写真:「ANNニュース」より
「朱さんが釈放されたらしい、よかったよかった」。
彼と一緒に机を並べていたNIRA(総合研究開発機構)の仲間から、このメールがここ数日、私のところにも飛び込んできます。
東洋学園大学の朱建栄教授。昨年7月に上海で中国の公安当局によって「国家秘密漏えい容疑」で突如拘束され、6か月間も長期拘留され取調べを受けていたのです。この1月17日にやっと釈放されました。
テレビ映像で見る限り健康状態は悪くないようです。ひとまずホッとしているところです。しかしインタビューで「私からは何も話せません。大学に聞いてください」と応答している姿から、私にはむしろ厳しい取調べの様子が想像されたというものです。
それにしても海外にいる中国人有識者らは、大変驚いたに違いありません。そして「帰国したとき、朱教授のように拘束されないだろうか」と怯える人が確実に増えることでしょう。21世紀に至っても法治国家としての基本的手順さえ無視する中国という国家に、改めて失望しないわけには行きません。