嶋津隆文オフィシャルブログ

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佐渡の廃校利用の学校蔵プロジェクトは注目したい

2016年02月29日 | Weblog

全国の廃校活用での調査で全国を回っていると、なかなか唸らせる人たちに出くわすものです。特にこの2月初めに訪れたその一つ、佐渡の学校蔵プロジェクトを紹介しましょう。

 

プロモーターは平島建(尾畑酒造㈱社長)と尾畑留美子(尾畑酒造㈱専務、真野鶴五代目蔵元)の夫妻です。平成11年に東京からUターンし、廃校となった地元の西三川小学校での起業と地域おこしに着手したのです。

 

佐渡市は人口6万人弱。そこの廃校となった西三川(にしみかわ)小学校は木造校舎で趣があり、その丘からは「日本で一番きれいな夕日が見える」と地元の人たちの誇りとなっていました。「旧西三川小学校校舎を有料で3年間お貸しします」。平成23年に佐渡市はこう広告を出しました。この募集に平野・尾畑夫妻が呼応。そして「尾畑酒造の酒蔵として廃校を利用」という活用方法が採用され、スタートするのです。

 

  一組の夫婦の挑戦と地元自治体の決断が、地域の活力と楽しみを生むことになるユニークな例といえます。尾畑さんらは東京で働いていたころの出版や映画宣伝での経験や広い人的ネットワーク、インターネットを駆使し、国内外との交流も進めているのです。

 

それだけにこの「学校蔵プロジェクト」は4つの未来像を掲げ、長期的な視点も持っています。もちろん酒が中心ですが加えて、1)酒造りの学び、2)地域産物の利用、3)酒を軸とした交流拠点、4)朱鷺の舞う環境の島ならではの酒造り、を掲げるのです。

 

尾畑留美子専務はヒアリングでこうも言っていました。

「単なる廃校利用にはしたくないと思っています。廃校活用で地域に化学反応が生じることを期待しているのです。確かに行政の人はなかなか動きません。しかし潜在的にやる気のある人はいます。役所は市民のアイディアに「巻き込まれること」を望んでいるのではないでしょうか」。

 

地元への愛着と廃校活用者の利益確保が可能なアイディア。そのことを行政も巻き込み、地域の自分たちの手で創造していく。注目される取り組み例と言ってよいでしょう。


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やっと脱稿できました。長い地獄の2ヶ月でした。

2016年02月27日 | Weblog

渥美半島・菜の花と伊良湖ビューホテル】 

長いこと、ブログをアップせずに来ました。なんと一ヶ月以上ぽっかり空いてしまいました。このサイトをオープンして10年余、初めてのことです。一昨日には若いレイアウト担当者から、「大丈夫ですか、ひょっとして倒れてはいませんか?」といった心配メールが送られてくる始末です。

 

理由はとても簡単です。この2月の末の締め切りを控え、3本もの原稿を抱えて悪戦苦闘していたのです。特に正月前後から作業が本格化し、短いブログさえ書く余裕がなかったのですから、なんとも情けないものです。

 

抱えていた1つは植物画家太田洋愛の評伝です。渥美半島出身のボタニカルアートの日本の第一人者。田原市博物館の「研究紀要」に載せるもので約2万字です。『評伝:花の肖像画家太田洋愛』とタイトルをつけました。

 

2つは「廃校活用に関する調査研究」(愛知大受託研究)のブックレットの刊行です。枚数は100ページ。全国の廃校舎活用策のなかで、これはという工夫をしている地域の実態を調査研究したものです。

 

3つは『廃校活用で地域の活性化を!』(仮題)という単行本の原稿で、この春に東京法令出版から刊行予定のものです。200ページ。廃校活用の先行例調査をベースに、全国向けに地域活性化策の提言を行おうとするものです。

 

時間のかかったのは、分量の多さもさることながら、一番の理由は表現する作業に混迷していたからです。若いころと違って、コンコンと水が沸いてくるような言葉も勢いもなくなっているのです。老いてすぐれた文章を書く人は少なくありません。しかし凡人の自分はそうではないと強く知らされました。

 

そういえば黒田夏子(昭和12年生まれ)が芥川賞をもらったのが75歳。『信長の棺』の加藤廣(昭和5年生まれ)は75歳デビュー、時代小説で今が旬の佐伯泰英(昭和17年生まれ)は今年76歳。うーん、すごい人はすごいのです。

 

60歳代後半の私の愚痴など、失笑モノというものでしょう。気を取り直して、また今日から、コンコンとならずコツコツと稚拙な文章をブログあたりに書き連ねていくしかありません。渥美半島はいま菜の花が満開です。が、吹いてくる風はいやに冷たく感じます。


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