嶋津隆文オフィシャルブログ

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朱建栄教授が中国公安からやっと釈放された

2014年01月30日 | Weblog

写真:「ANNニュース」より

「朱さんが釈放されたらしい、よかったよかった」。
彼と一緒に机を並べていたNIRA(総合研究開発機構)の仲間から、このメールがここ数日、私のところにも飛び込んできます。

東洋学園大学の朱建栄教授。昨年7月に上海で中国の公安当局によって「国家秘密漏えい容疑」で突如拘束され、6か月間も長期拘留され取調べを受けていたのです。この1月17日にやっと釈放されました。

テレビ映像で見る限り健康状態は悪くないようです。ひとまずホッとしているところです。しかしインタビューで「私からは何も話せません。大学に聞いてください」と応答している姿から、私にはむしろ厳しい取調べの様子が想像されたというものです。

それにしても海外にいる中国人有識者らは、大変驚いたに違いありません。そして「帰国したとき、朱教授のように拘束されないだろうか」と怯える人が確実に増えることでしょう。21世紀に至っても法治国家としての基本的手順さえ無視する中国という国家に、改めて失望しないわけには行きません。


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センター試験日本史に出された手塚治虫伝のマンガ

2014年01月20日 | Weblog

写真:出題写真

1月17日の土曜日に行われた今年の大学センター試験。そこで話題になった一つが日本史での手塚治虫の伝記マンガです。翌日載った新聞で、早速にその問題に挑戦してみました。

太平洋戦争時から戦後の高度成長期にかけてのわが国の政治経済をめぐる問題(例えば天皇の人間宣言など)で、比較的容易で基礎的な出題でした。

しかし問題文を解きながらふと思ったのは、何故出題者はわざわざ手塚のマンガを4コマも採録したのだろうかということです。この4コマが無くとも、出題の意図と解答への影響は何もないからです。

出題者は、恐らく大の手塚治虫ファンで、その敬意をこうした形をとって表明しようとしたのか、あるいは息詰まる緊張感のなかにある受験生の気持ちを少しでも和らげようと心配ったのでしょうか。

いずれにせよ古色蒼然とした印象のある文科省にしては、なかなかの洒落た「遊び」心と、大いに好意的に受けとめたものです。


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成人年齢の18歳への引き下げは不要ではないか

2014年01月15日 | Weblog

写真:「神戸っ子」より

1月12日の日曜日に田原市でも成人式がもたれました。会場を埋めたのは700人の新成人。青年の凛々しさと晴れ着姿の艶やかな娘たちの表情には、間違いなく未来と希望という言葉が浮かんでいました。

ところで昨今、20歳の成人年齢を18歳に引き下げようとの議論がなされています。世界の多くの国の動向と若者の社会参加の機会を早めようとの判断のようです。

しかし昨年12月の内閣府の行った調査では、18歳に引き下げることに69%が反対していました。7割という高率です。

私も18歳引き下げ不要論に与みします。ここ数年間の大学教授生活での、18歳の学生たちに接した実感からして、彼らの社会的未熟さは否定できないのです。政治的にも多くは無知、無気力です。「選挙権を与えろ! 大人として認めろ!」という声もありません。

求めもしないのに与えるのは、権利と制度のムダというものです。いま以上に混乱する選挙騒動(結果)や、マスコミに踊らされる付和雷同選挙の広がりは見たくはないのです。


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正月休みは崋山、長英、象山、小楠、左内を読む

2014年01月07日 | Weblog

写真:「左より象山/小楠/左内」

岩波書店の日本思想大系の「渡邉崋山 高野長英 佐久間象山 横井小楠、橋本左内」(昭和46年刊)を立川の古本市で見つけ、わくわくして購ったのはもう3年ほど前のこと。

急いで読もうと本棚の一番見えるところに置いたにもかかわらず、崋山の田原藩に戻ったこの正月休みに、やっと開くことになりました。なかなかの骨太本で、読破に足かけ1週間掛かりました。

崋山は「外国事情書」と安政の大獄のきっかけとなった「慎機論」。
長英は同じくモリソン号事件を巡る論議を記した「戊戌夢物語」。
象山は松陰渡航事件に連座し獄中の感慨を記した「省けん(侃の下に言偏)録」。
小楠のその後の新政府の国是となった富国強兵を示した「国是三論」。
左内の15歳の時に稚心を去れと自省のためにしたためた「啓発録」。

いずれも幕末の経世家であり、その警告の書には一度は直に触れたいと思っていたものばかりです。いい正月でした。

それにしてもこれら経世家たちの憂国の思いとその政治思想の展開は、時空を超えて迫力を持ちます。それだけに昨今の世情での、国防論さえ否定する新聞論調などの散見に、たった百年余で平和ぼけした日本人の歴史への薄さを痛感するというものです。


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正月三が日に菩提寺の常光寺で「大般若」に参列

2014年01月04日 | Weblog

(曹洞宗HPより)

正月三が日は実家のある堀切町の菩提寺、常光寺での大般若にでかけました。大般若は、曹洞宗が三が日に行う「転読大般若(てんどくだいはんにゃ)」と呼ばれる法会で、『摩訶般若波羅蜜多経(大般若経)』の経文を読むことにより、参列者の平安などを祈祷するものです。

ちなみに常光寺は、江戸期には末寺を32ももち、渥美半島だけでなく三重の神島、三河湾の日間賀島までその配下に置く権勢をふるっていた当地の大寺です。

この常光寺に20人近い僧侶が集まり、太鼓を叩きながら、皆が大声で経文を唱えるのです。その光景は、葬式宗教といわれる仏教のイメージを払拭させる、なかなかの迫力のある賑やかさでした。

僧侶たちは600巻を分担し、右に3回、左に3回、それに前に1回の計7回、
巻をパラパラとめくり、最後に「降伏一切大魔最勝成就」(一切の大魔を降伏すること最も勝れて成就せり)と大声を出し、勢いよく経本を置くのです。

それにしても、と信心の薄い自分は、「このイベントは普段は書庫にしまわれている経文の、年に一度の虫干し作業ではないか」と想像してしまうのです。これではせっかくの功徳も身に付かないというべきでしょうか。


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渥美半島より謹んで新春のお慶びを申し上げます

2014年01月01日 | Weblog

伊良湖岬

いつぞやの夏、靖国神社で遊就館を巡る機会を持ちました。その折、思わず目に入ったのが給糧鑑『伊良湖』の掲示。何と故郷の地名が付された艦艇が写真とともに紹介されていたのです。

南方の兵士に米はもちろん饅頭、アイスクリーム、最中などの食料品を運ぶ希少な輸送艦であり、海軍で一番人気のあった艦艇といわれます。

昨春、その人気の伊良湖(愛知県田原市)に半世紀ぶりにUターンしました。
教育委員会に赴任し学校統廃合などの教育改革に汗を流す昨今です。

給糧艦ほどの人気を得ずとも、せめて幾ばくかの故郷貢献での評価を得たいも
の。そうちょっと気負ってみる、60台中ばの新春の朝です。


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