【JALポストカード】
昨日今日、ワールドカップでラグビーが、日本シリーズでヤクルト×ソフトバンクが盛り上がるなど、大いにスポーツが高まっています。そんななかで愛大友人の大澤正治教授から以下のような話を面白く聞きました。
最近、学生に質問した。「外国へ行くならどこへ行きたいか?なぜか?」。No1はドイツであり、No2は米国であった。「ドイツにサッカーの試合を見に行きたい」であり、「米国にメジャーリーグの野球を見に行きたい」がその理由であった。ちなみに回答のNo3はイタリアである。その理由は遺跡でもファッションでもなく、やはりサッカーである。
テレビあるいはインターネットでドイツのサッカーを見て、思い立って翌日の決勝試合は、ドイツのサッカー場で実際に見る、これが今のサッカー・サポーターたちである。
つまりお金を使わないで文化などに一瞥もせず、あるいは滞在したその地の名前すら知らずに帰国する。そうした傾向が情報化時代の現代的海外渡航である。
こうした指摘をした大澤教授は、外国へ行く昨今の学生たちの行動を「自分だけ読める羅針盤をもち、時間をとめたグローバル化」であり、「時間をとめた渡航」と表しています。なるほどと、教授の指摘の内容もさることながら、その言い得て妙の表現にひどく納得した自分です。
そういえば何年か前に国立駅で、三浦カズとその長男とが手をつないで階段を下りてくる光景にばったり出くわしたことがありました。のんびりとした父子の姿。しかしその長男坊も長じて「時間をとめた渡航」をしているのかと思うと、思わず笑みがこぼれてしまうというものです。