写真:「夏の陣を迎えるか、大阪城」
大阪の知事選、市長選が終わりました。橋下&維新の圧勝です。選挙戦で争点となった大阪都構想は今後の国の形を決めることに連動する重要課題ですが、もう一つ私が注視するテーマは大阪府の教育基本条例です。
この条例は、従来の権利至上主義の教育理念でなく、「義務や規範意識の重視」「愛国心や郷土愛の涵養」を強調しています。また「保護者は学校に不当な要求をするな」とモンスターペアレント対策を明確にし、「指導力不足教員の分限処分」「職務命令違反者への処分」でいわゆるM教員等への厳しい姿勢を明記しています。
ほとんど挑発的(?)ともいえる諸条文であり、この案を突きつけられた教員組合が目の色を変えてかみつくのも当然でしょう。自分たちが半世紀にわたり掲げてきた理念(看板)が否定され、併せて学校という自らの温床が潰されようとしているからです。
ところでこうした論争の場合、教組サイドが常に対抗理屈として主張するのが、「教育の独立性」「政治権力からの中立性」というワードです。
しかし終戦から60余年、もうこの戦術的なコトバには惑わされることはやめるべきでしょう。「教育の中立性」→「保守政権への敵対」→「革新勢力の拡大」という構図の下、その政治的意図さが明らかになってきているからです。
先般も、集票マシーンとして動いた北海道教組が選挙違反で逮捕されました。山梨県教組のバックアップで当選した民主党の幹事長は、公約の公務員給与の2割カットに踏み込もうとはしません。
「教育の政治的中立性」というコトバは、今や教員たちが自らの既得権を守るための政治用語に変わって来ているのです。皮肉なものです。そうした教育現場の実態を人々がどう認識し、そして条例の成否に対応していくのか。大阪の教育基本条例をめぐる大坂夏の陣には、選挙戦以上に関心がもたれると言うものです。