嶋津隆文オフィシャルブログ

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真っ赤な彼岸花に思う浅川マキと中村汀女、山頭火

2014年09月29日 | Weblog

白い花なら百合の花

黄色い花なら菊の花

悲しい恋なら何の花

真赤な港の彼岸花

 懐かしい浅川マキの「港の彼岸花」です。なんでこんな歌詞を取り上げたのか。他でもありません。昨日今日、渥美半島にも界隈の道端に真っ赤な彼岸花が咲き始めたからです。

 彼岸花は地獄花。実に不思議な空間と心情を演出するものです。この歌をうたった浅川マキは4年近く前に名古屋で息を引き取りました。享年67歳。いまのわが身と同じです。

 「曼珠沙華 抱くほどとれど 母恋し」

 これは女流俳人の中村汀女の作です。彼岸の季節のたびに思い起こされる句です。この汀女が逝かれたのは20数年前の9月の彼岸の入りの日でした。私の母が逝ったのも10数年前のこの9月でした。

 それだけの偶然に過ぎないのですが、汀女の一句はこの季節の私には常に鮮烈に響くのです。多分それは、曼珠沙華がもつ戸惑う程に強烈な形相と色彩に、「恋しさ」の深さが滲むからではないでしょうか。

 強烈といえば彼岸花について、もうひとつ付け加えねばならないのは種田山頭火の句です。

 「なかなか死ねない彼岸花咲く」

 彼岸花が強烈なのか、山頭火が強烈なのか。ここまでくると分からなくなるというものです。


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海亀の子どもの放流に興じつつも寂しさひとしお

2014年09月24日 | Weblog

写真:名古屋水族館HPより

海ガメの産卵地と言えばNHKの朝ドラの舞台となった徳島の日和佐海岸や鹿児島の指宿海岸が有名です。しかしわが田原市の赤羽根海岸も極めて有名です。

 世界サーフィン大会の行われるこの赤羽根海岸はサーフィンのメッカでもあり、また昨今、我が国の太平洋岸全体で砂浜の減少が大きく進むなかで、赤羽根海岸は唯一砂が増えている地域なのです。それだけに将来に亘って安定したウミガメの産卵が期待される海岸でもあります。

 その赤羽根海岸で先週末の9月19日、名古屋港水族館が赤羽根海岸で捕獲し飼育した雄のアカウミ(97キロ)1匹と、生後40日の子ガメ(40~50グラム)30匹余が放流されました。

 ビッグイベントといってよく、地元の赤羽根小の100人近い子供たちがどっと参加しました。もちろん若いお母さんたちも一緒です。小さな子がめを入れ替わり手に載せて興じるなど、それはもうたいへん盛り上がりました。

 海ガメはまた産卵に同じ海岸に戻ってくるといわれます。よっこらよっこらと大海原に向かうそのいたいけない子ガメの姿を見送りつつ、果たしてこのうちの何匹が戻ってくるものか。生命と自然の切なさを思い切り感じないわけにはいかない一日でもありました。


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誤報というより捏造記事と繰り返す朝日新聞の心

2014年09月16日 | Weblog

9月8日撮影

写真は今週のはじめの9月8日の夕方に、わがマンション(右側)の上空に出た大きな虹です。どうです、実に心洗われる壮大な光景ではないですか。

 この天空の壮大さに比べ、何ともおぞましいニュースが立て続けに入ります。東電の「吉田所長証言」の取消し、慰安婦の「吉田清治証言」の取消し。言うまでもありません、朝日新聞の醜態です。

 ここまでして朝日はなぜ、日本と日本人を貶めようとするのか。そう怒り嘆く人たちは少なくありません。誤報(捏造)を繰り返す朝日の心とは何でしょう。

 反権力、反政府の論調を徹底的にとること。それがジャーナリズムの使命であり正義であると信じ切っているフシがあるようです。そしてこの反権力至上主義を基本とし、ジャーナリズムの知的権威であるべき朝日は蒙昧な民衆を領導する役割を担うという思い上がりが、社風として醸成されているのではないでしょうか。

 反権力的記事であればその内容が曖昧でも互いに許し合い、反政府的記事であればその論調が扇動的でも評価し合っていく社内風土が、この新聞社には強烈に構築されてしまっていると思われるのです。

 こう考えるとこの新聞社の多くの記者の、左派的主観で物事を表現していくプロパガンダ的傾向も、国の名誉や尊厳をないがしろにする態度も、捏造を誤報としか言わない高慢な姿勢も残念ながら理解されるというものです。


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渥美半島にも足を運び歌を残した柳原白蓮

2014年09月08日 | Weblog

10年前の除幕式(潮音寺HP)

9月です。NHKドラマ『花子とアン』の放映もあと一カ月、終盤戦に入りました。それにしても、まあまあ何とも盛り沢山のエピソードを積み込んだものでしょう。NHK朝の連ドラに「蓮子さま」=柳原白蓮の愛人劇や憲兵事件まで登場させたのにもびっくりです。

その「蓮子さま」が何とわが渥美半島にも訪れていたということを聞き、新たな観光資源として今日は紹介することとします。半島先端の福江町の曹洞宗の禅寺、潮音寺。ここがその舞台です。

「南無帰依佛まかせまつりし一筋の 心としらば救わせたまへ」

白蓮が戦後、平和運動、女性の地位向上に全国を行脚していたときに、この潮音寺に立ち寄り、この歌を残したといいます。

そして今からちょうど10年前の秋、すなわち平成16年11月6日に、この歌の碑が建てられました(写真左端)。「白蓮歌碑」の除幕式には地元の短歌の会・俳句会、そして東京から白蓮の娘、宮崎蕗苳さん(写真中央)らが参加しました。

それにしても白蓮の激しさはなかなかのもののようです。

「吾なくばわが世もあらじ人もあらじ まして身を焼く思いもあらじ」

こんな強烈な恋歌を歌い切る女の情念、生命力、自己チュウさには、とてもかないません。そう口走りつつ、ドラマを楽しんでいるこの半年です。


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何と言うことをしたんだ、許せない盲導犬虐待

2014年09月01日 | Weblog

写真:日本盲導犬協会HP

酷暑の8月が去りました。しかしその夏の終わりになって、何とも許せないニュースが流れました。主人を誘導する盲導犬を、何者かがフォークのようなもので刺し、流血のけがをさせたというものです。

 どの新聞も盲導犬が危害を加えられても反撃せず、泣き声も立てない訓練を受けていること、そのために刺されてもじっと耐えてきたに違いないことを怒りを込めて報道しています。

 その通りなのです。30数年前に東京盲導犬協会(現在のアイメイト協会)に取材に行ったとき、今は亡き塩谷賢一理事長からこんな話を聞かされたことがありました。

 「盲導犬は決して目立ってはいけません。だから喫茶店に入ってもすぐに主人の座る椅子の下のそっと身を隠す訓練をします」。

「盲導犬は決して人に逆らってはいけません。ですから尻尾を踏まれても身体を蹴られても声を出してはむかうことはさせません」。

「盲導犬は警戒されたりします。だから排泄はいったん家を出た限り、帰ってくるまで我慢するよう訓練します」。

 塩谷理事長は我が国の盲導犬の第一号を育成した草分け的人物です。そうまでして人に尽くすようトレーニングされたパートナーを、何と言うことでしょう、これみよがしに刃物で突き刺したというのです。

 残忍きわまりない行動です。亡くなられた塩谷理事長に何と報告すればよいのか、私自身が取り乱してしまうほどに情けない行為という外ありません。


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