写真:「解散が待たれる国会」
田中真紀子騒動が起きました。突然の3大学新設不可表明と二転三転した上での撤回。お粗末極まりない話です。一年以上に渡った審議会論議を無視し、受験生の不安感や文科省下での各大学の脆弱な立場を無視した文相の言動は、明らかに常軌を逸しています。
店先で美味しいそうなお菓子が目に入れば、おカネも払わずさっと口に入れてハハハと哄笑する。そんな我儘で身勝手な行動が、我が国の教育行政の最高責任者によってなされていることに慄然とします。
それにしても民主政権の手順軽視の体質はほとんど絶望的な気持ちにさせられるというものです。突然の前原国交省による八ッ場ダムの建設中止、突然の鳩山首相の辺野古での「最低でも県外」発言、また突然のCO2の25%の削減演説。
この2年、私は成田闘争の足跡を追い、その検証の作業を進めています。農民を無視して突然に空港を決定した「ボタンのかけ違い」が幾人もの死者を出す流血の惨事を招きました。その悲劇はホンの昨日のことなのです。しかし昨今の政府の行動は、こうした歴史から何も学んでないと嘆くばかりです。
「人間は進歩しない」とかつて『侏儒の言葉』で芥川龍之介が記しました。同様の淋しさを感じる晩秋の朝というものです。