嶋津隆文オフィシャルブログ

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首里に沖縄作戦本部の第32軍司令部壕を訪ねる

2013年07月30日 | Weblog

現在壕の坑口は塞がれる

この7月末は沖縄で嚶鳴フォーラムの一環での教育長会議がありました。その帰路、どうしても訪れたかった第32軍司令部壕に足を運びました。牛島満。沖縄の軍司令官であり、父親が陸軍士官学校を卒業する時の校長であったこの人物の、足跡に触れたかったのです。

「昭和19年3月、南西諸島の防衛を目的に、第32軍が創設されました。同年12月、司令部壕の構築がはじめられ、沖縄師範学校など多くの学生や地域住民が動員されました。昭和20年3月、空襲が激しくなると、第32軍司令部は地下壕へ移動し、米軍との決戦にそなえました。壕内は五つの坑道で結ばれていましたが、現在、抗口は塞がれ、中に入ることはできません。司令部壕内には、牛島満軍司令官、長勇参謀長をはじめ総勢1000人余の将兵や県出身の軍属・学徒、女性軍属などが雑居していました。戦闘指揮に必要な施設・設備が完備され、通路の両側には兵隊の二、三段ベッドが並べられました。壕生活は立ちこめる熱気と、湿気や異様な臭いとの闘いでもありました」。(現地説明板より)

壕は首里城の地下で全長1.6kmに及ぶといわれます。酷暑の那覇での訪問であれば「熱気と、湿気と異様な臭い」という表現が強烈に目に入ります。牛島中将は本土防衛の「捨石」とされた沖縄の悲劇の末に6月には割腹して果てます。硫黄島で同様の絶望的な戦いを強いられた栗林忠道司令官と二重写しとなるというものです。ただ合掌するばかりの一日でした。


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ケネディ大統領の長女の駐日大使指名に思う

2013年07月22日 | Weblog

ホワイトハウスは、ルース駐日大使の後任にキャロライン・ケネディ弁護士を指名するようだとの報道がありました。あのケネディ大統領の長女です。政治的力量は分かりませんが、間違いなく明るい話題です。

私には、ケネディ大統領と聞くたびに思い出される一つの“縁”があります。ちょっとした私の宝物でもあります。

20年ほど前、ニューヨークの市役所に東京都の代表として駐在していた折に、私のカウンターパートの一人がギリアン・ソレンセン女史でした。何ともエレガントな女性で、しかもその夫君がセオドア・ソレンセン上院議員だったのです。ケネディ大統領の民主党の優秀なブレーンとして世界的に有名な人物です。

「国家が諸君のために何をするかでなく、諸君が国家のために何ができるか問おう」
Ask not what your country do for you:
Ask what you can do for your country. 

思い出す方も少なくないと思います。ケネディの大統領就任時の一節で、ワシントンのアーリントン墓地に眠るケネディ大統領の墓に刻まれている一文です。この歴史的名演説を起草したのが、他ならぬセオドア・ソレンセン氏であったのです。家族ぐるみの付き合いこそなかったものの、当時の私には極めて近い存在でした。

米国の近現代史そのものであるケネディ大統領と関わるこれら人物との“縁”。これは、間違いなく私にとっての宝ものなのです。それだけに、キャロライン女史の大使就任の正式報道を心待ちにする昨日今日なのです。


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南信州の満蒙開拓団の歴史館でその悲哀を思う

2013年07月16日 | Weblog

阿智村といってロケーションの分かる人は殆どいないことでしょう。長野県下伊那郡の山村であり、中央高速の飯田山本ICから降りて15分ほどのところにあります。そこにこの4月、満蒙開拓平和記念館がオープンしました。

信州からの満蒙開拓団と言えばまさに山崎豊子の「大地の子」の舞台です。ぜひ現地を訪れてみたいと、ちょうど教育委員会の研修会が先週末にこの地で開かれたのを機に足を運んできました。開拓団の悲劇の歴史を決して風化させることがあってはならないと、記念館の設立趣旨はこううたいます。

「中国東北地方にかつて13年間だけ存在した幻の国「満州国」。ここに日本から約27万人の農業移民が渡って行きました。「満蒙開拓団」です。“20町歩の地主になれる”、“満州は日本の生命線”―夢を抱いて渡った新天地でしたが、1945年8月9日、突然のソ連侵攻で満州は戦場と化し、開拓団の人たちは広野を逃げ惑います。終戦後も祖国に帰ることができず、難民収容所では飢えと寒さで大勢が亡くなりました」。

