嶋津隆文オフィシャルブログ

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人の助けには心そこ頭が下がるというものです

2012年01月26日 | Weblog

写真:「付き添いに通った渥美病院(田原市)」

義理の兄が亡くなりました。72歳。一年前に胃がんが発見され手術を重ねてきたのですが、21日に渥美病院で息を引き取りました。年明けに担当の医師から、もう一カ月はもたないと宣言され、その通りとなってしまいました。

この間、付きっきりに看病する姉の負担を少しでも減らそうと、しばしば病院に足を運びました。しかし息も絶え絶えの兄のベッドの傍らで、時を過ごすことは明らかに苦痛でした。そこで思い知らされたのが、看護婦さんたちの献身的な働きぶりです。

意識のほとんどなくなった義兄に常に優しく声をかけ、身体をふき、喉の痰を吸い上げ、さらにはおしめを取り換えてくれるのです。昼夜を問わず、様子がおかしいと連絡を入れれば、すぐさま走ってきてくれます。ありがたいことでした。

病院で死ぬことよりは自分の家の畳の上であの世に行きたいもの。こういった言葉を吐くことが、いかに不遜かと思い知った次第です。家族だけで看病するなどとは幻想です。人は人の助けがなければ生きていくことも死んでいくこともできないのです。

それはそのあとの執り行われた葬儀も同様です。どんなに多くの近所の人や親せきの人たちのサポートを受けたことでしょう。

人の存在とは何とも有り難いものです。人の助けには心そこ頭が下がるというものです。早春の田原はそのことをしみじみ教えてくれました。


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一体何をやっているのかセンター試験本部は

2012年01月17日 | Weblog

写真:「大きな世界地図で矮小な修正が・・・」

センター試験が終わりました。土日の二日間は受験生にとって過酷な時間ですが、試験監督を担っているわれわれ教員にとっても何ともシンドイ二日間でありました。

そのセンター試験で今回は幾つもの失態があり、センター本部は新聞等に叩かれています。やれ英語のICレコーダーが会場に届けられなかったとか、手順が複雑で問題冊子を配り損ねたとか、まことにお粗末なことです。

しかし次のような話しを記せば、センター本部の体質そのものに問題があるのではと、心配になると言うものです。

一日目の地理歴史の時間のこと。緊張するしょっぱなの時間帯に受験生に配布された世界地図の正誤表がありました。ところがその修正個所といえば、ルーペで見なければ分からないほどの瑣末な印刷ズレでした。しかもこんなコメントまで付されていました、「この修正内容は問題とは関係ありません」。

一体何をやっているのかセンター試験本部は、と怒り心頭です。おそらく出題者の教員に偏執狂的なタイプがいてゴミみたいな訂正にこだわり、そのこだわりを本部が受験場の混乱を考えずに容認し、全国に流してしまったのでしょう。

一事が万事です。瑣末なことばかりに目をやり、受験生の立場になっていないセンター試験本部の体質が垣間見えると言うものです。「葉をかいて根をたつ」。この諺の意味は何かと本部職員に出題したいというものです。


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生「深キョン」と生「平家納経」に出会い感動

2012年01月10日 | Weblog

写真:「平家納経 阿弥陀仏を拝む尼」

1月8日から今年のNHKの新しい大河ドラマが始まりました。『平清盛』。それに連動しての江戸博の恒例の特別展が開かれ、先日の5日に両国に足を運びました。

寒い中を、それでも気持ちを熱くして向かったのは、その特別展で国宝「平家納経」が展示されると聞いていたからです。「平安時代に平家一門がその繁栄を願い、厳島神社に 奉納した経典類の総称。経典に施された装飾は絢爛豪華で、平家の栄華を今に伝えている」とWikipediaにあります。

その現物(生もの)です。心が躍らないわけはありません。案の定、びっしりと書き込まれた経文は、極彩色の絵とともに覗き込む人たちに溜め息をつかせていました。ホンモノというのは時空を超え、こういう迫力をもつのだと感動したものです。

