嶋津隆文オフィシャルブログ

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「評伝山本雄二郎」の入稿を終えホッとしました

2012年11月27日 | Weblog

写真:「新刊本の表紙イメージ」

まるまる一年を掛けた「成田の空と渥美の空と―評伝山本雄二郎」(仮題)を今日入稿しました。率直に言ってホッとしています。来年2月刊行。出版元は産経新聞社です。

山本先輩が平成22年の元日に亡くなられて3年がたちます。「山本雄二郎先生追悼集」を作成したのが平成23年10月。執筆者は故郷渥美の同級生や成田の元反対派、国交省や成田空港会社の関係者ら40数名です。

この関係者の追悼文を読みながら私は決意したのです。こじれきった成田問題を和解させたという稀有な功績。その足跡は墓の中だけに仕舞い込んではいけないと。これがこの評伝執筆に取り掛かった所以です。

おりしも一昨年3月11日には東日本大震災が発生しました。そこで生じた膨大な瓦礫の処理など新しい国家的課題が俎上に登ってきました。処理場を焦る行政とその強行に反発する住民の間で、相互に不信感が醸成されています。

こうした事態のなかで、住民に対し持つべき行政の姿勢とはいかなるものか。もっといえば膠着状態に陥っている米軍基地問題や、全国各地での道路やダム建設の問題等での住民合意に向けた行政のあり方とはどうあるべきか。

山本先輩の成田での心血を注いだ取り組みは、こうしたことに明らかに道筋の一つを示すに違いありません。調整と云うものの手法と、社会に尽くすことをよしとした人物の心意気を少しでも伝えられればと願っています。


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衆院選での世襲排除のスローガンは大いに疑問

2012年11月23日 | Weblog

写真:「親亀の背中には子亀が」

何でこんなことを唐突に言い出したのでしょう。いや民主党が突然に言い始めた世襲排除のスローガンです。もちろん衆院選向けのパーフォーマンでしょうが。

確かに自民党には2世3世議員が数多く居ます。安倍晋三、麻生太郎、小泉進次郎、石原伸晃、石破茂・・・。所属議員のうちの半数近くが何らかの血縁をもつと言われます。その点で確かに不平等感が出るのも否めません。

しかしこの点では民主党も負けてはいません。田中真紀子・直毅夫妻、横路孝弘、赤松広隆、岡田克也(義兄が村上誠一郎)、昨日自滅したとはいえ鳩山由紀夫・・・。民主党は天に唾すると云うものです。

血のことをあげつらい、その出自で政治家の資質を云々するのは、橋下市長の同和問題と同質と言わねばなりません。選出すべき基準はその人の政治信条であり、業績であるべきものです。

それにしても選挙における不平等ということで言えば、問題は世襲だけではありません。日教組などの労組ぐるみの応援を得る輿石東や、NHKの小宮山洋子などマスコミでの露出度の高さを奇貨とした議員も、同罪というべきでしょう。

「言葉がフーセンのように軽い」新聞に嘲笑された鳩山由紀夫。その人物をしっかり放逐した民主党です。鳩山と同様の思い付き発言は自重してほしいものです。


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野田佳彦を民主党に置いておくのは惜しい

2012年11月17日 | Weblog

写真:ある日の首相官邸

衆院が今日、解散しました。一昨日の電撃的な野田佳彦首相の解散宣言。多くの人が度肝を抜かれました。しかしこの選挙でもって民主、自民を越え、大きな政界再編が実現してくれればよいと切に願うものです。

それにしても野田佳彦と云う人物には興味を持ちます。消費税増税、TTP参加、そして今回の解散。民主党内や世間の反対意見にぶれることなく、その思うところを貫いています。しかも寡黙に。

久方ぶりに出た優れた政治家と評価します。そして思うのです。何でこれほどの人物が、あの軽薄な民主党に属しているのかと。

少女マンガのようなキラキラした民主マニフェスト。財源の裏付けもなく、ひたすら民衆におもねる政策を並べました。そして大混乱の政治運営。昨日今日その反省を口にする民主幹部もいますが、マニフェストにない消費税増税を行ったと言って離党する輩が後を絶ちません。救い難い体質です。

野合というものの限界を、これほどまでに印象付けた民主党政権。ところがその一方で、あの石原慎太郎代表が第三極の団結を掲げ、突然に河村たかしのような10%減税ポピュリズミストと合流しました。民主党と同じ野合連合であり、思わず殿ご乱心かと口にしてしまったというものです。


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手順無視は社会の混乱と政治の失望しか招かない

2012年11月08日 | Weblog

写真:「解散が待たれる国会」

田中真紀子騒動が起きました。突然の3大学新設不可表明と二転三転した上での撤回。お粗末極まりない話です。一年以上に渡った審議会論議を無視し、受験生の不安感や文科省下での各大学の脆弱な立場を無視した文相の言動は、明らかに常軌を逸しています。

店先で美味しいそうなお菓子が目に入れば、おカネも払わずさっと口に入れてハハハと哄笑する。そんな我儘で身勝手な行動が、我が国の教育行政の最高責任者によってなされていることに慄然とします。

それにしても民主政権の手順軽視の体質はほとんど絶望的な気持ちにさせられるというものです。突然の前原国交省による八ッ場ダムの建設中止、突然の鳩山首相の辺野古での「最低でも県外」発言、また突然のCO2の25%の削減演説。

この2年、私は成田闘争の足跡を追い、その検証の作業を進めています。農民を無視して突然に空港を決定した「ボタンのかけ違い」が幾人もの死者を出す流血の惨事を招きました。その悲劇はホンの昨日のことなのです。しかし昨今の政府の行動は、こうした歴史から何も学んでないと嘆くばかりです。

「人間は進歩しない」とかつて『侏儒の言葉』で芥川龍之介が記しました。同様の淋しさを感じる晩秋の朝というものです。


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秋は多くの人を連れて行ってしまうようです

2012年11月03日 | Weblog

写真:梅窓院の黒川紀章の墓(本人撮影)

もっとも大切な友人が逝きました。城市創(じょういちはじめ)。取材先の鳥取のホテルで亡くなり、死因はクモ膜下出血であったということです。享年わずか60歳。

編集プロダクション「Jクリエイト」の社長として活躍し、日本観光協会の季刊誌「観光」や中国電力の広報誌「蒼い風」などの編集で、高い評価を得ていました。何よりもその行動力と爽やかな人柄で誰からも好かれていた人物です。

葬儀は、彼がこよなく愛したふるさとの島根県益田で行われました。しかしちょうど一週間前に亡くなった尊父と同じ葬儀場での告別式であっただけに、集まった人たちには云いようのない重苦しさがあったというものです。

そんな光景に押されてか、帰京した翌日に南青山の梅窓院に足を運びました。やはり同じく60歳で逝った友人山之内三紀子弁護士への焼香を思い立ったのです。ところがそこでふと隣に目をやると、何と建築家黒川紀章の墓がある事に驚かされました。

この高名な建築家には奇縁があります。ある講演会で顔を合わせたおり、「嶋津さん、あなたが若尾文子のファンであると言うなら、いちど家内も含め一緒に食事をしませんか」と誘われたのです。小躍りして喜んだのは当然です。しかしその後、彼は選挙に立ち、落ち着く間もなく逝ってしまいました。平成19年10月12日。73歳。

そして昨日の11月2日は私の父の命日です。
秋は多くの人を連れて行ってしまうようです。愁風愁雨人を愁殺す。そんな一節が口に上る、天長節の朝と云うものです。


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