写真:戦艦三笠での東郷平八郎司令長官
5月27日は海軍記念日です。いうまでもなく日露戦争のさなかの明治38年、東郷平八郎率いる帝国海軍がロシアのバルチック艦隊を日本海海戦で破った歴史的な日です。
そんな今朝の東京新聞に、都知事の尖閣購入に関し寄付が9億円を超えたと報じつつ、「明らかに地方自治体の役割を越える」とありました。しかしこうした「役割分担論」は、自治体の行動を抑制する際に常に出されるロジックであると知らねばなりません。
かつて東京都は国連と世界都市会議を共催した時に、海外との交流を「都市外交」と表しました。しかし霞が関の一部から、「外交」は国の専属権限であり、その表現は好ましくないと言ってきました。噴飯ものです。
国際的であれ国内的であれ、国難に際しその国の構成体が行動に出るのは当然です。震災での瓦礫処理に地域を越え全国の自治体は支援の手を差し伸べようとしています。戦後多くの自治体は国際平和を唱え核廃絶や平和宣言を制定してきました。
「役割分担」論者はこうした自治体の行動も「所管地域を越えている」と反対するのでしょうか。恣意的、作為的な「役割分担論」は、国民としての国家意識を萎縮させます。その危険さを私たちは十分警戒しなくてはならないというものです。