AR蒙古襲来(松浦市HP)
今週もまた台風が襲来しています。その激しい雨音を聞くとき、いつも思い起こすことがあります。
李圭億氏。韓国政府からにNIRA(総合研究開発機構)に特別研究員として派遣されていました。30年前も前の事。士官学校出のエリートで、当時父君は野党の党首。そのとき彼は、同僚の私にこう話したのです。
「嶋津さん、知っていますか。蒙古襲来で「神風」が吹いたと日本では言われているでしょう。しかしあれは、我々朝鮮民族が日本人を助けるため、判断した事なのですよ」。
えっ、どういうこと? 訝しがる私に彼は続けます。
「草原のモンゴル人には台風の事は全く理解できない。しかし朝鮮半島の人間は台風の到来を空や海の様子から予測できる。元の支配を快く思っていなかった我々の先祖は、あれこれ理由を付けてモンゴル軍を半島の留め、さあ嵐が来そうだと判断した時に出航させたのです。案の定、元の船団は大破。日本は我々のおかげで勝ったのです」。
当否はともあれ、この歴史観の隔たりはむしろ爽快に感じたものでした。ちなみに李さんはこの元寇の時にモンゴル人の血が入ったという両班の直系で、私は38代目ですとのこと。昨今の日韓のいびつな関係のなかにあると一層強く思い起こされるエピソードです。