昨年暮れ、講演を頼まれ丹後半島を訪れる機会を得ました。その浦島伝説の舞台で、不意に思いつかされたことがありました。そうなんだ、もう人生の収束を準備しなければならない、間違いなくその齢になったんだと。
下河辺淳、梅棹忠夫、手塚治虫、黒川紀章・若尾文子、竹村健唐十郎、高橋惠子・伴明夫妻、江戸っ子芸者喜春さん、そして鈴木俊一、石原慎太郎。奇しくも縁を持てたこうした人たちとの出会いは私にとっては玉手箱。
今年で齢も70半ば。この玉手箱に詰まる、とっておきの生エピソードを、昭和・平成の時代分析とともに書き残すのも乙ではないか。今年はそんな一冊を上梓したい。そう気負う、寅年新春の朝というものです。
令和4年元旦