ突っ込んで起こった」と、ヌマン・クルトゥルムシュ副首相が、11日朝の記者会見で言いました。2度目の爆発は最初の爆発の45秒後に起こりました。最初の爆発はスタジアムの向かいのマチカ公園で起こり、自爆者の犯行でした。2度目の爆発でなくなった市民の1人は商店の従業員で、他は国会議員1人と警官1人だそうです。

爆発は午後10時20分に起こり、近くのグランドで行われていたベシクタシュとブルサスポルの試合は終わりました。爆発音はボスフォラスの両側で聞こえました。テロ攻撃後、ブルサスポルは公式ツイッターで、サポーターにけが人はいなかったと言いました。ベシクタシュもウエブサイトに声明を出して、テロを非難し、トルコ・サッカー協会(TFF),フェネルバフチェ、ガラタサライ、トラブゾンスポルの各チームも、同様に声明を出しました。

爆発後、多くの救急車が現場に集まり、目撃者は爆発の後、銃撃の音を聞いたと言っています。タクシム地域の病院は満杯になり、多くの負傷者がシシリ・エトファル病院その他の医療センターに運ばれました。治安部隊は11日、容疑者の車を安全に爆発させました。

首相はすぐにソイル内相とヴァシプ・シャヒン・イスタンブル知事から、テロの事情を聴きました。エルドアン大統領はボスフォラス沿いのタラビヤ宮殿にいましたが、すぐに当局者から事情説明を受けたと、情報源は言っています。6人の検事がこのテロ事件の調査を任じられました。


AKPとMHPは憲法改変に全面同意

 大統領制の改変を導入する憲法修正案が、12月10日、国会に提出されるだろうと、ビナリ・ユルドゥルム首相が言い、“民主主義の強化のために”改変賛成に投票するよう呼びかけました。

 Hurriyet

「この提議によって、民主主義を強化するために、強い議会と強い政府が導入され、トルコとトルコ国民は新しい時代を実感することになるだろう・・・われわれは明日、草案を提出する」と、ユルドゥルム首相が、12月9日、北西部ゾングルダクの集会の演説で言いました。首相の声明の前に、公正発展党(AKP)と愛国者運動党(MHP)の幹部たちが、草案の青写真を語りました。

AKPとMHPの代表アブドゥラヒム・ギュル氏とメフメト・パルサク氏が、12月10日、草案が議会に提出される前に、共同声明を出すと思われます。AKPは、草案を滞りなく議会に提出するために、すでに12月8日までに、315人の議員の署名を集めています。

エルドアン大統領は、12月9日、記者団に、およそ20か条の修正は、国民投票で承認されなければならないだろうと言いました。

計画されている憲法の修正案には、閣僚の長としての大統領の権限の拡大が盛り込まれています。大統領は2人の副大統領を持ち、閣僚を任命します。新制度では首相の地位は廃止されます。2017年春、国民投票が予定されています。ヌレッティン・ジャニクリ副首相は、12月9日、民放で、来年5月に国民投票を行う計画だと言いました。


CHP党首がAKPとMHPの憲法改変の合意を非難

権力が1人の人間に集中している国家は公正ではないと、最大野党・共和人民党(CHP)のケマル・クルチュダルオール党首は言い、大統領制を押しつけようとする現政権・公正発展党(AKP)と野党・愛国者運動党(MHP)の合意を批判しました。

 Hurriyet

「全権力を1人の人間に与えることが正しいだろうか? “私が国家だ”はヒトラーのモットーだった。バフチェリ氏(MHP党首)はこんなモットーを支持するのか?」と、クルチュダルオール党首は、12月9日、NTVテレビのインタビューで言いました。

「トルコの未来について、私が持っている懸念を、バフチェリ氏も持って欲しい。ある意味で、トルコはほとんど、文明世界から孤立した北朝鮮になってしまった」と、クルチュダルオール党首。「彼らは1人の人間のエゴに、トルコを従わせたいと思っている」

AKPとMHPが憲法修正に関する討議を終え、10日に草案が議会に提出されると発表した後、クルチュダルオール党首のこのコメントがありました。「大統領は政治的に、一方の側に立つだろう。そんなことがあっていいわけがない。国民をばかにしてはいけない」と、CHP党首は言いました。

「憲法の修正は社会的コンセンサスが確認された状況下で行われなければならない。非常事態がまだ解除されていないいま、憲法修正が行われてはならない」


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