あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

野中部隊

2019年06月25日 13時21分43秒 | 野中部隊

野中大尉は玄関前で
予備隊の隊長と称する警官を相手に交渉を進めていた。
占領をおわった私たちが側で見守る前でかなり緊張したやりとりがあった。
「 我々は国家の発展を妨害する逆賊を退治するために蹶起した。
貴方達にも協力して頂きたい 」
「 そのような事件が起ったのなら我々も出動しなければならない 」
「 警視庁はジッとしていればよい。
私のいうことを聞かず出動すれば立ちどころに射撃するがそれでよいか 」
交渉はゴタゴタして相手は野中大尉の意見に従う様子が見えない。
すると側に居た
常盤少尉がサッと抜刀して、
「 グズグズいうな、それならお前から斬る ! 」
と 迫ったので、

この見幕に警視庁側の隊長はドギモを抜かれ遂に
「 解りました 」
と 降伏の意志を告げた。

野中部隊
目次
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・ 
「 グズグズいうな、それならお前から斬る ! 」 
・ 新撰組を急襲 「 起きろ! 」 
・ 歩哨 「 守則ですから通しません 」 
・ 華族会館襲撃 
・ 
加庭勝治上等兵 「 赤坂見附の演説 」 

・ 
野中部隊の最期 「 中隊長殿に敬礼、頭ーッ右ーッ 」 
・ 
常盤稔少尉、兵との別れ 「 自分たちは教官殿と一心同体であります 」 

・ 「 原隊に帰れば罪は許されるのだ」 
・ 「 あの立派な中隊長殿の命令に背くことはできません 」 
・ 
帰順 ・ 沿道の群集 「万歳! 蹶起部隊万歳!」 

突然、上等兵が悲壮な声で、
「 中隊長殿は、自分らが正しいので まわりに包囲している部隊が反乱軍だから、
これに対抗して現在地を死守せよといわれました。
だから中隊長殿の命令に従って行動します 」

と キッパリ といいきった。
すると同時に もう一人の一等兵も、
「 はい、自分は中隊長殿や小隊長殿と一緒に死んでゆきます。
あの立派な中隊長殿の命令に背くことはできません 」
といって、ワッとばかりに泣き出した
上等兵も泣いた。
・・・あの立派な中隊長殿の命令に背くことはできません


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