久しぶりに中央公論(4月号)をパラパラとめくりながら、北岡伸一論文に目が留まりました。「ニッポンの実力」という特集の一つで、タイトルは「鎖国思考が招く国力の低下」。
そこで彼は硬直した「護憲」や「伝統」に寄りかかった「鎖国思考」をやめようと訴えています。なるほど“鎖国思考”ねえ、とそのワード選択に思わず納得したというものです。
世界の実情を知らない「鎖国思考」が、江戸末期に硬直した「攘夷」を唱えさせました。そのこととパラレルに考えれば、たしかに現代での「鎖国思考」は、例えば世界のシビアな動きもリアリティを持たず、例えば硬直した「無防備」論などとして人々を拘泥させているといえましょう。
起こってほしくないことは、起きっこないと思いたいのが人の性(さが)。平和をと唱え続ければ戦争など起きっこないという論理です。
ちょうど一か月後の5月27日から伊勢志摩サミットです。その会場にわが渥美半島も隣接するだけに、先日も伊良湖港でテロ訓練が持たれました。しかしそれを包む周りの見守る人々と春の日差しののんびりとしたこと。やはり日本は鎖国なのかもしれません。