嶋津隆文オフィシャルブログ

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映画『エヴェレスト 神々の山嶺』に興ざめする

2016年03月27日 | Weblog

封切られたばかりの映画『エヴェレスト 神々の山嶺』を見てきました。数年目にふと思い立って出かけたエヴェレストの白い輝きと、先般の地震で崩れた古都カトマンズの姿を、改めて確認したかったからです。

 しかし映画の出来には失望です。エヴェレストの壮大さ・厳しさは堪能できました。しかしストーリーの荒っぽさが随所に見えるのです。 岡田准一のエヴェレストへ登る思いが今一つ理解できず、尾野眞千子がわざわざエヴェレストまでついて行く意味も不明です。

 角川映画は昔から(角川春樹のころ)こうしたスケールの大きさが勝負といったフシがあり、ディテールの深みが粗雑なのです。せっかくの阿部寛の凍結の長いシーンなどの迫力も、ストーリィの粗雑さが映画の出来を希薄にしてしまうのです。

 そういえばニューヨークにいた折、こんなことがありました。カナダでの映画撮影『天と地と』の帰りに寄った角川春樹は、ハドソン川で船上パーティを開きます。そこで全身真っ白な装束で現れた彼は、「自分は上杉謙信の生まれ変わりである」と真顔で語り、私たちを興ざめさせました。春樹から歴彦へと時代は変わっても、そうした事大主義には等しく角川映画にあるのかもしれません。 うーん、残念です。


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 靖国開花の日に思うジェンダーフリーという思想

2016年03月22日 | Weblog

昨日3月21日に桜の開花宣言がなされました。靖国神社の桜が6,7分開いたのです。なぜ標準木が靖国なのか、気象庁も定かでないと言っているようですが、やはり散華した兵士の象徴に由来すると考えるのが自然でしょう。

 そんな折、小金井市役所近くに招かれ、市民50人ほどを前に講演する機会を得ました。テーマは「これからの地域行政と首長の責任」。そこでこんな話をしました。

 「少子化や過疎化をどう止めるのか。我が国では、出生者=100万人、死亡者120万人だが、ちょうどこの差分の20万人が中絶数と合致する。すなわち中絶がなくれば人口減少は止まるということも留意すべきではないか」。

 「だいたい子どもがほしい、孫の顔が見たいという日常的な心情さえ、お爺さんお婆さんが口にできないような戦後の風潮は異様です。「産めよ増やせよ」は軍国主義だ。中絶は女性(だけ)の権利だ。そればかり強調する気運はいかがなものでしょう」。

 この話に気色ばんだ70歳前後の女性がこう発言しました。「女性は産む機械では絶対にありません」。この産む機械論はしばしばジェンダー論者の反撃材料として口に上ります。とくに高齢の、戦後民主主義の教育にどっくり浸ってきた女性層に根強く浸透しているようにも見えます。

 しかし産むことは女性の天賦の才能です。その天から授かった肉体をあえて機械に貶めてまで反論する姿は、やはり異様というものではないでしょうか。

 子どもを産み育てるには我が国は、行政的にきわめて不十分な社会であることは否めません。とくに女性に子育ての負担が強いられていることも事実です。しかしその行政に出生率目標さえ設けなさせないできた戦後民主主義。国が「産めよ増やせよ」などというのは絶対に認めらない。そうした偏りの風潮が、一方で存在してきたことも知っておく必要がありましょう。


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白梅のあと紅梅の深空あり(龍太)とスピルバーグ

2016年03月14日 | Weblog

 

「白梅のあと紅梅の深空あり」

早春のこの季節に必ず口に出てしまう、何とも親しみのある一句です。

 

甲州の俳人飯田龍太の作で、龍太はホトトギス派の重鎮である飯田蛇笏の4男。この句には甲府盆地の春の華やかさと遠くに富士を仰ぐ、わくわくするような青空を想起させられるというものです。

 

そして何気なくウイキペディアで飯田龍太にアクセスしてみて驚きました。龍太には3人の兄がいて、その兄たちは長兄がレイテ島で、次兄が病死で、三兄が外蒙古で相次いで亡くなっているのです。何とスピルバーク監督の『プライベートライアン』とまったく同じ世界ではないですか。

 

4人兄弟のうち3人の兄が前後して戦死した事態に、陸軍参謀本部は母親の悲嘆と反戦気分が醸成されることを懸念。対独戦の最前線にいる末弟ライアンの、急遽の救出帰還を命じます。この実話に基づいて制作したのがスピルバーク作品です。

