【国立駅前】
国立駅に立ち並ぶこの季節のイルミネーションはなかなかの圧巻です。国立の友人たちが、汗を流しながら今年も飾り付けを行ったと思うと、改めてこの風景に愛着がわくというものです。
ところで言うまでもなくXマスの12月25はユダヤ人イエス・キリストの生誕日。そして24日はXマスイブ。しかしいつもこの日になると思うのです。イブを「前夜」と訳したのは軽率ではなかったかと。
カトリック(グレゴリオ)暦ではたしかに24日の夜は24日です。しかしユダヤ暦では日没をもって日付は変り、この日没から一日が始まります。即ちXマスの25日でいえば、イブは既に25日なのです。イブは決して「前夜」などではなく「当夜」なのです。
そういえば今年は1Sのテロやシリア難民の民族移動が辛いニュースとして幾度も流れました。しかし中東のことはどうしても理解が困難です。それは一つにイスラムことが欧米のキリスト文化を通じて伝えられるからではないでしょうか。
Xマスイブを「前夜」とするグレゴリー暦は、16世紀にローマ教皇グレゴリオ13世が制定したもの。このことを考えると、世界のことはどこかでキリスト教文化のプリズムが入っていると思わざるをえません。
それだけに私たちが中東への理解を欲しようとも、そことの直接的な接触や情報の吸収が出来ない限界を、強く痛感させられるというものです。来年もまたイスラムテロのニュースが鎮静化の展望のないままに流れることでしょう。そう考えると国立のXマス・イルミネーションも、また暗く見え始めてしまうというものです。