写真:「タンポポハウス全景」本人撮影
この日曜は春風にさそわれて、国分寺界隈を散策し、ふと思い立って、藤森照信さんの家に足を伸ばしました。いや、お邪魔したのでなく、タンポポハウスの屋根のタンポポがその後どうなったのかなと、ちょっと気になったからです。
写真をご覧ください。建築探偵団の中心メンバーで、建築史を教える東大教授である藤森さんの自宅です。名にしおうタンポポハウスです(参考:『タンポポハウスができるまで』朝日新聞社)。この地に姿を見せて15年余。建物と自然との「共生」でなく、自然によって「寄生」される建築というのが彼の設計イメージだとされます。
過日、藤森夫妻らと食事をした折、「屋根のタンポポはもうすっかり飛んで行ってしまって、残ってないんです」、と苦笑した美知子夫人の言葉が頭に残っていました。一年草のタンポポは風に吹かれて飛んでいけば、それっきりなのです。「またまた集めて植えるのも水をやるのも面倒なので、もうそのままですよ」と。
果たして、通りの外から眺めてみると、やはりタンポポの姿はありません。しかしこうした「粗雑さ」を是とするところに、藤森さん及びファミリーの魅力があると言えるのでしょう。ちょっといい気分に浸っての、春風駘蕩の一日でした。あっそうそう、春風駘蕩と言えば、藤森さんのキャラそのものが春風駘蕩と言ってよいかも知れません(笑)。