 

おりしもここ1~2週間、BSではアカデミー授賞式特集が組まれ、その一環としての『プライベートライアン』はちょうど一週間目の放映だったでしょうか。激しい戦闘シーンのリアルさもさることながら、強烈だったのは人間の生命の選択性というものです。

 

白梅から紅梅へ。飯田龍太のこの一句が、もうひとつの生命のドラマを演出してくれたかのように思われてくるのは不思議です。


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中国人の爆買いには感謝して貰ってよいと朱教授

2016年03月09日 | Weblog

 

                写真は浅草ビューホテル

 

昨晩のBSフジのプライムニュース番組で友人の朱建栄教授が、例によって顔を赤くしながら中国の立場を説明していました。国営企業のリストラで雇用を失う人が600万人にのぼると予想されています。でも社会保障整備などのフォローに中国政府は本格的に取り組み始めているというものです。

 

それにしても600万人という膨大な数には驚かされます。反政府運動となって政権が危ないのではなどと案じてしまいます。それにしてもこの桁違いの数字を見ると、この1月2発表されたインバウンド調査での、中国人の爆買いの実態に、あらためて納得するというものです(観光庁「訪日外国人消費動向調査平成27年速報」)。

 

平成27年の訪日外国人の旅行消費額は3兆4,771億円と推計され、前年比で7割増。そしてこの全体のうちの4割は中国からの旅行者が占めているのです。その消費額は1兆4,174億円で、前年比でみると何と2.5倍なのです。

 

費目別に見てみるとこれが中国人観光客の、爆買いの実態を一番よく示しているといえましょうか。訪日外国人全体の買い物代は1兆4,539億円ですが、その5割以上は中国からの旅行者が占めており、その額は8,089億円と突出して高いのです。

 

1人当たり旅行支出を見てみる。買物代への支出は平均で7万余円ですが、中国からの旅行客は16万余円と突出して高くなっているのです。平均支出の2倍以上というものです。

 

 先般、朱教授に会ったとき、爆買いの実態についてこう笑いながら言っていました。日本人は中国観光客のマナーの悪さを難じているけれど、この観光客の消費の大きさには日本も少しは感謝して貰ってもいいのではないかと。うーん、それはそうかも知れません。


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廃校利用の調査研究で全国を廻って思うこと

2016年03月08日 | Weblog

 

少子化の進行は、わが国の社会を様々な形で変容させようとしています。その一つが学校の統廃合です。それによって多くの廃校が生まれました。

 

文科省発表の公立校の廃校数は、平成14~25年度までの12年間で5,801校。しかもその廃校となった5,801校のうち、すでに取り壊された701校を除く5,100校は、「活用されているもの」が3,587校(7割)であるものの、「活用されていないもの」が1,513校(3割)にも及んでいます。

 

学校は地域の結集軸であり、統廃合は地域の元気を奪うものではないかとの声があります。それだけに学校再編を進めている自治体にとって統廃合による空き校舎等の活用策は、喫緊の課題となっています。にもかかわらず、廃校活用は十分には行われていないのです。

 

この一年近く、全国の廃校活用例の調査を重ねてきました。そのヒアリングを

しながら、廃校活用にあたってブレーキとなっている3つの壁を知らされまし

た。1つは地元の合意形成の困難さから制約として出てくるもの、2つは都市

計画法や建築基準法など法の制約として出てくるもの、そして3つはカネ(財

源)の制約として出てくるものの3つです。

 

しかしそれ以上にある課題が横たわっていることに気付かされます。これら3

課題の通底にあるものとして、自治体職員の消極姿勢を感じないわけにはいか

なかったのです。もちろん限界集落を抱え必死の自治体は少なくありません。

しかし他方で、時としてみせられる幾つかの自治体職員の無気力さには驚かさ

れるというものです。いわく住民合意が大変だ、法律の制約が掛かっている、

カネがない。そう口にしながら結局、動こうとしない層が存在するのです。

 

しかし他方で、そうした課題を知恵と工夫でクリアしようとしている自治体は

少なくないのです。少子化のフォローは広範囲に及び、たしかに大変ではあり

ます。しかしそのことに後ろ向きな役所の閉塞状況を崩す意味においても、全

国での先進的な事例を周知していくことは絶対に有効なことではないか。ヒア

リングを終え、強くそう思う昨今です。


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