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写真:「ネパール最古の寺院スワヤナートにて」本人撮影
神々の住む美しいヒマラヤの一方で、地上の街カトマンズは人間の汚濁の中にありました。川という川には汚物が散乱し異臭が漂い、また道という道には車とオートバイが溢れ、大気の汚れに誰もがマスクを付着せざるを得ない状態でした。
「明らかにインフラが足りないのです」。そう地元の通訳ガイドが嘆いていました。「道路も水道も下水も何もかもこれからです。そのためには外国資本が必要であり、政権が安定し、憲法制定が行われなくてはなりません。いまネパールは「明治維新」の心構えで国づくりを進めています」。
ネパールは20年前に立憲君主制となり、2008年にはその王政さえ廃止され民主共和制へ移行しました。しかしマオイスト(毛沢東主義者)と議会派の内紛状態は解消されず、他方で中国、インドという周辺大国の進出に脅かされています。
そういう状況は確かに明治維新に似ていましょう。それだけに欧米列強の脅威を跳ね返し、徳川幕府から立憲君主制への移行に取り組み近代化に成功した日本の存在は、ネパールの人々にとって大いに継承すべき歴史であるのです。
しかしわが国の国力の衰退を間近にみる昨今、ネパール人の日本評価には、いくばくかの気恥ずかしさを感じないではおれません。
桜の咲く頃、色々現地のお話をお聞かせいただければと思います。