【FJKセミナー】
先週末は久しぶりに神田神保町での「フォーラム自治研究」(FJK)の講演会に足を運びました。私が理事長を務めるNPO法人FJKの月例報告会イベントです。
今回の講師は朱建栄東洋学園大学教授。昨年の夏、中国の上海で公安当局に逮捕され、半年間もの間拘束を受けていた政治学者で、私の30年来の友人でもあります。テーマは「習近平時代の中国政治と日中関係」。基調は以下の通りです。
習近平は党と軍のトップに大胆なメスを入れた、鉄道や水利等での利益集団のトップを交代させた、そして江沢民等を凌駕し短期間に「ストロングマン」になった。中国政治は習近平「革命」の始まりと言ってよいと。
なかでも耳を大きくして聞いたのは尖閣を巡る朱教授の指摘です。彼は「尖閣への中国軍の出動の可能性はゼロである」と断言します。その理由として以下の4点を挙げていました。十分に説得力あると感じ入ったものです。
(1)中国の「敵」は米国であり日本ではない。日本が意識されるのは米国と同盟を結んでいるからに過ぎない。
(2)尖閣に侵攻して、もし国際的に経済制裁を受けるとしたら中国経済が大打撃を受ける。ちなみに中国の石油備蓄は2週間分ほどでしかない。
(3)尖閣は台湾にきわめて近い。尖閣に進攻すれば台湾との関係が一挙に緊張することになる。現在の中国にとって危険である。
(4)尖閣そのものには資源的メリットはない。また上陸したとしても軍事的にとても守り切れる地勢ではない。