昨日、地元で音楽文化普及に活躍する田原楽友協会の訪問を受けました。クラシックなどが幅広く浸透しているとは言い難いこの地にあって、資金や人集めに奔走する協会の方々の労苦が痛いほど伝わってくるというものでした。
しかし不謹慎ながら、そんなやりとりの場であるにも関わず、ある音楽祭の風景を思い出してしまいました。
タングルウッド音楽祭。
タングルウッドは ボストンの郊外にあり、ニューヨークからも車で4時間くらいのリゾート風の田舎町ですが、何と言ってもボストンフィルが主軸となる夏の音楽祭で有名です。
ニューヨークに駐在した20年ほど前の夏、家族とともに車でこの地に出掛けました。あいにく指揮は小澤征爾でなかったのですが、ボストンフィルによるチャイコフスキーのバイオリン協奏曲が五島みどりのバイオリンで演奏されたのです。
いや感動しました。しかも凄かったのは、その演奏をのんびり芝生で寝っころがって聞くことができたことです。何と子供たちと一緒にコーラやポテトチップを口に運びながら。窮屈な日本の音楽会場との違いを痛感した、忘れえぬ懐かしいアメリカ生活の思い出の一コマです。