戦後70年たっての記念館の設立です。この村の人々の測りがたい無念が滲むというものです。満州での集団自決の惨劇や収容所での非情な光景を語った帰村者たちの証言は、一切の形容詞を受けいれないほど苛烈なものでした。歴史はどんなことがあっても語り伝えねばならないと、刺すような思いを抱かされたといって過ぎることはありません。


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京都大学の赤レンガ時計台を設計した郷土の先人

2013年07月11日 | Weblog

写真:「京都大学本部」

故郷で暮らし始めてみると、思わぬ出逢いがあるものです。京都大学の本部時計台。その設計者が何と田原市出身の人物であることを学芸員に教えられたのです。

永瀬狂三(ながせきょうぞう)。明治10年生まれ。田原藩家老の家系で、東京帝大の建築学科に学びます。あの東京駅の設計者で名高い辰野金吾の事務所にも所属し、後に京都大学に赴任します。晩年は京都工学校の校長を務めました。

永瀬は故郷の田原にも多くの作品を残しています。田原の博物館内にある崋山文庫、成章館中学の講堂兼武道館(現在はない)、そして街中の閑静な住宅街の中に大正7年に建てられた商家の洋館などです。

その洋館を先日、所有者である田原証券の森田雅人社長の案内で訪問する機会を得ました。大正ロマンを漂わせる天井や床。「室内音楽会も楽しめますね」と語る社長の説明を受けながら、全国に発信できる郷土の資源に出くわしたことに心躍らせたものでした。


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地方自治の面からも憲法改正は論議されてよい

2013年07月05日 | Weblog

写真:「田原市・電照菊風景」

参院選挙が昨日告示されました。ねじれ国会が解消されるか、大いに関心があるところです。その争点の一つが憲法改正です。憲法論議はとかく第9条が俎上にのりがちですが、地方自治を強化するという面からも論議も必要でしょう。

今から8年前の平成17年、私は憲法改正に関する一冊の本を上梓しました。『どうなる日本、どうする分権』(副題:憲法改正「地方自治」論争」(㈱ぎょうせい)です。

そこで私は地方自治の充実のため、憲法論議は大いにされてよいと問題提起をしました。道州制や市町村の規模を整理するとともに、条例制定権などの自治の範囲の拡大を目してのことです。

当時、自民党は結党50周年を機に新憲法草案を発表しました。公明党は「加憲」を、民主党は「創憲」をスタンスに、いずれも改憲の方向を主張していました。また岐阜県も神奈川県も「真の地方自治の実現には憲法改正が必要だ」と憲法改正案を公表したものです。憲法論議はそれなりに盛り上がっていました。

しかし今、憲法論議は混迷しています。一部の政党は、選挙のためにあえて改憲vs護憲という半世紀前からの構図に戻ろうとしています。まことに残念なことです。近視眼的な対応をしていては、少子高齢化や地方の過疎化の中で、国の形を見定める気運がまた遠くなってしまうというものです。


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嚶鳴(おうめい)フォーラムと云うイベントの心楽しさ

2013年07月01日 | Weblog

日常の仕事の中に趣味と実益が重なるのは誠にラッキーと云うものでしょう。
「嚶鳴(おうめい)フォーラム」。歴史の好きな私にとって、この秋の10月末に田原市で開催されるこのイベントはまさにそうなのです。

嚶鳴フォーラムは、ふるさとの江戸期や明治期の経世家たちに着眼し、そこから地域おこしの工夫を学ぼうという全国自治体のネットワークイベントです。

長野(松代)市の佐久間象山、小田原市の二宮尊徳、東海市の細井平洲といった面々を引き下げて各首長が参加し、第7回目の今年は渡邉崋山を擁する田原市が担当することになっているのです。

その事務担当者会議が昨日今日もたれており、北は釜石市(大島高任)から南は沖縄市(島マス)までの14自治体が集まり打合せを行いました。私だけではありません、集まった各自治体の担当者はいずれも楽しそうなのです。

時空を超える素材が介在すると、どうしてこんなに心楽しくなるものでしょうか。
歴史上人物と云う評価の確定したものを対象とすることが、関係者の気持ちを落ち着かせているのかもしれません。なんせ昨今の行政では、多くの業務がとかく不安定なままに漂流することが少なくないからです。


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