写真:わが家の庭先に咲く百合
国立市政に、いま流動化が起き始めています。現市長を支える与党会派で、共産党の“革新系”共同戦線からの離脱行為が顕在化し始めているのです。
いうまでもなく国立市では、与党の共産党、ネット、社民らが現関口博市長を当選させ、この2年間、共同してサポートしてきました。しかし、ここにきて共産党は、反関口的な言動を取り始めたのです。先般は保育園の民営化方針を突然打ち出した市長を糾弾し、その案を撤回させました。そして今回の6月議会では、何と補正予算にさえ反対したのです。
補正予算否決の一番の理由は、「国立駅周辺のまちづくりを進める」と表明した市長に反発したことです。とくに共産党にとって、JRのガード下の道路(3-4-10号線)を拡幅することなどの、駅周辺の整備の市長の「開発姿勢」は変節であり、許せないとしたのです。
私からみれば、この離脱劇は噴飯ものです。そもそも国立市の“革新市政”ではまちづくりは常にポーズでしかありませんでした。その姿勢に安心して(?)、乗っかっておればよいものを、「開発姿勢」のポーズさえも許せないと、関口にノーを突きつけたのです。
皆さん、思い出してみて下さい。上原公子前市長は、平成12年に駅周辺プラン作成に194万円、平成15年にその資料検討に157万円、平成16年にまちづくり提案書作成に257万円、平成17年に庁内検討に262万円も掛けました。いずれも報告書だけ出させ、肝心の着手にかかることなく任期中の8年間、駅周辺のまちづくりは放置されました。
関口市長になっても同様であり、平成19年に850万円でまちづくり基本計画を作成させた上で、21年度にまたまた1600万円かけ、検討させようというのです。積んでは崩し、積んでは崩す、賽の河原のストーリーです。6回に及ぶプラン作りのままごと遊びで、駅周辺のことを考えているようにみせかけて、まちづくりを手抜く、姑息な政治手法という外ありません。
駅周辺まちづくりは国立の未来のためにも、着実に進めなくてはならないものです。しかし関係人の調整が大変な大事業です。それだけに市長が、ポーズづくりに終始するのは分からないでもありません。しかしそんな市長に、共産党がマジに対応するのは、いかなる理由によるものでしょうか。それは、無力で姑息な市長の実態を見抜けず、本当にまちづくりに着手するのではないかと過剰反応する、代々木(本部)の意向ではないか。そう勘ぐってしまうのです。
しかしそれと関連して指摘すべきは、“保守系”会派の混迷ぶりです。これまで“革新”市長のまちづくり放置主義に幾度も煮え湯を飲まされながら、時としてまちづくり推進のポーズを容認してしまう、“保守系”会派の楽天主義は不思議という外ありません。それは政治的無防備そのものです。“革新市政”を変えなくては国立は変わらない。常にこの戦略的視点をもたなければ、“保守系”会派は混迷の度を深めるばかりではないでしょうか。