嶋津隆文オフィシャルブログ

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2年間会長を務めた中野区個人情報保護審議会

2012年06月25日 | Weblog

写真:「東京都における単身世帯、単身比率」

中野区の個人情報保護審議会(第11期)が先週末(6月22日)で事実上終了となりました。2年間その会長を務めてきただけに感慨深いものがあります。

そのなかで特に印象深い事例のあったのは、孤独死をめぐる個人情報保護のあり方についてでした。孤独死。無縁社会といわれる中での悲惨な現象です。数日前の新聞にも死後、幾日もして発見された夫婦の記事が載っていました。

こうした事件を避けるべく、中野区が「地域支え合い」事業を始め、町会・自治会に高齢者への見守りをお願いしようとする条例を全国に先駆けて制定ましたした。昨23年のことです。

しかしこの条例化の際のネックが他ならぬ個人情報保護という壁でした。個々の高齢者状況を町会・自治会といったところに提供してよいのか。この諮問が私たち個人情報保護審に投げ掛けられたのです。

個人情報保護は絶対的なものではない。孤独死は命に関わる問題だ。住民サービスとのバランスの中で、むしろ個人情報は活用されることがあってよい。そう考えた審議会は町会・自治会への情報提供を認める答申を出しました。

個人情報至上主義が蔓延する昨今の社会風潮の中で、私たちは正しい判断をしたものと強く思っています。


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田原静坐会で岡田虎二郎ワールドを垣間見る

2012年06月19日 | Weblog

写真:「岡田虎二郎」小松幸蔵著

岡田虎二郎(明治5年~大正10年)にハマっています。先週末に帰省した田原でも地元の静坐会を訪れ、この郷土の偉人の足跡を辿りました。話しを伺ったのは田原静坐会の中心メンバー、松浦邦治氏の自宅です。

足の重ね方、手の組み方、身体の傾け方など静坐の仕方を丁寧に指導して貰っただけでなく、岡田虎二郎の人と成り、あるいは静坐会の歴史を熱を込めて語っていただきました。改めて興味心を膨らまされたというものです。

「静坐の姿勢は自然法に合する姿勢だ」。それは五重塔が倒れぬと同様に均衡を保っているからだと虎二郎は説いています。しかもこの自然法の考え方は身体的な形状の指摘にとどまらず、岡田虎二郎の思想の中核となっています。

「克己とか禁欲とかいうが、それは何のことであろうか、静坐にはそんなものの必要は少しもない」
「何といっても、日本の宗教家中最も傑出したのは親鸞聖人である。元来真の宗教は戒律的、禁欲的なものではない」
「ペスタロッチ(1746~1827年、スイスの教育家)は貧乏人に同情し過ぎた。貧富共に同じように見えなければいけません」

語録にも記される、岡田虎二郎の時空を超えて展開される宗教論、教育論、身体論。これが百年前に我が国を席巻した岡田虎二郎ワールドなのかと、改めてその解読に挑戦する気にさせられたものです。


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ラスプーチンと呼ばれた故郷の偉人岡田虎二郎

2012年06月13日 | Weblog

写真:「岡田式静坐会がもたれた本行寺」

雨の日暮里の、谷中墓地に隣接する日蓮宗本行寺を訪れました。かつて岡田虎二郎が静坐会の講座を開いていたところです。精神鍛練と健康増進を目した岡田式静坐法は、明治から大正期にかけて世の中を席巻し、入会者は数万人に及んだと言います。

その一人、キリスト教社会主義者の木下尚江は「岡田虎二郎は神でござる」と心酔し、足尾事件の田中正三は「今度こそは我国にも聖人が生れました」と評します。新宿中村屋の相馬黒光は門下生となり10年近く岡田の下に通い、ファンは徳川や水戸、相馬といった有爵者から学生にまで実に幅広く集まりました。

その一方で、教えが怪しげだとして「日本のラスプーチン岡田」と警戒され、そして当人が49歳と言う若さで夭折したこともあって、岡田式静坐法ブームは虎二郎の死後、潮が引くように消えて行きました。

この岡田虎二郎は、故郷の生んだ偉人の一人として、田原市では多くの人に知られます。山本雄二郎伝を執筆するにあたって、山本に影響を与えたであろうこの故郷の偉人の生の姿を追うべく、この日暮里のお寺を訪れたのです。

奇しくも境内には、山本雄二郎先生が若いころから魅せられていた種田山頭火の詩碑もありました。「ほっと月がある 東京に来てゐる」。万事が時空を超えての一日と言うものでした。


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徐々に、確実に信州の風景を変えている東京人

2012年06月08日 | Weblog

写真:「富士見高原ゴルフコース」

先週の土日は、気のおけない友人たちと新緑の溢れる信州で遊びました。一泊二日のゴルフ旅行でもあり、気楽な会話で生命の洗濯ができたと言うものです。

泊りは富士見高原の友人の家。15年前に作られたこの別荘には既に幾度か訪れており、界隈の深い森と美味しい空気と相まって何とも落ち着く空間となっていました。

しかし今回訪れてみて驚きました。周辺の樹木は切り倒され、新しい建物が次々と建てられていたのです。そこはもう殆ど市街地というべき風景でした。スーパーやコンビニも並び始め、地価さえ上がってきていると聞きました。

「いやいや別荘と言うより生活の場ですよ。退職して東京から引っ越し、定住し始めた夫婦が結構多くなっているんだよ」とは友人の談。

65歳と言うラインを越え始めた団塊世代の本格的な老後のライフスタイルは、こんな形で日本の風景を変えようとしているのだ。うーん。そう呟きながら廻ったコースであれば、100近い大叩きのスコアでも仕方ないというものです。


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NPO「フォーラム自治研究」の発足準備会を今夜開催

2012年06月01日 | Weblog

写真:三島のコロッケ&富士のイベントにも参画予定

地方自治の助っ人隊としてのNPO法人を発足させることいたしました。名付けて「フォーラム自治研究」(略称FJK)。

メンバーは全国の自治体関係者、大学教員、NIRA関係者が中心で、現在30数名の同士が集まりました。レストラン店主やテレビ制作者もいます。特別顧問に下河辺淳(元NIRA理事長)、久世公尭(元自治大学校長)。数人の現役市長も顧問となっています。事務所は神田神保町。

「少子高齢化や経済財政の深刻化が進む中、わが国では様々な地域運営の工夫が試みられています。フォーラム自治研究は、こうした全国各地での試みをサポートするため発足したシンクタンクです。大学・行政・地域諸団体等とネットワークを結び、各地の地方自治の推進、地域経済の活性化、地域文化の発掘創造などに関する調査研究、情報提供等の事業を行い、もって各地の自治のまちづくりに寄与することを目的とします」。

これが設立趣旨です。今夜新宿で設立準備会が開かれます。正式な認証は秋の10月頃でしょうか。役員となる私にとっては、人生後半のもう一つの軸足になると言うものです。皆さんからの幅広い参加を願っています(会費・年3000円)。


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