さらにその特別展では、予期せぬもう一つの生もの(笑)に出会いました。清盛の妻を演じる女優深田恭子さんです。あでやかな和服で現れた深キョンの、まあまあ、何とも愛くるしくきれいなこと。ホンモノは何であれ感動させる大いなる魅力をもつようです。

新年早々、二つのお年玉をいただいた気分です。


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林由郎プロの人懐っこい笑顔が忘れられない

2012年01月06日 | Weblog

写真:「この本は林プロから直接いただきました」

ゴルフの林由郎プロが正月2日に逝かれました。89歳。小柄ながら、しかしあの頑丈な体躯からは老衰といった言葉は縁遠いと感じていただけに衝撃でした。日本プロ、日本オープンに優勝しただけでなく、青木功や福島晃子らを育てたゴルフの神様といわれた人物です。

その神様と知り合えたのは、10数年前に講演の依頼にお邪魔してからのこと。講演のタイトルは「ゴルフと大地と人生と」。それ以来習志野CCに行くたびに親しくさせていただきました。

こんな思い出があります。ある時、林プロは、「せっかくだから嶋津さん、スイングを見てあげましょう」と練習場に連れて行ってくれました。一通り私のスイングを見た後、林プロは、「あなたにはドローが合う。その打ち方を教えます」と2つのボールをマットに置いたのです。

すぐさま、パンパンと続けざまに2つのボールを打ちました。一つはフックのボールを打ち、その後をドローのボールを打ったのです。「よく見なさい。後から打ったドローボールが、フックボールを追いぬいて、しかも遠くまで行くでしょう。これがあなたには良いですね、うん」。

その言葉もさることながら、パンパンと立て続けに打った後のボールが、前のボールを抜いていく光景に、度肝を抜かれたものでした。ああ、これがプロというものなのだと。

その林プロの教えも今やすっかり忘れてしまいました。のみならずゴルフに出かけるのも年に3、4回という昨今です。先生への供養のためにも、近くゴルフ場に足を運んでみようかと空を見上げる昨日今日です。


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皇居への一般参賀の夜、映画『靖国』を見る

2012年01月03日 | Weblog

写真:「皇居二重橋」

昨日の正月2日、皇居の一般参賀に出かけました。初めてのことです。二重橋から見下ろすお濠も皇居内から見渡す丸の内のビル街も、普段とは全く違ったアングルだけに、ひどく新鮮なものがありました。

しかし何といっても感動的だったのは、天皇を中心に居並ぶ皇族の存在感です。被災地で深々と頭を下げられ、哀悼の意を表された両陛下の姿が多くの人の目に焼き付いていたからでしょうか、参加者の日の丸がことのほか大きく振られていたように感ぜられたものでした。

その帰路、義務感に駆られるように、数年前に見そびれていた映画『靖国』をゲオで借り家に戻りました。中国人監督による反日映画だと批判され、上映拒否の騒動のあった問題の作品です。

しかし映画の出来は技術的に見て凡作と言うほかありません。構成が単純なのです。ドキュメンタリーと言いながら、靖国を天皇=侵略者の象徴として軸に置き、天皇と生首の写真を交互に重ね合わせる等といった展開なのです。また素朴な老刀鍛冶の言動を「前菜」として使う姑息さも透けて見え、残念ながら鼻白んだといってよい作品です。

ただ政治的にはしっかりと活用された映画ではあったのでしょう。現に中国や韓国では反日運動の駆り立ての素材となり、朝日新聞は権力から表現の自由を守れと言ったキャンペーンに結び付けました。
そんな事ごとが思い起こされ、気分の上でも寒暖の差の激しい正月2日を過ごしたものでした。


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謹んで新春のお慶びを申し上げます。

2012年01月01日 | Weblog

写真: 北斎/富嶽三六景 甲州石班沢(かじかさわ)


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